木・うんちく

木材と人間の関わりを考えて思うままに・・・

6. 人工木材(合成木材)は年数が経過するとどうなるのか

2012-11-09 16:23:39 | ウッドデッキ


木の粉とプラスチック樹脂を半々に混合して型から押し出して作った人工木材(合成木材)のデッキ材を使われるケースが増えています。

木材デッキでは必ず発生するひび割れと色あせが少ないので、
設計事務所としても採用しやすいポイントです。
ところが、人工木材の長所は設計事務所もよく理解していますが、
その欠点の方は、あまり知られていないので、
当初の期待に反して大きなクレームになることがよくあります。


先週、得意先の施設業者様から、「ライバル会社が施工した人工木材のデッキの経年変化を調べてくれ。」
と言う依頼があり、となりの県の公園に設置されたデッキ(池の上に張り出しています)を調査してきました。

遠くから見ると人工木材は、色あせは少ないのですが、近づいて見ると驚きました。
・汚い:人工木材の場合は、多孔質の隙間の中に汚れが入ってしまって薄汚れてしまっています。
ハードウッド場合は色あせしても風格がありますが、
人工木材の場合は、デッキの上でくつろごうと言う気にはなりません。
・取り換え補修ができない:人工木材は中が空洞なので、笠の先でつつかれたりすると穴があきます
(公園等ではけっこういたずらをされます)。
その場合に簡単に取り換えができれば問題はないのですが、
人工木材は伸び縮みを逃がすために横から固定していることが多く、
中の床板を取り換えるためにはすべての床板を外す必要があり、
実際には取り換えができないので、役所としては安全優先のためにこのような補修をしたと思います。
・熱で垂れる:夏になると人工木材の温度はかなり上がりますので、強度がなくなり、
長年の間に根太と根太の間が垂れてしまいます。
近くで見るとちょっとみすぼらしいなぁ。と言うところです。

人工木材はうちの会社も官公庁の物件でよく施工しますが、
メーカーによって品質の差が大きく、後でクレームになるので、
特定のメーカーの製品以外はお断りするようにしています。

この物件に使われた人工木材もその類だったのかもしれません。
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5. どの木材が耐久性があるか(腐朽促進試験)

2012-11-09 16:20:20 | ウッドデッキ


「どの木材が一番耐久性があるか」と言うことの回答が人によって異なることが多いのです。
ゼネコンの経験を積んだ所長は「再開発で50年前に打ち込んだ松の基礎杭を引き抜いたが、どれも腐っていなかった。
やはりヤニの多い松は耐久性がある。

これが宮大工になると、「法隆寺のヒノキは1000年の耐久性がある。日本のヒノキほど耐久性のある木材はない」
・・・で実際にどの木材が腐りにくいのかと言うことをJISで規定されている腐朽促進試験と言う方法で調べてみました。

腐朽菌を入れたガラス瓶の中に木の小さいピースを入れて、
温度と湿度を腐朽菌の繁殖に適した数字に保った部屋の中で、
数ヶ月の間に質量がどれぐらい減少するかと言う方法です。

毎回10種類~20種類程度の木材を調べるのですが、委託試験の費用が高額なのが難点です。
さて気になる結果は、このブログをご覧下さい。
より詳しくお知りになりたい方は、このサイトにお問い合わせ下さい
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4. ウッドデッキは縦張りか横張りか

2012-11-09 16:11:44 | ウッドデッキ


ウッドデッキは、縦張りと横張りはどちらが良いかをよく聞かれますが、
通常はどのエクステリアメーカーも縦張りが標準です。
これはデッキの奥行きはほとんどの場合は3.6mまでですが、
間口はかなり大きくなる場合がよくあります。
この時に縦張りであれば床下で構造材をジョイントしますので床板をつなぐ必要がなく綺麗に仕上がります。
又縦張りの場合は床下の大引きは建物と平行になりますので、
大工さんが工事をする時に窓のサッシを基準に平行をとることができ、作業が楽になります。


これに対してアメリカやカナダの場合は、
デッキの床下構造の関係から基本が横張りとなります
(詳しい説明をご希望の方は弊社のサイトにお問い合わせ下さい)。
つまり横張りか縦張りかの差はデザイン上の問題ではなく、
施工上の都合の要因が大きいと言うことです。

キットデッキの場合は間口が長い場合は、床板をジョイントしなくて良いので縦張りをお勧めしますが、
そうでない場合は、組み立て上は縦張りも横張りも作業的には変わりませんので、どちらでも問題ありません。
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3. 本立てを作る

2012-11-09 16:07:37 | ウッドデッキ

中学生年代の子供達に木工を教えることになり、
1時間は木材の講義をして、3時間で製作して、完成できるものと言うことで考えました。

・・・・と言うより私が中学の時に技術家庭の時間で習った本箱ですが、
当時、このような合理的な構造にいたく感激した記憶があり、
これをそのまま使わせてもらいました。

日本人の感覚では斜めのものを使うと言うか、
三角形を形の中に入れると言う発想がなかなかないのですが
(住宅に筋違を入れると言う発想も明治以降の考えですから)、

この本立ては簡単に作ることができて、丈夫で、しかも使いやすい。
中学生に教えるのにはなかなか良い作品だと思うのですが、
調べても今の教材にはないようです。
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2. カヌーを作る

2012-11-09 16:04:58 | ウッドデッキ


「ボーイスカウトの高校生が一日で製作できて、
費用が安くて、
それでいて四万十川を無事下って来ることができる強度を持つカヌー」
と言うコンセプトで考えたのがこのカヌーです。

シート張りのようなものでは浅瀬では破れてしまうので、
ヘビーな使い方をしても壊れない丈夫さと、
何せ一日で製作できる簡便さが必要でした。

3次元の曲線では高校生の日曜大工ではかなり難しいので、
9mmのベニヤ板を2次元に曲げて作る単純な形式にしました。

つくづく木材と言うのは扱いやすい素材であることを実感します。

ちなみにカヌーとしてちゃんと機能しただけでなく、
ひっくり返して晩餐のダイニングテーブルになり、
夜はベッドになったそうです。

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