(1)カントールの対角線論法は、0と1を含まない開区間(0,1)に含まれる無限小数の濃度に対して適用されます。
便宜上、無限小数を2進表示します。
(2)対角線論法は自然数と区間内の無限小数が1対1に対応すると仮定し、その対応表を作ります。
(3)対応表内の無限小数に対角線論法を適用して得られる無限小数が”.000・・・”になる場合を考えます。
もちろん、この可能性を排除することはできません。
(4)この無限小数”.000・・・”は、0に等しいので開区間(0,1)に含まれません。
(5)0に等しい無限小数”.000・・・”は開区間(0,1)の定義により対応表にはもとから含まれていません。
(6)対応表に含まれていない無限小数”.000・・・”が出てきても矛盾は生じません!
従って、前述のような場合には対角線論法自体が成り立ちません。
(7)仮に無限小数”.000・・・”が対応表に含まれているとすると、開区間の定義によりこの値は正になります:
0.000・・・>0!!!
これは明らかにパラドックスです。
結局、対角線論法にはこのような欠陥もあるのです。