情報と物質の科学哲学 情報と物質の関係から見える世界像

情報と物質の関係を分析し、波束の収縮問題、心身問題、クオリア、時間の謎に迫ります。情報と物質の科学哲学を提唱。

クオリアは動物が獲得した最も原始的な情報概念

2020-03-29 14:20:38 | その他
ヒトには、味覚嗅覚触覚聴覚視覚などの五感があります。
これらの感覚は、クオリアとなって意識されます。

五感には、それぞれに対応して外部からの物理的刺激検出する受容器があります。
それぞれの受容器は、外部刺激の強さに応じた神経パルスを脳に送ります。
ここで注意すべきことは、これらの神経パルスは全く同一の形式を持つ電気的パルスであるということです。

各神経パルスは、”外部刺激を検出した”という検出情報を担っています。
この検出情報が脳の感覚野で読み取られてクオリアとして意識されるのです。
その意味で、クオリアは動物が進化の過程で獲得した最も原始的な情報概念であるといえます。

この情報概念は、次の情報概念の基本的要件を満たしています:
(1)物質現象として情報の定義がなされている(受容器)
(2)情報を表現する情報表現物質が創発されている(神経パルス)
(3)情報の読取り機構がある(感覚野)
(4)読取り結果の利用がある(行動)

先に原始的という言い方をした理由は、動物に意識的なものが誕生したのはクオリアが最初であると考えられるからです。
その後、言葉の発明を経て高度な多種多様な情報概念が誕生したと思われます。

詳しくは、ブログ「クオリアの起源」を是非ご覧ください。

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決定論を克服し遠隔作用を可能にした情報概念

2020-03-29 09:16:24 | その他
自然現象は、物理法則に支配されています。
現在の状態から未来の状態を正確に予測できます。
これを物理的決定論といいます。

ニュートンは、万有引力の法則を発見して太陽系の運動までほぼ正確に説明しました。
ニュートンは、この万有引力は二つの物体の間を瞬時に伝わると考えました。
言い換えると、万有引力には遠隔作用があるというのです。

20世紀に入ってからアインシュタインは、この遠隔作用を否定して一般相対論を提唱しました。
これによると、万有引力、重力は二つの物体の間を光速で伝わるのです。
この考え方を近接作用といいます。

すべての自然現象は、物理的決定論と近接作用という基本法則に従っています。

一方、高等動物は脳に情報概念を創発してこの物理的決定論を克服し、一種の遠隔作用を実現しています。
例えば、人間の行動は物理的決定論に従うと同時に、更に人間独自の規則(例えば、交通規則)に従っています。

また、情報通信を利用して地球からかなり離れた人工衛星の行動を制御しています。
これは、一種の遠隔作用を実現したものであり、情報概念の発明があって初めて可能となったものです。

なお、この場合の情報概念は物理学でよく使われるエントロピーとは全く無関係なものです
情報概念の科学的定義についてはこちらのブログを是非ご覧ください。


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