No Room For Squares !

レンズ越しに見えるもの または 見えざるもの

誇れ! その凡庸な町並みを

2021-05-19 | 街:山形





少し前に、鳥海山の麓の写真を掲載した。山形県の遊佐町で撮った写真である。遊佐町は多彩な顔を持つ町である。鳥海山に向けて観光道路が走り、高原や滝などの雄大な自然風景が展開している。麓には広大で美しい庄内平野が広がり、日本有数の稲作地帯となっている。更には日本海にも面し、豊かな海の幸にも恵まれる。特に鳥海山の雪解け水が注がれる入江では、特大サイズの天然岩牡蠣が名物となっている。一言で表すことが難しい、盛り沢山な町である。

その遊佐町の中心部は、JR遊佐駅前周辺にある。町役場があり、銀行や商店、飲食店などが商店街を形成している。この町並みが、極めて普通というか、凡庸なのである。地方の小さな町なのだから、凡庸でも当たり前ではある。でも町自体が多彩な要素を詰め込んだような面白い町なので、その落差に驚くというか、肩透かしをくったような気になる。奇を衒うところのない凡庸な町並みというのは、実のところ「褒め言葉」なのである。地方でそこそこ活気のある町というのは、須く「普通で凡庸」な町である。地に足をつけた営みが、こういう町並みを作るのだろう。

LEICA M10 / SUMMICRON M35mm ASPH

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