昨日は「いか焼き定食」の写真を掲載した。夏になると青森の深浦町に「いか焼き定食」を食べに行きたくなる、と。勿論その言葉に嘘はない。しかし、本当は別の目的があって深浦に行きたかったのだ。それが1枚目の丸ポスト。いや正確には丸ポストの向こうにあった「煙草屋さん」である。丸ポストの背後には「太宰の宿 ふかうら文学館」という建物がある。その名の通り、かつて太宰治が投宿した旅館を改装した文学館だ(小説「津軽」に登場する秋田屋旅館)。そしてその向かいに、大正時代の築と思われる「煙草屋さん」があった。この状況から、僕は太宰は煙草屋さんで煙草を買うだけでなく、葉書も買い求めたに違いないと踏んだ。そして写真の丸ポストから投函したに違いない、と。それを面白がってくれた上原師匠は「川端康成に芥川賞をくれと書いたに違いない」と更に推理した。下記リンクを参照願いたい。上原師匠は実際に、この深浦まで足を運び、煙草屋さんの内部の写真を撮っている。写真技術以前の問題として、行動力からして全く違うと感動した。
そして、時代は平成から令和に変わった。年号が変わることを機に古い建物を解体することが多いことを僕は実感していた。今こそ、あの煙草屋を撮ろう。所有者を見つけて、内部を撮らせて頂こう。それが今回の主たる目的だった。そして写真から分かるように、時すでに遅しだった。煙草屋さんは跡形もなく、そこは駐車場になっていた。あの貴重な煙草屋さん、太宰修が指さして煙草を買い求めた煙草ケース、それはもう二度と撮ることが出来ない。僕の行動力の鈍さが原因だ。だが上原師匠が撮った写真が残っている。噛み締めて鑑賞しよう。僕は深浦の町をぶらりと一周しながら反省しきりだった。
LEICA M10 MONOCHROME / SUMMICRON M35mm ASPH
今回のケースでいえば、一歩足が出なくて、行かなくて、後で愚痴愚痴言うよりも(僕ですね)、例え失敗することがあっても、実行する方が良いです。
その行動力が、何かを生み出す源泉かもしれません。今後に僕も生かします。
追伸:その癖、後で察知することは出来たりします。あとでなく、先に!したいです。
恐らく僕は、どちらかと言えば頭よりも足が先に出る人間です。
それはおそらく、かつて「あんたなんかに出来っこない」と言われた反骨心が、今の僕を形成したものと存じています。
一方、抜きんでた行動力は、周囲を、その場を時に、混乱させます。
特に、あかぬけていない土地にて、見ず知らずの方に依頼した際、怪訝な顔をされたり、いかにも迷惑…というのは珍しくないとも存じます。
それを知りつつも、自らの閃き(願望)に添うか…。
難しいところですが、最大限の配慮を図りつつ、熱意を伝えつつ、行動できたら良いですね!
正直、まだまだなのですが、想像が膨らむと言って頂けると嬉しく、励みになります。
感謝します。