[ワシントン 25日 ロイター] - トランプ米大統領は、米株式市場が9月に付けた過去最高値から大幅に下げた上に、中間選挙まで2週間を切ったことから、米連邦準備理事会(FRB)とパウエルFRB議長に対する批判を強めている。
トランプ氏の「口撃」の主な問題点を探った。
●トランプ氏のFRB批判の矛先
トランプ氏は、FRBの利上げペースは速すぎて、減税や規制緩和による景気刺激効果を損なっており、中国など諸外国との通商紛争による悪影響が出始める中で政権運営を難しくしていると主張している。
トランプ氏は今週の米ウォールストリート・ジャーナル紙とのインタビューでもFRB批判を展開。FRBはオバマ前政権が2期続く間は政策金利をゼロ近辺に抑え続けたのに、トランプ政権が発足すると一貫して利上げし、米国は債務の返済がきつくなっているとした。
●FRBが景気を損なっている明白な証拠の有無
利上げがいずれ米景気を冷やすのは間違いない。FRB当局者の多くは、あと2回か3回の追加利上げにより、借り入れコストの上昇によって成長が抑制され始めると見込んでいる。ただ、FRBはパウエル体制発足後に既に3回の利上げを行ったが、それでも金融の全般的な環境は緩和的で、失業率は49年ぶりの水準に下がっている。
●トランプ氏はFRBの政策に介入できるか
トランプ氏が利下げや金融緩和を支持する人物をFRB理事に指名し、FRBの体制を徐々に変えることは可能だ。しかしこれまでにトランプ氏が指名した理事はいずれも概ねパウエル議長を支持している。
トランプ氏が指名した3人のうちミシェル・ボウマン氏とネリー・リャン氏の2人は金利に関する姿勢が明確ではない。マービン・グッドフレンド氏は利上げを支持しているとの受け止め方が多い。
トランプ氏に地区連銀総裁を指名する権限はない。FRBは空席がすべて埋まれば、投票権を持つ12人のメンバーうち5人を地区連銀総裁が占める。
トランプ氏は連邦準備法に基づいてパウエル議長を解任しようとするかもしれない。ただ、他の政府機関についての過去の判例によれば、政策を巡る意見の相違は解任の「正当な理由」にならないだろう。長期を見据えるならば、議会を説得して連邦準備法を手直しし、FRB議長を容易に解任できるようにするという手はある。
●大統領がFRBを批判した過去の事例
近年FRBの政策に口を出した大統領はいないが、過去にはFRBに不満や苛立ちをぶつけた例がある。
ジョージ・W・ブッシュ氏は1992年の大統領選の敗北をグリーンスパンFRB議長のせいにした。また、リンドン・ジョンソン氏は1962年に利上げを巡りウィリアム・マーチンFRB議長と対立した。
ジョージ・ワシントン大のサラ・ブラインダー氏(政治科学)によると、ツイッターやメディアを使ったトランプ氏のFRB議長に対する攻撃は注目度が高い。しかし1960年代や70年代のFRB議長は大統領から面と向かって要求を突き付けられており、トランプ氏の戦略に当時ほどの圧力はないという。
ニクソン氏はFRB議長をマーチン氏からアーサー・バーンズ氏へとすげ替え、利下げを飲ませたが、こうした政策はインフレ高騰を招き、失敗だったと受け止められている。
●FRBの対応と攻撃のリスク
これまでのところトランプ氏の口先攻撃はFRBに目に見える影響を及ぼしておらず、FRBは段階的利上げの方針を堅持している。
リスクの1つは、トランプ氏がFRB批判を止めず、FRBが現在の路線を維持し続けるかどうかを投資家が不安に感じ始めて米国の金融政策の方向性を巡って不透明感が高まり、市場の信頼感が揺らぐケースだ。
以上、ロイター記事
FRBの利上げにより、景気が下がったらトランプにとって不利益なことだ。
これだけやる大統領も珍しいことです。
中国との貿易戦争は正解です。やるなら今でしょ!
そうしたら、中国もしたたかで、日本と友好を、と日本を味方にしようとしかけていますが、安倍首相もしたたかですから、面白い展開になることでしょう。