SAKE HUNDREDという日本酒ブランドがある。最高峰の日本酒を提供する高級ブランドだ。製造は銘柄別に複数の醸造元に委託されている。「百光」はブランドの中核を成す日本酒であり、発売すれば即完売となる人気振りだという。G20サミットで各国首脳に振る舞われたことでも有名になった。昨年のものは初回500本限定の出荷に対し、2万件を超える注文があったそうで、あっという間に売り切れてしまった。4合瓶(720ml)で、27,500円という高級酒である。実際にはプレミアもつくかもしれない。その磨き度は約18%だった。82%は削られてしまうのだから、恐るべし。いずれにしても数量的にも、価格的にも、僕の口には入りそうにない酒である。負け惜しみをいえば、こういう酒は別に欲しいとも思わないのが本音だ。
さて、この「百光」を製造しているのは、山形県酒田市の楯野川酒造である。旧・平田町にあり、酒蔵周辺の町並みが気に入り、何度か行ったことがある。写真撮影をして、当ブログにも掲載したことがある筈だ。ここで造る日本酒も当然呑んだことがある。きちんとした美味しい酒だった。ここで百光を醸造している事実は、つい最近知った。良い機会なので、今回は楯野川酒造までお酒を買いに行ってきた(ちなみにSAKE HUNDREDの酒は、楯野川酒造に行っても購入することはできない)。買ってきた酒は4合瓶で2000円くらいのもので、まだ未開封なので近いうちに呑んでみたい。ちなみに写真5〜6枚目、直売所の冷蔵庫に鎮座するのは「楯野川極限」である。通年販売商品の最高峰品種。4合瓶で26,400円である。磨き率(精米度合い)は、驚愕の8%である。今後の百光も、米を山田錦にするか出羽蝶々にするか、磨きを18%にするか8%にするか、その辺りで推移すると思われる。
ここで衝撃的な事実を一つ。なんとワタクシ、この「楯野川極限」を呑んだことがあるのです。ほんの一杯だけではありますが、かつて確かに呑んだのです(個人情報等の諸事情があり、詳細は明かせません)。感じとしては、〆張鶴大吟醸(金)を更にピュアにしたイメージで、喉への引っ掛かりが一切なく、真綿が水を吸うように身体に吸収されてしまった。もうこれは、食べ物と一緒に呑むような酒ではないと思った。高級な酒だから、研ぎ澄まされたような緊張感ある味かといえば、そうでもない。母の胎内で漂うが如くの優しい酒だった(記憶が美化されているかも)。どんな場面で呑む酒なのか考えると、途方に暮れた。僕が思いつくのは、切腹の刻に今生の別れに呑むことくらいだった。当然、切腹の機会なんかない。家人は「一ヶ月のお小遣いで買えるわけだし、今その財布の中にも買えるだけのお金は入っている筈。買っちゃいな」と言ったけど、そんな馬鹿な。当然今回は買わなかった。
LEICA M10 MONOCHROME / SUMMICRON M35mm ASPH
写真じゃなくてお酒の話題の時のコメントで
失礼いたします。(^^;)
冷蔵庫の写真の中の「ここでしか買えません!」なんていうセリフに魅かれてしまいます。
それから、¥26,400のとなりの¥3,300、不思議と、これなら!と思ってしまうところが怖いところ。(^^;
普段なら、悩んで買わない価格かもしれないのに。
4合瓶で3,300円、普通は余程の理由がなければ買わない価格帯ですが、何故か安く見えてしまうという。
脳がバグを起こした感じでした。結局2000円くらいものを2本買いました。
楽しみです。