雪のような白い肌。
血のような赤い唇。
黒檀のような黒髪。
雪かきをしながら、ふと思いだした。
「白雪姫」は子供の頃レコードでもよく聴いた。
当時は女王が婆さんになって、白雪姫に毒りんごを食わせるのが恐かった。
今も何故そこまでするのかは分からない。
七人の小人が白雪姫にデレデレするのはよくわかるけどね。
僕は今でも八番目の小人だろうね。
白雪姫にキスできる王子さまは羨ましいけど、小人になって悪戯して、優しく白雪姫に叱ってもらう方がいいかな。
なんてねえ。
雪のような白い肌というと、「雪女」というのもある。
雪女は、僕の記憶ではいい女なんだよなあ。
なんで結婚したのか覚えてないけど、子供も産んでお母さんになるんじゃなかったかな。
でも旦那が馬鹿なんだよ。
あの馬鹿さはよくわかる。
旦那は雪女のためとかなんとか言って、遠慮する雪女に優しさの押し売
りみたいなことをやるんだ。
頑なに拒んでるんだから、何かあるんだろうと思って身を引けばいいんだけど「どうして?どうして?」なんてしつこく旦那が聞くんだよ。
旦那がしつこいんだよ。
あんまりしつこいから、雪女がカッとなってやけくそになっちゃってさ。
そして溶けちゃうんじゃなかったかな。
違ったらごめん。