暗紅色の可憐な花が風に揺れていた。われもこうありたいという、はかない思いをこめて名づけられたそうである。ここでは、シモツケソウはすでに咲き終わっていたものの、サラシナショウマやイブキトリカブトのほか、まだいろいろの花が咲いてお花畑に彩りを添えていた。 
伊吹山頂あたりには、この紫色の花、イブキトリカブトの群生があった。この花の根には毒があるとされている。花の形は兜に似ていることが、この名前の所以らしい。 
伊吹山にはもう少し早い時期に行きたかったのだが、都合がつかなくてこの日となってしまった。午後になって、急に出かけることとしたが、最高のお天気に恵まれた上、お花畑の花たちも、初夏とは違った趣で、この白い花、サラシナショウマの群生がちょうど見ごろを迎えていた。また、アサギマダラはこの地をすでに離れたと思っていたが、乗り遅れた（？）蝶がフワフワと飛んでこの花にも止まっていた。偶然の出会いにとてもうれしかった。 
今年始めてとなる伊吹山へ出かけた。午前中は曇り空だったが、午後からはすっきりと晴れ間が広がり、爽やかな秋風でススキが揺れて、最高の気分だった。 
伊吹山で咲く花たちに魅せられて、毎年のように登っている。特に夏の季節は、涼しくて避暑にもよく、またシモツケソウの群生もさることながら、いろいろな野の花を見ることができる。ウグイスのさえずりを聞きながら歩いていると、いろいろな蝶や虫たちも見ることができる最高の場所である。 
