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「神田まつや吉祥寺店」で天ぷら蕎麦を食べる

2023年02月18日 | グルメ

東京に出かけた際、昼食をどこかで食べようと思い、以前、何回か行列ができていて断念した「神田まつや吉祥寺店」(東急デーパート8階)に行ってみた。「神田まつや」はあの池波正太郎氏が贔屓にしていた神田の老舗蕎麦屋で、ここはその吉祥寺店だ。11時半くらいに到着、今日は行列がなくすぐに入れた。

何を食べようか迷ったが、食べたかったかき揚げ蕎麦がないので、天ぷら蕎麦(海老1本)1,815円を注文。店内はある程度の広さ、まだ満席になっていないがそこそこ埋まっている。テーブルにはまだアクリル板がおいてあった。私は冷たい蕎麦より温かい蕎麦の方が好きだ。冷たい天ざるには盛り合わせ天もり、というのがあるが暖かいものにはそのメニューがないのはどうしてか?

出てきた天ぷら蕎麦を食すると、大変おいしかった。海老もうまかった。私自身の好みとしては、エビ天はごま油がの匂いが香っている方が好きだが、これは好き嫌いがあるだろう。量的にはちょっと不足感があるが許容範囲であろう。

帰りには「肉のさとう」に寄ってコロッケと豚カツ1本を買った。丸メンチが有名で休日には大行列ができるが、平日は行列もほとんどない、今日は20人くらい並んでいたので、並ばずに済むものを買った。

ごちそう様でした。


「アレクサンドル・カントロフ ピアノ・リサイタル」を聴く

2023年02月18日 | クラシック音楽

NHKクラシック倶楽部の「アレクサンドル・カントロフ ピアノ・リサイタル」を聴いた。

曲目は

  • ピアノ・ソナタ第1番、嬰へ短調作品11 シューマン作曲せn
  • 巡礼の年第2年「イタリア」からソナタ風幻想曲「ダンテを読んで」 リスト作曲

番組の説明では、アレクサンドル・カントルフ(25)はフランス出身、父はバイオリン奏者で指揮者のジャン・ジャック・カントロフ、2019年に22歳でチャイコフスキー国際コンクールでフランスのピアニストとして初めて優勝、これまでウェルビエ音楽祭、ルール・ピアノ音楽祭など著名な国際音楽祭に数多く出演、演奏活動や録音は各地で絶賛され、フランスピアノ界のホープとして注目されている。

ウィキペディアで調べるとチャイコフスキーコンクールで優勝したときの演目はピアノ協奏曲の2番で、この曲で優勝したのは初めてだったとのこと。先日観た読響プレミアで反田恭平が「カッコイイ曲だ」と言って弾いていたあの曲であり、作家の宮城谷昌光氏が「クラシック千夜一曲」の中で10曲のお勧めの曲を挙げている中の1曲でもある。氏はチャイコフスキーの2番について「1番より断然好きだ、それは品格が高い曲だからだ」と述べているが、世の中的には1番の方が断然人気と演奏機会は多いのでしょう。その2番で優勝したというのだから、カントロフも宮城谷氏と同じような2番にかける熱い思いがあったのでしょう。

インタビューでは、両親がバイオリニストだったので最初に挑戦したのはバイオリンだったがバイオリンは音を出すのが難しく、格闘している感じだった、ピアノは子どもにとってゲームのようだった、初見で弾くのが大好きで、楽譜を見るとすぐに手が行くべき鍵盤を見つけるので夢中だった。しかし、長い間ピアニストが理想の職業とは思えず科学の分野に進むつもりだった、高校に入学してから初めて皆、音楽家という環境になった、友人との共演や初めての舞台でアドレナリンが分泌された、そして演奏家になることを考えた、

作品について番組では、シューマンはこの作品で初めて大規模なソナタ形式に取組み1833年から35年にかけて作曲した、ピアノに新たな効果を発揮させるように意図して書かれ、それまでのピアノ技巧の集大成の作品とも言われている、と説明している。

一方、リストの曲についてカントロフは、ダンテの神曲の地獄編に基づいている、ギュスターブ・ドレのさし絵などを見て全体像をつかみ音に翻訳した、重要なのは通常のピアノの音ではない響きを見つけることができるかだ、本当に時間がかかる、と述べていた。リストの「巡礼の年」はラザール・ベルマンのピアノの全曲(CD3枚)を持っているが大作だ。個人的には第1年スイスの1番「ウィリアムテルの聖堂」が好きだ。

さて、カントロフだが、テレビのインタビューを見るといかにもやさしい性格のおとなしい青年である。ピアノを弾くときは情熱を込めて弾いている姿は見せるが、ピアノから離れるとやさしい好青年である。チャイコフスキーコンクールで優勝するくらいの人だからもっと世界中で活躍してもおかしくないと思うが(してるかもしれないが)、このおとなしそうな性格がビジネスという面で損をしているのではないかと心配になる。SNSの使用状況を見るとインスタグラムはフォロアーがごく少数、Facebookは8千人くらいのフォロアーである。ある程度の頻度で更新しているようだが、もっと積極的にマーケティングしていってはどうだろうか(やっているかもしれないが)。カラヤンくらいになれというのは無理かもしれないが、クラシック演奏家というのは全般的に似たようなものかもしれない。どうであろうか。

 


「カーザ・ヴェルディ」(藤田彩歌)を読む

2023年02月18日 | 読書

新聞の書評に載っていた「カーザ・ヴェルディ、世界一ユニークな音楽家のための高齢者施設」(藤田彩歌著)をKindleで読んだ。

このカーザ・ヴェルディというのはイタリアのミラノにある老人ホームであるが、これを作ったのはオペラ作曲家のヴェルディである。入居を許されるのは一流音楽家とその配偶者だけ、高齢者以外にミラノで音楽を学ぶ若者16人(国籍問わず)が入居できる。著者の藤田さんはその一人で、その貴重な体験談ををまとめたのが本書である。藤田さんは2015年からミラノの音楽院に留学していた。カーザCasaとはイタリア語で「家」という意味だ、従って、カーザ・ベルディとは「ヴェルディの家」という意味だが正式な名前は「音楽家のための高齢者施設」というものだ。イタリアでは高齢者施設のことを「憩いの家」と言うようで、日本のイメージとはかなり違う。これはヴェルティが一流の音楽家として活躍したのに老後に困っている音楽家を救いたい、という思いで作った施設だ。現在70名程度の入居者がいる。

カーザ・ヴェルディの魅力は年寄りの自主性や自由を尊重するところにあるが、これは全てが自己責任で成り立っているということ、酒を飲み過ぎて何かあっても、一人で夜道を歩いて帰れなくなっても全て自己責任だ、日本のように何かあると施設の責任が問われると言うのでは入居者の自由や自主性は保てない

カーザ・ベルディの素晴らしいことは年寄りと若者が同居していることだ、お互い必要とされる存在になり家族の絆を感じるようになる、また、車椅子でゆっくり歩いている入居者について誰も助けない、それは本人が望まないから、何歳になっても自分のことは自分でやる、それができなくなったときはおしまいだとの意識がある。日本の場合は何かあったときは施設側が責任を問われるので手助けしすぎてしまう。

著者は、日本では老人に対して「大丈夫~」とか「聞こえてる~」などと話しかける人がいるがこれは大変失礼なことだ、決して子どものように扱うべきではない、と言う。その通りだと思う。また、カーザ・ヴェルディが日本の老人ホームと比べて良いか悪いかではなく、良いところを取り入れるにはどうしたら良いか考えてほしいからこの本をまとめたと言っている。自身の老後の過ごし方の参考にしてほしい、ということだ。