良秀-6
なんとも醜き容姿の絵師でしたが、世の中は不思議なもので、その娘は真に美しく気立ての良い子で、評判は大層高いものでした。
多少なりとも暮らしぶりが良くなっても、絵師は先立たれた妻の後添えをもらうことなく、ひたすら娘に愛情をそそいでいたのです。
高価な衣装や装身具をおしまずあたえていましたが、娘は少しもおごることもなく、貧しき人たちにわけてしまうのでした。
良秀はそんな娘の振る舞いになにもいわずにいた、というのも不思議といえば不思議ではないでしょうか。
それがいつしか大殿のお耳に入り、お屋敷にご奉公に上がるように命じたのでございました。良秀は大殿のご恩も忘れて、お断りをしたのでございます。
大殿はたいそうご立腹なさいましたが、こころやさしい娘が進んでお屋敷に上がり、父親の無礼を詫びたのでございます。
大殿も大層おきにいりで、人一倍お目をかけておいでになりました。
なんとも醜き容姿の絵師でしたが、世の中は不思議なもので、その娘は真に美しく気立ての良い子で、評判は大層高いものでした。
多少なりとも暮らしぶりが良くなっても、絵師は先立たれた妻の後添えをもらうことなく、ひたすら娘に愛情をそそいでいたのです。
高価な衣装や装身具をおしまずあたえていましたが、娘は少しもおごることもなく、貧しき人たちにわけてしまうのでした。
良秀はそんな娘の振る舞いになにもいわずにいた、というのも不思議といえば不思議ではないでしょうか。
それがいつしか大殿のお耳に入り、お屋敷にご奉公に上がるように命じたのでございました。良秀は大殿のご恩も忘れて、お断りをしたのでございます。
大殿はたいそうご立腹なさいましたが、こころやさしい娘が進んでお屋敷に上がり、父親の無礼を詫びたのでございます。
大殿も大層おきにいりで、人一倍お目をかけておいでになりました。