深層学習は急速に発展しています。
そのパターン認識能力は、人間のそれを凌駕しているとも言われています。
このことから人工知能は人間と同じ意味で認識しているとされています。
しかし、これは錯覚であることを以下で証明します。
便宜上、手書き数字認識の場合について考えます。
人間は、手書き数字を見てそれがどの数字であるかを判定します。
これが人間による認識と呼ばれるものです。
一方、人工知能の場合は手書き数字を二次元データで表し、そのパターンの特徴を抽出し、その結果をもとにして手書き数字がどの数字であるかを判定します。
これが人工知能による認識と呼ばれるものです。
ここで注意したいのは、人工知能には入力文字を「見る」という機能(仕掛け)がないことです。
更に、入力文字は情報処理の過程で消失することです。
従って、人間の場合のように入力を見ながら手書き数字がどの数字であるかを判定するという状況がないのです。
別な言い方をすると、人間の場合「入力文字は〇〇である」となりますが、人工知能の場合には単に「〇〇である」となって主語がないのです。
人工知能は、手書き数字のパターンが0から9までのどれに該当するかを分類しているに過ぎません。
以上の分析から分かるように、人間の「認識」と人工知能の「認識」には本質的な違いがあります。