新・エンゲル係数

肥満と痛風に悩まされながらも新鮮な食ネタを捜し求めて・・・

塩分摂取と高血圧に相関関係が見られない☆

2016年11月24日 | おいしんぼうネタ

現代医学においても高血圧の原因を特定するのは難しい。血圧が下がらない人の9割は本態性(原因がわからない)ともいわれている。それなのになぜ、「塩分摂取が高血圧の最大の原因」といわれるようになったのか。

 その発端は1954年。米国のルイス・ダール博士が、日本の青森を含む世界5地域で調査したところ、塩分摂取量の多い青森の高血圧発症率が高かったことから「塩分過剰が高血圧に繋がる」と唱えたことにある。白澤抗加齢医学研究所所長の白澤卓二氏が解説する。

「ダール博士の考え方は画期的だったので、またたく間に世界中に広まりました。そして1972年、米国のジョージ・メーネリー博士がラットに対して行なった実験をもとに、『毎日2030グラム(人間でいえば厚労省の推奨値の約63倍にもなる500グラム相当)の食塩を摂取させたところ、10匹中4匹が高血圧になった』という論文を提出しました。これにより、『高血圧の犯人は塩分の過剰摂取』が世界中で信じられるようになったのです」

 それから12年後の1984年、高血圧研究の権威として知られる元名古屋市立大学教授の青木久三氏が「塩分摂取量は血圧は関係ない」と異議を唱えた。

「青木先生はメーネリー博士の実験結果を『大量の食塩を与えられたにもかかわらず、10匹中6匹も血圧が上がらなかったのはなぜか』という点に疑問を感じ、塩分の『摂取』ではなく、『排泄』と高血圧との関係性を調べました。

『薄い塩水を摂取すると、浸透圧の関係で塩分を尿として排泄できなくなる』という原理を利用して、ラットを、真水を与えるグループと塩分濃度1%の薄い塩水を与えるグループに分けて30週間観察しました。すると、真水を飲んだグループは食事でどんなに塩分を摂取しても血圧が変化しなかったのに対し、塩水を与えられたラットは血圧が上昇して死んでしまったのです。

 この結果から、青木氏は『食塩の摂取量は血圧に関係なく、高塩分でも体外に排出できれば血圧は上昇しない』としてメーネリー説を覆しました」(同前)

 

1988年にはロンドン大学などがイギリス、アメリカ、日本など32か国、約1万人を対象に大規模疫学調査「インターソルトスタディ」を行なった。この調査では、1日の塩分摂取量が614グラムの人たちには、塩分摂取と高血圧に相関関係が見られないという結果が出た。

 日本人が平均的に摂取する塩分摂取量は1012グラムなので、普通に食事している分には塩分は高血圧の原因とはならないというわけである。管理栄養士の内野未来氏の話。

「しょうゆは大さじ1杯(15ミリリットル)で約3グラムの塩分を含みます。ほうれん草のおひたしなどにかけるしょうゆは、使っても23ミリリットル、塩分でいえば0.40.6グラム程度です。そういった細かいところまで気にする必要はないでしょう」

 その後、塩分と高血圧の関係について数々の論文が発表されたが、「塩分を控えれば血圧は下がる」という結果は出なかった。

 1987年の米国のジョン・ミラー教授らの研究報告では、正常血圧の男女82人を対象に1日塩分摂取量を9.2グラムから4グラムまで12週間減塩した結果、血圧値に変化のない人が53%、下がる人は30%、そして17%は逆に血圧が上昇した。

 米国・ハーバード医学校のチャールズ・ヘネケンズ医師らが1997年に発表した研究「TOHP II」では、高血圧気味の人を対象に長期間にわたって減塩食を与えたが、6か月かけても収縮期血圧で2.9mmHg、拡張期でも1.6mmHgしか下がらず、3年目には減塩食を始める前に戻ってしまった。

「長期間の減塩もほとんど効果がないとすれば、塩分以外の要因で高血圧が引き起こされていると考えざるをえない」(前出・白澤氏)



最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。