![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0c/9b/1fc1ec3f6459457cb582fc83c13c5958.jpg)
20歳の山下美夢有が初のメジャー制覇を達成した。
8日まで開催されていたワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップで、山下は初日からトップを守る完全V。通算12アンダーで2位の青木瀬令奈に3打差をつけて優勝した。
これで山下は、昨年のKKT杯バンテリンレディスオープンに続くツアー2勝目。山下は「プラチナ世代」のさらに下の世代に当たり、今季絶好調の西郷真央や笹生優花と同じ歳だが、またしても女子ツアーは若手からビッグタイトルを手にしたプレーヤーが出現したことになる。
渋野日向子、畑岡奈紗、原英莉花、勝みなみら「黄金世代」が次々にツアー優勝を飾ったあたりから、女子ツアーは毎年のように新たなヒロインが誕生し、まさに大混戦の様相を呈している。「黄金世代」の次には、西村優奈、古江彩佳、吉田優利ら「プラチナ世代」が台頭しツアーを席巻。コロナ禍の影響でツアーが年跨ぎとなった昨季は、この両世代の間にあたる「はざま世代」の稲見萌寧が覚醒した。
稲見は、得意のショットとパットを武器にシーズン9勝を挙げる圧巻の成績で2億5,519万円を稼ぎ出し賞金女王に君臨。東京五輪で銀メダルを獲得した他、ツアーでは平均ストローク、パーオン率、パーセーブ率といった主要ランキングでもトップとなり、まさにバラ色の年を過ごした。
そんな稲見だが、今季は、渋野と古江が海を渡り米女子ツアーに主戦場を移す中で、再びツアーを牽引する存在になるかと思われたが、10試合を終えたここまでは昨年までと比べるとやや低空飛行。富士フイルム・スタジオアリス女子オープン2位タイ、前週のサロンパスカップ3位タイ以外は突出した成績がなく、予選落ち2回と女王らしくない展開となっている。
対照的に山下と同年の西郷は、開幕戦のダイキンオーキッドレディスゴルフトーナメントでツアー初優勝を飾るとここまで4勝した他、2位タイも2回と序盤にしてメルセデス・ランキング、賞金ランキングともに独走状態。もはや女子ツアーに“安泰”や“安定”という言葉はなく、少しでも目を離すと全く異なる景色が広がるほどの新陳代謝が起きている。
決して、稲見や2、3年前にヒロインとなったプレーヤーたちに陰りが見えているわけではない。しかし、現在のツアーでトップクラスの座をキープするのは、想像を絶する難しさがあるわけだ。
では、そんな近年のツアーで、長年第一線で活躍しているプロはどれほどいるのだろうか?
まず真っ先に名前が挙がるのは上田桃子だろう。現在35歳の上田は、2005年にプロテストに合格すると2007年に5勝し最年少賞金女王の座に就いた。1986年生まれの上田は当時21歳。まさに今の“○○世代”と形容される選手たちと同じ年代だった時に横峯さくら、古閑美保といった強豪を退けトップに君臨したわけだ。
翌年から米ツアーにチャレンジした上田は、6シーズンを米国で過ごすと米ツアー制覇こそなかったが、一時帰国した国内の大会で勝利を積み重ね、2014年から再び主戦場を国内に。2014年、2017年、2019年と2勝ずつし昨年も優勝すると、今季の富士フイルム・スタジオアリス女子オープンでツアー通算16勝目をマークした。
これだけ若手が台頭する中で、プロ入り17年目(2021年)に賞金ランク10位となり、18年目にして優勝を手にすることは並大抵の努力では成し遂げられないことだろう。昨年結婚しメンタル面も充実しているだろうが、これまで日米で培った経験値は若手プロでは得られないもので、今季もまだまだ勝ち星を伸ばしそうな気配がある。
全美貞(韓)も新陳代謝が著しいツアーの中で息の長い選手の一人といえる。プロテスト合格は2006年で現在39歳。2006年にツアー初Vを飾ると、2012年には賞金女王となりこれまでに通算25勝を記録している。
最後の優勝は賞金ランク9位となった2017年だが、それ以降も賞金ランクは20位台と安定した成績をマーク。当時のライバルたちがツアーの舞台から姿を消していく中で、ベテランとしてハイレベルなゴルフを披露してくれることはツアーの宝と言えるだろう。
同じく韓国の申ジエも、長くトップでプレーを続けている選手だ。2010年台前半までは米ツアーを主戦場としてプレーし、2010年には世界ランクトップに君臨。2014年から国内ツアーに戦いの舞台を移すと、昨年まで毎年勝ち星を挙げ、これまで通算26勝と、“○○世代”の高い壁となっている。
今シーズンの申は、まだ3試合のみの出場となっているがパナソニックオープンレディースゴルフトーナメントではトップ10入りの9位タイ。今年勝利すれば9年連続のツアー優勝となるが、続々ヒロインが登場するツアーの中にあっても、そのチャンスは十分にあると言えるだろう。
近年は、宮里藍や古閑のように早い段階で引退という道を選び、若くしてツアーを撤退するケースも増えてきている。プロゴルファーがトップレベルになった後の身の振り方も多様化しているし、次のキャリアでどこに進むのかはもちろん本人次第である。それでも、今のヒロインたちが上田、全、申のように1日でも長く私たちゴルフファンの前で華麗なプレーを見せてくれることを願って止まない。
以上、アエラ
女子ゴルフは、戦国時代であり、4,5年すると安定して勝つ選手が出現することでしょう。
20~23歳のお年頃の世代だとプライベイトも大きく影響すると思われる。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます