台湾や尖閣諸島をはじめ、東シナ海や南シナ海への支配力を強めようとする中国。隣国という地理条件はもとより、ビジネス等でも中国と強いつながりを持つ以上、日本でもこれら大国に関する思惑は必須の知識となりつつある。
そんな中国をはじめとする大国の行動原理を、地政学的に分析したのが経済学者・上念司氏の新刊『経済で読み解く地政学』(扶桑社刊)だ。
日本人にとっては理解できない中国のふるまいを地政学的に検証した同著から、「なぜ中国は他国への影響力を強めようとするのか」を指摘した記事を一部抜粋・再構成してお届けする。
◆中国に根付く、恐ろしい「中華思想」とは
現在、ロシアのプーチンが求めているのは、まさにドイツ人の思想家であるカール・ハウスホーファー(1869~1946)の理論の通りです。
ハウスホーファーは、完全に縄張り意識を重視した圏域思想でもって、国家が自給自足するために必要な生存圏(レーベンスラウム)のために、国家にとって必要なものはすべて自分たちの勢力下に収めるべきであるという思想の持ち主でした。
彼の地政学では、国家を一つの有機体として捉え、我々が食べ物を食べなければ死んでしまうように、国家が生存するためには栄養を確保する必要があると考えます。そこで、国家が生きるために必要な資源や土地(生存圏)を獲得しなければならないと考えました。
ただ、資源や土地を奪い合えば、当然争いが起きます。仮に複数国家で土地を奪い合った場合は、その中で最も強い民族が最終的にはその土地に君臨する。
結果的に、世界は地域ごとの強者が支配する圏域に分かれた、多極化世界が、バランス・オブ・パワーで話し合いをしながら国際秩序を決めていく「パン・リージョン(統合地域)理論」を打ち出しました。
現代のように「アメリカとその仲間たちが守る国際秩序」という価値観で統一されるのではなく、「その地域ごとに最も強い民族がその土地を治めるべき」であるというのが、ハウスホーファーの多極化世界の理論です。
中国も基本的にはロシアと同じ大陸国家であり、社会主義国家として目標を共有していたことなどから考えると、おそらくハウスホーファーの地政学の影響が強いと考えていいでしょう。
また、中国の場合は大陸系地政学に加えて、伝統的に根付いた「中華思想」という考え方があります。
中原(中華文化の発祥地である黄河中下流域にある平原)を制した朝廷が世界の中心であり、その文化、思想が最も価値のあるものであると考え、逆らう異民族には価値を認めず、夷狄(中国の黄河中流域に住む漢民族が、外辺の異民族に対してつけた蔑称)として教化・征伐の対象とみなす恐ろしい考え方です。
◆新たなアジアの盟主をめざす中国
これらの考え方を総合すると、中国は次のような思想、理論で動いているということが推察されます。
(1)10億人を超える人口が自給自足できる領土、支配地域を求めている
(2)日本など周辺諸国は夷狄であり、教化・征伐の対象である
(3) アメリカやロシアに匹敵するパン・リージョン(統合地域)の盟主になろうとしている
(4)(3)のためにアメリカ的な価値観を持たない国(独裁国家など)と平気で手を組む
最悪、これぐらいエグい国と考えてさまざまな対策を講じておかないと、日本の安全保障は危ういのです。
ちなみに、このようなことを中国は以前から考えていたはずですが、これまでは国内が内戦状態だったり、経済的に苦境に陥ったりしていて、思想を実行に移すほどの余裕がありませんでした。
朝鮮戦争や中露紛争、中越紛争など外国との戦争を抱えていたり、文化大革命のような国内が大混乱している時期には、日本としてはまだそれほど中国に対して大きな脅威を感じることはなかったのです。
むしろ日本にとって大きな現実的脅威となったのは、極東ソ連軍、その中でも特にソ連太平洋艦隊でした。
◆もはや海上交通の安全確保は中国にとっても死活問題
しかし、ソ連崩壊でロシアが力を失ったのとは反対に、中国は改革開放路線をひた走り、安く誘導された為替レートを武器に世界各国と貿易取引を拡大して、国として大きな発展を遂げました。
もはや海外との貿易なしに自国の発展はないことを自覚した中国にとって、海上交通の安全は死活問題となりつつあるのです。元々大陸国家だった中国が最近、海軍を増強させてシーパワーも手にしようとしている理由はここにあります。
◆中国の地政学の根底にある「自給自足」という考え方
日本やドイツといったいわゆる西側諸国なら、世界中の海を警備しているアメリカ海軍のインフラを利用することで安全が保障されます。ところが、中国はそれを良しとすることはありません。
中国の地政学の根底には「自給自足」という考え方があり、海上交通の安全も、中国自らの力で守ろうとするだろうと予想するほうが妥当です。
実際に中国海軍はものすごい勢いで増強されており、イージス艦(もどき?)や原子力潜水艦や空母まで配備されています。沿岸地域の防衛の目的を越え、明らかに外洋での作戦行動を念頭においた軍備増強が進んでいるのです。
これはかつてマハンが掲げた「いかなる国も、大海軍国と大陸軍国を同時に兼ねることはできない」というテーゼに対する挑戦です。歴史上まだどの国も成し得なかった政策です。果たして中国はマハンのテーゼを打ち破ることができるのか?注目が集まっています。
【上念司】
1969年、東京都生まれ。経済評論家。中央大学法学部法律学科卒業。在学中は創立1901年の弁論部・辞達学会に所属。日本長期信用銀行、臨海セミナーを経て独立。2007年、経済評論家・勝間和代氏と株式会社「監査と分析」を設立。取締役・共同事業パートナーに就任(現在は代表取締役)。2010年、米国イェール大学経済学部の浜田宏一名誉教授に師事し、薫陶を受ける。リフレ派の論客として、著書多数。テレビ、ラジオなどで活躍中
以上、SRA
中国は海軍を増強して南シナ海、東シナ海、日本まで進出してくることでしょう。
問題は台湾が中国に立ち向かうのか?
その台湾に日本がどういう立場で臨むのか?
台湾有事は日本有事だと私は考えます。
ただ、アメリカのネオコンに日本が利用されることが一番懸念されます。だから、日本の姿勢はどう対応すべきか?
悩ましいですね。
第1関門は、中国と台湾の闘いです。
中国は戦わずして台湾の内政に工作して攻略しようとやってくることでしょう。
この時点で台湾が内部からやられたら、日本はどうしようもありません。でもこれが一番確率が高い感じがします。
今の日本人の心は平和ボケ、お花畑です。自民党がそうだから全く頼れません。自然の流れで日本はチャイナの属国に邁進しています。困ったものです。
バイデンアメリカは、簡単に日本をチャイナに売ると思います。
むかつきますね。
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