情報と物質の科学哲学 情報と物質の関係から見える世界像

情報と物質の関係を分析し、心身問題、クオリア、時間の謎に迫ります。情報と物質の科学哲学を提唱。

波動関数はマクロな物体に適用できない!

2024-09-09 16:35:03 | 物理学・量子力学
波動関数は粒子性と波動性を併せ持つ対象に適用できる概念です。
粒子性は、例えば電子が物体に衝突したときに起こる現象です。
波動性は、干渉縞などで確認できます。

通常のマクロな物体は、波動性を持ちません。
通常のマクロな物体が干渉縞を起こす実験などありません。

ところが、理論家はマクロな物体に対しても平気で波動関数を適用します。
その端的な例が天才科学者フォン・ノイマンが「シュレーディンガーの猫」の装置に対して波動関数を用いたことです。
この装置は、言うまでもなくマクロな物体の集合です。

森田邦久『量子力学の哲学』、講談社現代新書2122(2011.9)の86~87ページでは、電子のスピン測定器というマクロな物体に対して状態ベクトル(波動関数)を適用しています。
これは、波動関数の間違った使い方です。

更に、電子の状態ベクトルと測定器の状態ベクトルを重ね合わせの関係で表現しています。
これも、波動関数をその適用範囲を超えて使った典型的な誤用例です。


kindle previewer3はWord文書の目次と相性が悪い

2024-09-09 15:35:58 | その他
『情報と物質の関係に基づく世界像』、『対角線論法の欠陥』という電子書籍をKindleで出版しています。

このうち「世界像」についてはときどき改訂版を出しています。
原稿はWordで書いています。

改訂版を作成した後Wordで内容を確認し、改定前の文書を削除しました。
そして、改訂版をkindle previewer3で開くと何と削除した文書が表示されるのです。
そのことが分かったのは、目次の部分が改訂版のものと違うからです。

Kindleヘルプに相談したところ、改訂版の目次を更新していないからだとの回答でした。
そこで、改訂版の目次を更新してkindle previewer3で開くとWordによる目次と一致しました。

Wordで作成した文書を修正した後に目次を更新する必要があることを全く知りませんでした。
kindle previewer3のおかげでいい勉強になりました。


波束の収縮は電子が物体に衝突するときに起きる現象(測定とは無関係)

2024-09-09 10:17:06 | 物理学・量子力学
量子力学によれば波束の収縮は測定により起きます。
しかし、先のブログで波束の収縮は測定しない場合にも起きることを示しました。

今回のブログでは波束の収縮は電子や光子などが物質に衝突するときに起きていることを示します。

1個の電子を金属板に向けて発射します。
この電子が金属板上の点Pに衝突したとします。
すると、金属板の点PからX線や熱放射が放射されます。

電子が点Pから離れた空間では波動関数は広い範囲にあります。
一方、電子が点Pに衝突する直前の波動関数は狭い空間に局在する波束で表現されます。
これが波束の収縮と呼ばれるものです。

従って、波束の収縮は1個の電子や光子などが物質に衝突する直前に起きる一般的な現象であることが分かります。
この場合も測定は無関係です。