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映画「侍タイムスリッパ―」を観る

2024年11月01日 | 映画

映画「侍タイムスリッパ―」を観た、2024年、131分、監督・脚本:安田淳一(1967年京都生まれ)、10名たらずの超低予算自主映画のロケ隊が時代劇の本家、東映京都の支援でで撮影を敢行するいう前代未聞の作品、8月に都内1館のみの公開から全国100館以上での公開になっていったヒット作品

監督はじめスタッフが一人何役も務めて完成させた映画というからすごい、知っている俳優が誰もいない、何年か前の「カメラを止めるな!」と同じだ、あの映画も面白かった

現代の時代劇撮影所にタイムスリップした幕末の侍が時代劇の斬られ役として奮闘する姿を描いた時代劇コメディであり人間ドラマでもある

  • 幕末の京都、会津藩士の高坂新左衛門(山口馬木也)は家老から長州藩士の風見恭一郎(冨家ノリマサ)を討つよう密命を受けるが、風見と刃を交えた瞬間、落雷によって気を失ってしまう
  • 目を覚ますと、そこは現代の時代劇撮影所だった、新左衛門は時代劇撮影所で出演者と間違えられ現場を混乱させ、撮影所を出た後、長州藩士討ち入りの現場となった寺の門前で寝ているところを住職夫妻に助けられる、そして江戸幕府が140年前に滅んだことを知りがく然とする
  • 一度は死を覚悟する新左衛門だったが、住職夫妻やその夫妻と懇意にしていた撮影所の助監督の山本優子(沙倉ゆうの)などに助けられ、生きる気力を取り戻していく。やがて彼は「我が身を立てられるのはこれのみ」と磨き上げた剣の腕を頼りに撮影所の門を叩き、斬られ役として生きていくことを決意する

面白い映画だと思った、感想などを少し述べたい(一部ネタバレあり)

  • 最初は、突然150年前から現代にタイムスリップしたので、この先一体どういうストーリー展開にしていくのかな、と心配しながら見ていたが、途中で新左衛門と刃を交え一緒に気絶した風見恭一郎も同じようにタイムスリップしたいたことがわか、話が面白くなってきたと思った
  • 新左衛門はタイムスリップした現代を見て、最初は時代劇撮影現場だからそれほど驚かなかったが、撮影所の外に出ると、そこは自動車が走り、ビルが立ち並ぶ現代の町、普通は何が何だか分からなくなると思うが、それがあまり出てなかったのが不自然と思った
  • 時代劇撮影の助監督の山本優子は優しいキャラクターで好感を持った、撮影現場で助監督としてこまめに働き、新左衛門にも優しく接する彼女の存在感は非常に大きかったと思う、彼女(沙倉ゆうの)は実際のこの映画の撮影でも助監督、制作、小道具などスタッフとしても八面六臂の活躍したそうだというから驚いた、映画とリアルが同じというユニークさがこの映画の特徴だ
  • 新左衛門が撮影所で切られ役として生きていくという設定がユニークで、この映画の一つのポイントであろう、斬られ方の上手・下手があるとは今まで全然注目が行かなかったところだ、そして、撮影所内で切られ役の指導をする殺陣師関本(峰 蘭太郎)がうまく絡んで話に幅を持たせていたのはうまい展開だと思った、この峰も現実世界で「斬られ役」として活躍する傍ら殺陣技術集団・東映剣会の役員・会長を歴任してきた経歴というから驚いた、ここも映画とリアルの一致がある
  • この映画は、時代劇がかつての輝きを失い、上演本数も激減している現状を打破するため、迫力ある時代劇を作ろうとする撮影現場が舞台である、その映画の最後のクライマックスを盛り上げるため、新左衛門は「風見恭一郎との決闘の場面を真剣でやろう」と監督に提案し実行する、実際には有り得ない設定だが、この真剣勝負は確かに見ごたえがあった

時代劇と言えば、かつて黒沢映画が世界の映画界に大きな影響を与えたが、最近でも真田広之の「SHOGUN 将軍」がエミー賞の作品賞、主演男優賞などを受賞した、この映画のように時代劇も作り方によってはまだまだ捨てたものではないと思った

面白い映画でした

さて、昨夜はハロウィン祭りの夜、我が家のささやかなハロウィンはCrispy Kremeのハロウィンボックスだった



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