木・うんちく

木材と人間の関わりを考えて思うままに・・・

184. 人工木材(合成木材・樹脂木材)の欠点その7:人工木材は何とも汚くなる

2018-08-29 17:41:53 | ウッドデッキ
弊社は30数年前、まだ人工木材が一般向けに販売されていない頃から
官公庁の仕事で人工木材を使っていました。
当時、人工木材は、クレームだらけの商品でしたが、
この当時のクレームは物理的なことに関してでしたので(伸び縮みが激しくて変形するとか)、
施工方法を工夫して何とか対応することができました。

それから10年ぐらいして、大手エクステリアメーカーが
一般住宅向けに人工木材のデッキを販売するようになり、
ずいぶんと改良されて今に至っていますが、
やはり人工木材の根本的な性質(半分が木で半分がプラスチック)
と言うことに起因する問題点が解決していません。
それは「数年すると何とも汚くなる。」と言うことです。


黒く見えているのが汚れです。
人工木材は静電気が発生し、汚れが付着し、
メンテナンスしないとそれが固まってこのようになります。

木材であれば、静電気は発生しないので基本的に汚れは風や雨で飛んでしまいますが、
人工木材の場合は、汚れがデッキにこびりつき、掃いた程度では綺麗になりません。
デッキブラシで水をかけなから、ゴシゴシこすり落とす必要があります。
何もしないと、ゴミ箱の横にいるような雰囲気で、
とてもデッキの上で食事しようという気になりません。

一般的に人工木材の欠点は、
夏場は熱くてデッキの上は裸足で歩くと火傷すると言われていますが、
我々のように人工木材も天然木材もどちらも施工している業者にとっては、人工木材の最大の欠点は、
「経年変化した時の何とも言えない汚さ。」だと思っています。
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183. 人工木材(合成木材・樹脂木材)の欠点その6.エコでない

2018-08-29 16:50:58 | ウッドデッキ


人工木材は「腐らない」と言うことと
「エコ」であり地球環境にやさしいと言うことがアピールのポイントになっています。

しかし実際に人工木材は、JISの腐朽促進試験をするとウリンよりも劣ります。
でもまあこれは、耐久性の高いのは事実ですので許すことができますが、
もっとも問題なのは「人工木材は地球環境にとっては良くない」にも関わらず
「地球環境にはやさしい」として販売されていることです。

人工木材はプラスチックと木と半分ずつ混ぜ合わせて押し出し成型して作られますが、
元のプラスチックのままであれば再利用できますし、
木材については、木材製品の原料として、もしくは、発電の燃料としても利用できます。

しかし、混ぜ合わせて人工木材にすると、地球環境にとってはどうしようもなくなります。
自治体の一般ごみとしても受け付けてくれません。
かくて、解体の時は産業廃棄物として処理するしかなくなります。

現在プラスチックの海洋汚染が問題になっていて、
ストローまで使わないようにしようとしているぐらいなのに、
いいのかなぁ。・・・と思いながら、人工木材の設計指定が入れば、
悪魔に魂を売りながら施工しています。
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