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帯とけの枕草子〔八〕よろこび
言の戯れを知らず「言の心」を心得ないで、君が読まされ、読んでいたのは、枕草子の文の「清げな姿」。「心におかしきところ」を紐解きましょう。
枕草子〔八〕よろこび
よろこびそうすることこそおかしけれ。うしろをまかせて、おまへのかたにむかひてたてるを、はいしぶたうしさわぐよ
文の清げな姿
男の慶び申しの儀式は、おかしいことよ。衣の後ろを引きずるに任せて、御前の方に向かって立っていてよ、礼して舞踏して、音立てて動き回るよ。
文の心におかしきところ
女の悦びを奏でることこそ、おかしいことよ、あとは君まかせで、お前の方で、向かって立っているおをよ、いただき、足ばたばたして、さわぐよ。
「よろこび…慶び…喜び…悦び」「そうする…奏す…申し上げる…奏でる」「うしろ…裾…衣の後ろ…身の後ろ…出来事の後のこと」「おまえ…御前…を前」「を…感嘆詞…お…男」「前…身の前」「はいし…拝し…授け…授かり」「ぶたう…舞踏…舞の形、袖を左右にひるがえし足踏みをする」。
この章は、次に記す僧が大寺の別当に任じられ慶び申す日の話の前置きか。女の悦びのことは余りの情。
伝授 清原のおうな
聞書 かき人しらず (2015・八月、改訂しました)
枕草子の原文は、岩波書店 新 日本古典文学大系 枕草子による。