東京日記
静岡県焼津市、藤枝市、北海道の札幌市にあるIT企業グループの経営者 松田敏孝の日記です。




大好き というよりほとんど尊敬している田坂広志さんの著作。自分がこれまで購入したビジネス書の中で「同一著者による本の購入数」ランキングで大前研一さんを抑えてTOPに立っている方だ。

それにしても・・・。このタイトルがイケてない。「使える弁証法」??、田坂さんの本でなければまず手にしなかったと思う。でも、そこは田坂さんの本、「こびないなぁ・・」とか思いながら書店でペラペラと読んでみる。すると・・、!!。電気が走るような衝撃的な言葉。まず前書き(ポイントになる言葉を拾っていきます)。

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「どうすれば、未来が見えるのか」
私の著作を読まれた多くの方々から、そう聞かれます。

私は、世の中の本質を洞察し、その変化の未来を予見した本、例えば「これから日本市場で何が起こるのか」や「これから知識社会で何が起こるのか」などの本を書いてきました。

しかし、誤解を恐れずに、正直に申し上げます。
私は、未来を予見するとき、特別な調査や分析は行っていません。
では、私は、どのようにして、本質を洞察し、未来を予見しているのか。

「哲学的思索」

使っているのはそれだけです。

使っているのは、ときおり目に入る新聞や雑誌の記事と、書店で手に取る本、たまたま目に入るテレビの番組、そして、哲学的思索。それだけです。

では、どうすれば、その「哲学的思索」を行うことができるのか。

「弁証法」を学ぶだけで、
物事の本質が、分かるようになります。
社会の未来が、見えるようになります。
すなわち、「洞察力」と「予見力」
それが身につくのです。

もう一つ、「弁証法」を学ぶと身につくものがある。

「対話力」

ただ、対話するだけで、
自然に、思考が深まっていく。
そして、物事の本質が見えてくる。

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↑ もう読むしかないでしょ。実際読み進めていくと本当にすごいんです。
さすが、田坂さんって感じ。途中から「よくぞこのタイトルをつけてくれた」って感謝しながら読んでました。だって、多くのビジネスマンはこのタイトルの本は読まないだろうから、「これはすごい。しめしめ、自分だけ読んで、一歩先を行かせてもらおう」って思わずにやけながら読んでいました (^ ^;) 。もちろん、この素晴らしい名著はこうして紹介するけどね。性格的にも黙っていられないタチだし。

未来を予見するための様々な思考方法が紹介される中で、いちばんベースになる考え方を紹介しておくと、弁証法において「最も役立つ法則」として紹介されている言葉。「物事は、螺旋的に発展する」ということ。

物事が発展するとき、それは右肩上がりに直線的に発展するのではなく、螺旋的に発展するということ。
螺旋階段を上っていると、ぐるっと回って元の場所に戻ってくるように見える。つまり昔の場所に「復活・復古」していくように見える。でももちろん元の場所に戻っているわけでなくて、螺旋階段を一段登ることによって、必ず、一段便利になって戻っていく。

たとえばオークション。昔で言うところの市場(いちば)の「競り」が復活している。逆オークションは「指値」の復活。「効率的でない」ということで、工業社会でさびれたものが世界的規模で復活。
Eラーニングは、工業化社会がもたらした「学校での一元教育・集団教育」を「個別学習・自律学習」に復古させるシステム。自主的に学び、ポイントで先生が指導する、これって昔の寺子屋で行われていた教育方式です。今の学校の一元教育は、工業化社会が求めた人材が、画一化されていた方が都合がよかったから生まれたものだと気づきます。

電子メールは日本がもともともっていた「文(ふみ)の文化」を復活させている。魅力的な人柄や温かい思い、細やかな気配り、そうしたものが書かれた文章から伝わってくる。心に響く言葉の交換が業務連絡の中でも行われている。電話による音声の伝達に敗れ去るかと思われた文字・言葉による伝達が完全に復活している。

そもそもインターネットそのものが「懐かしい文化」を抱いてやってきた。

「ボランティア文化」

それは昔の表現をすれば「助け合い」だし、知識や情報の共有を支援する「ナレッジ・コミュニティ」は昔の「村の寄り合い」の如く、無償で知恵が共有されていく。

そうして考えていくと今、「ハイテク」が「ハイタッチ」に向かうことも理解できるし(先日、ネットでモノを買ったら、すぐにお礼のメールが送られてきましたが、そこには「このメールは機械的に送られていますが、正式なお礼のメールは48時間以内に別途お送りします」と書いてあり、驚きました)、今到来している「知識社会」とは実は「知識が価値を失っていく社会」なのだ、ということも理解できる。

言葉で表せる知識は価値を失い、言葉では表せない知恵、つまりセンスやノウハウや温かみのような感覚が大きな価値をもつ時代になっていく。

職人的な、こだわりをもった「もの作り」は、工業化社会では「大量生産 → 価格ダウン → 大量販売」に圧倒されたように見えますが、これからは復活すると思います。

そんな感じで、読み進んでいくうちに、ワクワクしてくるような、目の前の霧が晴れていくような気持ちになれる本です。

それから最後にもう一つ。

今は、まちがいなくIT革命が進行中。これまでも「螺旋階段を登る」進化は行われてきたわけだけど、進化のペースがゆっくりだったから、一人の人生の中ではあまり体感できなかったんだよね。それが今は、「ドックイヤー」。「マウスイヤー」っていうのもあるらしいけど、とにかく進化のスピードが速まっているから、一人の人生の中で、「劇的な進化」を体験できる、とてもエキサイティングなときなんだって。

今、現代に生まれてよかったぁ!!って思わない?

そんな感じで、とても感動した一冊、ご紹介いたしました。

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コメント
 
 
 
どきどきっ☆ (にゃんみー)
2006-02-19 07:53:06
早く本屋さんへGO!



こんなことを教えていただけるなんて

早起きは三文の得

・・いえほんとうは、オリンピックを見ながら

ホカホカカーペットの上でうたた寝し干乾びて

朝を迎えたところです



>電子メールは日本がもともともっていた

>「文(ふみ)の文化」を復活させている。

>魅力的な人柄や温かい思い、細やかな気配り、

>そうしたものが書かれた文章から伝わってくる。

最近しみじみそう感じたりします。



本を読む前からドキドキ



いつもブログからもたくさんのことを

教えてくださってありがとうございます
 
 
 
久しぶり~ (としたか)
2006-02-20 01:21:42
にゃんみーさん、コメント どうもありがとうございます。



お久しぶりです。お元気ですか?



>ホカホカカーペットの上でうたた寝し



ぼくもよくやります (^ ^;) 。3日連続こたつで寝て

しまったなんてのもありました。気持ちいいんですよ

ね、これが。



この本ですが、名著だと思います。

弁証法的な考え方にたって、自分の周りで起こっている

ことを見つめなおしてみると、「あ、これからこうな

るんだ・・」ってことが見えてくる感じがします。



それからにゃんみーさんのブログからも十分人柄が

伝わっていますね。これからもお互い、がんばりま

しょうね~。
 
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