柏のキネマ旬報シアターで「みんなのジャック・ロジエ」という特集をやっている。ジャック・ロジエは1926年生まれで今年6月2日に亡くなったフランスの映画監督だが知らなかった。享年96才。今日は、「トルテュ島の遭難者たち」(1976、仏、原題:Les naufrages de l'ile de la Tortue)を観た。これはロジエの長編第3作目。
ロジエはヌーヴェル・ヴァーグ初期の傑作「アデュー・フィリピーヌ」で知られる。輝く季節を軽やかに大胆に切り取る才能に、ゴダールは絶賛し、トリュフォーは嫉妬したという逸話をもつ寡作の天才、とパンフレットでは説明している。
トリッキーな旅行プランを企画する代理店のふざけた社員ボナヴァンチュール(ピエール・リシャール)は、カウンターで顧客のニーズにあったプランを提示するのが売り。そんな代理店で、ロビンソン・クルーソー体験ツアーが企画される、ロビンソン・クルーソーのようにカリブ海の無人島で気ままに1ヶ月暮らす企画を実行しようとするのだが現地に行く途中から大変なことに・・・・
ツアーに参加した客10人くらいを路線バスの運転手を買収してチャーターバスに仕立て、それに乗せて現地に向かうが、途中で路線バスの一般客が乗り込んできて大騒ぎに、さらに進んで行くと日が沈み、運転手はもう運転できないと言っていなくなる、宿まで歩いて1時間かかると言い、ジャングルの中のようなところを客に荷物を持って歩かせる、宿についても部屋に入れないで外で寝る、無人島に行く船もかなり危なっかしい船でみていてハラハラする、無人島に接岸することができずに泳いで渡るか小さいボートで行くか決断しないといけないけど・・・・
およそ日本人が客となったら、途中で怒り出してツアー中止になるだろうな、という極めていい加減なツアーであるが、この映画の客は文句は言うが、そういうツアーだと思ってついてくるところが日本と全然違う異次元の世界だ。旅行代理店もいい加減なら客の方もいい加減。最後の方では「なーんだー」と言う落ちがつくが、何とか眠らずに見れた。
日本人とフランス人の国民性の違いが出た映画かもしれないが、この映画におけるいい加減さはさすがに現実ではいくらフランスでもあり得ないのではと思う、そうであれば国民性の違いというのは大げさかもしれないが。
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