
日本のサイトや海外のサイトを見比べて分かったことは。
ペルナンブコ(フェルナンブコ)はブラジルウッドの心材であることは間違いないが、
問題はブラジルウッドは何かと言う問題です。
ここが人によって見解が異なるのです。
結論的には、「ブラジルウッドと楽器業界で称されている木材は、
ブラジルウッドの辺材の場合もあるが、半ば反則ではあるが、
ブラジルウッドとは全く異なるブラジル産の他の木材(イペやマサランドゥーバ)
もそう称されるのが一般的になりつつある。」と言うことでした。
特に、現在、ブラジルウッドは、絶滅危惧種に指定されていて、
伐採することができなくなっていますので、
後200年ぐらいして、植林されたブラジルウッドが育つまでは、
弓メーカーがもっているペルナンブコの在庫素材を食いつぶすか、
代替品を使うしかないと言うことが、よりブラジルウッドの範囲を広げてしまったようです。
ところで、ブラジルウッドの心材であるペルナンブコは弓の素材としてはベストであることは明確ですが、
内外の色々の弦楽器のサイトを見ていると、
「ブラジルウッドの高級な弓は、ペルナンブコの低級な弓よりも良い」
と言うことが記載されていることです。
これについては、材木屋的な分析をすると次の内容ではないかと思います。
そもそも木材と言う植物は丸太の外側の辺材と少し中に入ったところから、
中心までの心材とで成り立っていますが、
心材と言うのは辺材部分に木材の沈殿物が溜まって、
生物学的には死んだ状態になって木材を支えているところです。
中心に近いほど木材が若い時に成長した部分で年輪は粗く、
外になるほど年輪が細かく緻密です。
ですからペルナンブコの場合で言うと、
赤い心材の内、中心に近い部分は沈殿物は溜まっていて音響特性は優秀だが、
物理的な特性は劣るだろうと言えます。
これが心材でも辺材に近い部分は年輪もつまって密度も高いことから、
音響特性も物理的な特性も優れている部分となり、
これが白い辺材になると、物理的な特性は優れているが、
音響特性は劣っていると言うことになろうかと思います。
以上のことから、ペルナンブコ(ブラジルウッドの心材)であっても、
物理的な特性の低い部分は、音響特性は悪くても物理的な特性の優れたブラジルウッドの辺材や、
似たようなブラジル産の別の木材の方が弓の材料には適していると言うことのようです。
ちなみに、今回の調査で分かったことは、弊社で販売している屋外用のウッドデッキの材料は、ブラジルウッドとして販売されている弓の材料と同じものであることです。
弊社での販売名は「アマゾンジャラ」ですが、
現地名ではマサランドゥーバです。
デッキの業界では、学名のマニルカラや日本での通称名のアマゾンジャラで販売されていますが、
これが弦楽器の弓として販売されている木材と同じものだったとはちょっと驚きです。。