東名の月

仕事で浜松に行って焼津への帰り道。東名高速道路を走行中に突然ハンドルがガッガッガッと揺れた。「あれっ」と思って路肩にハザードを出して停車。すぐ横を強烈なスピードでトラックや乗用車がかっ飛んでいく。ドアをあけるのもためらわれるような感じだったけど、車からでてみると右後輪がパンクしてる！

高速走行中のパンクははじめて。路肩と走行車線の間ってこんなに狭かったんだ、とか思いながら すぐに携帯から会社に電話して、ＪＡＦを手配してもらう（なんせメカが得意だから、ボンネットなんて開けたことないし・・・ (^_^;) ）。そしたらしばらくしてＪＡＦから携帯に電話がかかってきて、

ＪＡＦ「１時間以上かかると思うんですよ」
自 分「え～っ、マジっすかぁ。ここで１時間も待つの！！」
ＪＡＦ「すいません、あと１万５０００円くらいかかります。じゃ、気をつけて」



「ここでどうやって気をつけろっていうんじゃ、ホントに」とか思いながら、さっき遠州豊田パーキングエリアで黒棒とえびせんと伊右衛門（写真右上）を買っておいてよかった～とか思いながら、車内でしばしティータイム。そしたらその５分後くらいにパトカーがきて、赤い三角の停車灯みたいなやつを路肩に置くようにと言われる。が、しかし車内のどこを探してもそんなものはない。「ありません」って言うと、「それって整備不良で切符切らなきゃいけないんですよ。免許証と車検証もってパトカーまできて」（写真左上）と言われてしまった。

「ひや～、そんな踏んだり蹴ったりな！」ここで１時間待つだけでも十分ストレスなのに、さらに切符まで切られるとは！　がっくり肩を落として、脇を猛スピードの車が走り抜ける路肩をパトカーまで歩く。

罰金は６，０００円、減点は１点。「あっ、そうっスかぁ～」ほとんど何を言われても逆らう気力もなくて、生返事をしていた。そしたら二人いたお巡りさんのウチの一人が「俺たちがスペアタイヤに取り替えちゃおうか、このままここに停車しているのも危ないし」という。「あ、いいよ、じゃやっちゃうか」ともう一人。　！！　一瞬耳を疑った。

「（キャイ～ン！ ← もちろんこんな声は発しないが）タイヤ、取り替えてくれるんですか！？」
「はい、１時間も路肩で待つのもキツいでしょ」
「そ、そりゃもう、キツいのなんのって（できればこのパトカーからも出たい・・）」

見事に手際よく、一人は赤く光る指示棒みたいなものを振って、できるだけ右寄りを走るように走行車を誘導してくれて、もう一人はジャッキーで車体を持ち上げると手際よくスペアタイヤに取り替え、パンクしたタイヤをトランクにしまってくれた。自分は即、ＪＡＦに断りの電話を入れていた。その間、あっと言う間。

いや～、アッパレ。日本の警察もすてたもんじゃない。なんてナイスガイなんだ。最後の「じゃ、気をつけて」の挨拶もさわやかだ。切符切られた警察官に「ありがとうございました！」って深々と頭を下げたのは初めてだ。

ＪＡＦは１万５０００円って言ってたし、罰金は６，０００円。９，０００円もトクしてしまったし、時間が５分くらい待っただけですんだのも大きい。減点されると長年連れ添った免許証ゴールドカードは次回の書き換えのときはダメかもしれないが、ま、もともと自分の運転でゴールドカードを所持してるってことには周囲からは疑問の声も多かった。本来の免許に戻ったと思えばこちらも文句を言えた義理ではない。

今日はちょっと粉雪が舞うほど寒くて、そんな日にすぐ横を車がかっ飛んでいる路肩で２転３転、なかなかドラマチックだったなぁ。総務のＯ部長、これから社用車には赤い三角のやつ、ちゃんと積んどいてね。

青空が　群青に変わる　冬の空　　ほのぼの光る　東名の月

一首 できちまいやんの。おそまつ (^_^;) 。