情報と物質の科学哲学 情報と物質の関係から見える世界像

情報と物質の関係を分析し、心身問題、クオリア、時間の謎に迫ります。情報と物質の科学哲学を提唱。

情報表現物質は情報と物質のあいだ

2020-12-25 10:29:21 | 情報と物質の科学哲学
先のブログで遺伝子は情報と物質のあいだの存在であるとしました。

検出器、測定器や感覚受容器には入力物質から情報を創発する機能があります。
情報は抽象的概念なので検出器などはそれを物質で表現することが必要です。
この物質を情報表現物質といいます。

この情報表現物質も抽象的な情報と物質のあいだにある存在です。

数の概念も抽象的な情報概念です。
数は、数字という記号で表現されます。
記号は、インクやパルスなどの物質で表現されます。
従って、数字も情報表現物質であり情報と物質のあいだの存在になります。

同様に、文字も記号の一種なので情報と物質のあいだの存在になります。

眼前暗黒感

2020-12-25 09:27:47 | その他
眼前暗黒感というのを知ってますか?
脳への血流が一時的に止まると、一瞬目の前が真っ暗になります。

その真っ暗感は、消灯したときに感じるものとは全く違います。
漆黒の闇という極めて恐ろしい感じです。
他界するときにはこんな感じになるのかという恐怖です。

ベートーベンが臨終間際に「もっと明かりを」と叫んだのも眼前暗黒感によるものだったのでしょうか。

消灯しても目の前は何故か真っ暗にはなりません。
脳内にノイズがあるためでしょうか。

遮音室に入っても全く音が聴こえなくなることはありません。
キーンという多分8キロへエルツくらいの金属音を感じます。
この金属音は、就寝中にも常時続きます。
普段は、生活音に消されているだけです。


遺伝子は情報と物質のあいだの存在

2020-12-20 10:28:07 | 情報と物質の科学哲学
福岡伸一『生物と無生物のあいだ』、講談社現代文庫
という面白い本があります。
著者による生命の定義: 生命とは自己複製を行うシステムである。
            生命とは動的平衡にある流れである。

遺伝子やウイルス、更に今話題のPCRの発明物語も出ています。
二重らせんの発見物語も大変面白いです。
”動的平衡”の話もあります。
また、アメリカにおける研究者がどのように活動しているかについても生々しく紹介しています。

この本によるとウイルスは生物と無生物のあいだにあるそうです。
結晶のような構造をしています。
遺伝子も持っています。
自分では増殖できないので生物の細胞に侵入して増殖します。
その巧妙な仕組みに驚かされます。
動的平衡の話を読むとタンパク質レベルで起きているダイナミックな現象に圧倒され頭がクラクラします。
普段の生活では気にすることのない私たちの身体が実は複雑怪奇で理解不能な仕組みを持っていることを知りました。

遺伝子そのものは物質ですが、遺伝情報を担っています。
そこで、本のタイトルに倣って
「遺伝子は情報と物質のあいだの存在」
として理解するのが適当ではないでしょうか。

脳情報の符号化(エンコーディング)と逆符号化(デコーディング)

2020-12-09 10:12:36 | 情報と物質の科学哲学
最近、脳情報の符号化(エンコーディング)と逆符号化(デコーディング)という技術の研究が注目されています。
この技術は、脳ドックなどで使われるfMRIと機械学習アルゴリズムを組み合わせて実現されます。

脳情報の符号化(エンコーディング):
外部から入力される画像などに対するニューロンの活動を時空パターンとして表現するものです。
個々のニューロンの数は膨大過ぎて記録できません。
記録できる最小活動領域は、数ミリの範囲です。

脳情報の逆符号化(デコーディング):
ニューロン活動の時空パターンから機械学習アルゴリズムを用いて入力画像などを推定するものです。
パターン認識の逆なので「逆パターン推定」と呼ぶ方が分かりやすいです。

脳情報の逆符号化を用いてニューロン活動の時空パターンから被験者の意識を推定できます。
その理由は、ニューロンの活動が意識を創発すると考えられるからです。

機械学習を意識の推定に使うという発想が実に素晴らしいです!





奇妙な夢「色がついた夢」

2020-12-08 10:33:52 | 奇妙な夢
ほとんど毎夜、色が付いた夢を見ます。
このときの色の感覚はクオリアによるものでしょうか。
もし、そうであれば対応する視覚野のニューロンが活動している筈ですね。

記憶にない場面の夢でも色のつくことがあるので、このときの色は記憶とは無関係だと思います。

夢に現れる色は、果たしてクオリアによるものなのか、そうでないのかについて専門家の解明を是非お願いしたいです!