東京日記
静岡県焼津市、藤枝市、北海道の札幌市にあるIT企業グループの経営者 松田敏孝の日記です。




「企業風土」ってなんだろう。確実に存在していると思うのだが、実際に「何?」って聞かれたときに「これ」と言って示せるものではない。「社風」という言葉がかなり近いと思う。社風。その会社の中に「吹いている風」。その風が心地よい会社とよどんでいる会社は確実にあるし、実際に現地に行けば感じることだ。でも「社風」さえも「これ」と言って示せるものではない。

「風土」というと「社風」以上に現地に土着した、そこで仕事をする人たちの心に宿った思想、生き方のような、より粘着性の強いものを自分は感じる。そんな「企業風土改革」をテーマにした、ビジネス戦略ストーリーがこの本だ。実際に小説仕立てなのでたいへん読みやすいし、楽しみながら、手に汗しながら読める。

小説の舞台となるのは ヨコハマ自動車部品(売上高1,050億円 従業員1,600人)~リストラで人も給料も減らされたのに、上からは改革の掛け声ばかり。残業を重ねて社員は必死に働くのに、会社は赤字。社内には不信感が渦巻き、口ばかりの評論家が氾濫~ ここで風土改革ストーリーが展開される。

きっかけになるのは「オフサイトミーティングの開催」。特に決まったプログラムを持たず、結論をだすことを義務づけられてもいないミーティング。「気楽にまじめな議論ができる場」。

日ごろあわただしく働くビジネスマンからすると一瞬頭の中に?マークが浮かんでしまう。もちろんこの舞台となったヨコハマ自動車部品でも「この時期に、なにを優雅なことを言っているんだ」という声は上がる。当初は参加しようとしないし、その場に臨んでも警戒して話そうともしない幹部が続出する。しかしこういったミーティングを粘り強く繰り返していくことで 徐々に「あの人はこういう考え方で運営していたんだ」とか「あいつはこう思っていたんだ」といったことがわかるようになり、職場からはセクショナリズムが薄らいでいき、「相談しあえる」「協力しあえる」組織に変わっていく・・・。

ストーリー終盤はスリリングで、臨場感溢れる展開。ハラハラドキドキしながら小説としても存分に楽しめる。

風土改革された人や組織のたくましさや、そういった人たちが集い懸命に取り組む企業活動の素晴らしさを実感できる素晴らしい本だ。

現状から会社を変えたい と思っている方々にはたくさんのヒントと勇気をもらえる本だと思う。

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こちらの本は「世界一社風のいい会社作りが目標」とおっしゃる株式会社ISOWA磯輪社長様からいただきました。磯輪社長様、どうもありがとうございます。昨年来、ISOWA様におじゃまして「なんでこんなに社風がいいのだろう?」って何回思ったことでしょうでしょう。今日のその理由の一端がわかった気がしています。本当にどうもありがとうございます。

サンロフトの「風土」「社風」はどうなのだろう。部門を越えて「気楽にまじめな議論ができる場」を増やして、風通しをよくしていこう。ISOWAさんのように「スピードと対話」がある、社風のいい会社作りを目指します。

コメント ( 6 ) | Trackback ( )



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コメント
 
 
 
面白い本ですね! (ガスパール田中)
2006-05-03 08:25:19
としたかさん、おはようございます。



私も遅ればせながら今読んでいるところです。(息子に邪魔されてなかなか進みません。)

鬼の岩城さんの変身ぶりに不覚にも目頭が熱くなりました。

社内での出来事を重ね合わせながらゆっくり読んでますが、吸収力のいい本だと感じています。



ところで、「WEB2.0」って何ですか?また機会ありましたらご教授ください。
 
 
 
相互啓発お願いします (磯輪)
2006-05-03 22:26:19
としたかさん



我が社の風土改革のバイブルです。

サンロフトさんととしたかさんのお役に少しでも

立てれば、何よりです。

これからも相互啓発お願いします。



またGW中にも関わらず、私のパソコンのことで相談に乗って頂き、ありがとうございました。
 
 
 
ドラマチック! (としたか)
2006-05-03 23:20:07
ガスパール田中様、コメント どうもありがとうございます。



確かに岩城工場長が変わっていくところは圧巻ですよね。小説風なので、「ビジネスってドラマチックなんだなぁ」って思いながら読んでいました。ダンレボ~DREAM-Xも将来小説になるといいですね。



「Web2.0」って、端的に言うと「ネット上で提供されているサービスを、利用者はただ利用するだけではなくて、もっと積極的に改造したり、オプションを制作したりできるように作られているサイト」のことです。



こういう構造で作られているWebサイトは、ネットに集う多くの人たちの善意で、ますます使いやすくなり、広がりをみせていくことになります。



そんな構造、思想をもったWebサイトを「Web2.0」と呼んでいます。「Web2.0」が引き起こす「ロングテール」などの社会現象などについてはまた別途お話ししますね。



必要でしたら「DREAM-X」プロジェクトでお話しさせていただきますよ。遠慮無くお申し付け下さいませ~。
 
 
 
ぜひこちらこそっ! (としたか)
2006-05-03 23:29:34
磯輪社長様 コメント どうもありがとうございます。



素晴らしい本をプレゼントしていただきどうもありがとうございます。さっそくぼくらの会社でも風土改革に取り組んでまいります。



今、私たちの会社ではSNSと呼ばれる社内コミュニケーションシステムを使って相談できたり、協力しあう社風醸造に取り組んでおりますが、それに加えてオフサイトミーティングも取り入れ、協力しあう社風作りをさらに加速させたいと思っております。



それから来期(6月からです)のぼくらの会社のスローガンですが、ズバリ、「スピードと対話」でいきたいと思っております。もちろんISOWA様のご了解をいただければ、ですが 御社のような社風をもった企業になりたいと思っております。



今後とも相互啓発のほど、どうぞよろしくお願いいたします。
 
 
 
メイ・ウェン・ティ (磯輪)
2006-05-05 08:46:49
私が風土改革に着手した頃は、社内は今とはまったく違っていて、新しいものへの疑心暗鬼みたいな

ものが充満していました。



だから「オフサイトミーティング」をやるにしても、「オフサイト」などと新しい言葉を使っただけでアレルギー反応が出るので、「オフサイト」という言葉は一切使わず、「研修」という名目で導入しました。



4年前まではまだそんな調子だったんですよ。



その頃ダンレボやってたり、サンロフトさんにお仕事お願いしていたら、としたかさんの我が社に対するイメージは今とはまったく違っていたと思います。もちろんそんな頃にはダンレボのようなことを

やっても成功のめどが立たないので、やりたくても

「今しばらく時期を見てから」と判断していたに違いありませんが。



さてスローガンですが、版権フリーでどうぞご自由にお使い下さい。「スピードと対話」も5年前の社長就任時は、その年1年のスローガン的に考えていましたが、今では当分引き下げるつもりはありません。それだけこの言葉は我が社に少なくとも言葉としては定着したと思います。実はお客様でもこの

「スピードと対話」を気に入って下さり、工場のスローガンにした方がいらっしゃるんです。



同じスローガンが世の中で使われていくっていうことは、それだけ風土改革の同士が増えるような気がしてとてもワクワクします。



ぜひ使って下さい。



また風土改革の社内での展開をお考えなら、いつでもお尋ね下さい。喜んで相談に乗ります。
 
 
 
ありがとうございますっ! (としたか)
2006-05-05 21:30:58
磯輪社長様



いきなり中国語でのご承諾、どうもありがとうございます (^ ^;) 。「スピードと対話」、とてもいいスローガンですよね。では、私たちの会社でも使わせていただきます。どうもありがとうございます。私たちも風土改革、がんばります。



そうなんですか。今のISOWA様からでは想像もつきませんが、そのような時期もあったのですね。今は本当に ISOWA様におじゃますれば、素晴らしい社風の会社と 誰もが感じると思います。これまで取り組んでこられた風土改革の原点がこの本なのですね。



貴重な本、アドバイス、スローガン たくさんいただき本当にどうもありがとうございます。ぜひこれからも相互啓発で、どうぞよろしくお願いいたします。
 
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