棚からぼた餅--岩淵龍王丸

信州の山郷での暮らしと、絵本と無縁になってしまった大人に向けた創作絵本や、芸術活動をお話します。

3-4-浮気者の失敗

2009-02-25 09:02:59 | 大人の童話
3
多少手を焼いてしまった面々は
「まだまだおごこ娘。われら大人がいいよるほどでもあるまいテ」
「そおとも、ほれ、アソコにいる妖艶な女子のほうが、張り合いがおます。わいはあっちにしますわ」と仲間はよその女にいいよっていく。
「フン!己の未熟さを棚に上げ、どないにもなりまへん。本領はこれからでおます」と、好衛門は女の背中をそれとなくなぜたり、口説きたてる。
4
「この人ごみにつれの者とはぐれ、こころぼそいところに、そのようなご無体なことを・・・」
「それはそれはおこまりのこと。それならなおさらこの万田好衛門におまかせあれ」
「万田好衛門様と申せば、奥方様がおありと・・・」
「おお!拙モンをご存知だとは好都合。なんの、あへんなヒヒ婆やらなんやら、あんたはんにくらべようがございまへん。なにかと嫉妬深く、このわいを信じてくれやへん。ちかじか離縁しょうかとおもーてます。」
「まーーそのようなことをなすっては」
「貴方様がお一人であれば、この稲荷様のおひきあわせ。神仏のご加護でございましょう」
「はい・・私はまだ一人身・・・。こないな満座でなんともお恥ずかしい・・・」

ryusun

つぶやき

絵本と無縁になった大人に

子供たちに向けたというより、内なるものを呼び覚ます大人への絵本