境港の「おさかなパーク」の建築模型ですが、ベースのアクリルが日光の熱でグニャグニャに波打ってしまったので、これをなんとか修復しました。
前回のブログで、ボルトによる引っ張りを実験して上手くいったので、いざ、本番に移りました。
波打ってしまったアクリルベースですが、
写真ではよくわからないかもしれませんが、置いた角材が浮いています。
ほんのわずかな歪みですが、真っ直ぐな線の多い模型なので少しでも歪みがあると妙に目立ちます。
コンマ数ミリでも人間の目はごまかせません。
これを修復して行きます。
先ず平ナットをアクリルのブロックで囲い、アクリルベースに接着します。
そのナットのブロックが木製ベースにピッタリハマる様に四角い穴を開けます。
ベースに付けたナットに木製ベース裏面からボルトを取り付けます。
これを何日かかけて、ゆっくりと締め付けます。
いきなり強く締めるとアクリルが割れてしまう可能性があるので、ゆっくりとクセが付く頃また締めるという事の繰り返しで、真っ平にします。
幸い木製のベースが12ミリのベニヤ板なので、かなりしっかりとした平面を保っていましたのでこの板に密着させれば真っ平になると確信しました。
全部で13本のボルトを取り付け、締め上げました。
これで何とかベース部分は平になりました。
しかし、これも修復しなければなりません。
メインの「おさかなパーク」の建物一階部分です。
何とか綺麗に剥がす事が出来ましたが、床部分が歪んでいます。
これも平に伸ばします。
テーブルの端に固定して、角材をプレスして平に押さえました。
ある程度平になれば、ベースに接着する事によって平になります。
あと、困難だったのが、海の透明アクリル部分の浮き上がりですが、これはボルトを接着するとボルトが透けて丸見えになります。
そこで上から押さえる方法を考えました。
こんな物を作りました。
小型の漁船を作り、船底にネジを取り付けました。
これを透明のアクリルの一番膨らんだ部分にねじ込みます。
指で膨らんだアクリルを押さえてみて一番平になる部分を見つけ、そこに穴を開けてネジ付きの船をねじ込み押さえます。
ランダムに船が居ますが、これで行きます。
こうして何とか、修復できました。
目を凝らして斜めから見ると、多少歪んだ部分が分かるかも知れませんが、ほとんど分からない状態に修復できました。
修復まで1ヶ月かかりました。
アクリルは硬くて強いのですが、熱で簡単に膨張したり、収縮したりします。
木枠などできっちりはまっているアクリルは熱で伸びると逃げ場がなくて反りが出ます。
これが非常に厄介で結構ゆとりを持たせないとアクリの伸びで割れる事も有ります。
なので熱は大敵なんです。
なのに、5月の炎天下、アクリルのカバーをかけて温室状態で展示したのは最悪です。
白熱電球で照らすのもダメと言っておいたのですが、それを知らない方が屋上の炎天下に置いたそうで、これはもう破壊行為です。
アクリルのカバーも焦った係の方が踏んづけて割ったそうです。
これも新規で製作しました。
こんな大変な作業でしたが、多少の材料費で修復しました。
この様に、私が製作した品物は、破損等問題が起きたときは修復致します。
こちらの落ち度の場合は修復費用は頂いておりません。
まだ修復していないフォギュア等もあるんですが、時間を見て修復致します。
やはり、ソフビ等可塑剤の染み出しによるベタつきは今、実験して修復できるかどうか検討中です。
古いソフビフィギュアは困りものですね。
でも、これからも色々勉強して修復して行きます。
これで「おさかなパーク」の製作は終わります。
しかし、もう一つ、境港の施設の模型を作っているんですが、次回はそれの製作記事をアップしようと思います。
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