当ブログでは波束(波動関数)の収縮問題が擬似問題であることについて繰り返し取り上げてきました。
今回のブログでは、電子銃から放出された電子について分析します。
電子銃から自由空間に放出された電子の波動関数は、シュレーディンガー方程式に従います。
一方、検出器で検出された電子はシュレーディンガー方程式に従いません。
何故なら、この電子の位置が確定したことにより運動量は不確定になります(ハイゼンベルクの不確定性原理)。
このため検出された電子の波動関数は電子銃から放出された直後の波動関数ではなくなるのでシュレーディンガー方程式に従いません。
従って、検出後の電子に対してシュレーディンガー方程式を適用することはできません。
この事実は、波束(波動関数)の収縮という概念自体が成り立たない、波束の収縮問題は疑似問題であることを意味します。