Adap(アダップ)2005

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親父との別れ④

2015年12月29日 21時57分08秒 | Adap介護

 ふたたび親父と再会すると、親父は、
 人工呼吸器等の機器がはずされ、安心したような顔をしていた。
 
 ベットに乗せた親父と、慰安室へ移動する。
 慰安室は、しんと静まり返った地下2階にあった。

 夕方までに、葬儀屋さんを決めて迎えに来てください
 と言われ、タクシーで家に戻る。

ADP_0009ADP_0009 posted by (C)adap

 家に戻ると、当たり前なのだが、今朝と同じ風景がそこにあった。
 7時間ほど前に、この風景を見たとき、親父は生きていた。

 そう思うと、悲しみと寂しさがこみ上げて来るが、
 しかし、悲しんでいる暇はない。

 葬儀屋はどうやって決めるのか?
 病院から、父を家に連れて帰れるか? 

 幸い、母が葬儀屋を決めていたので、家に戻り葬儀屋へ連絡すると、
 夕方4時に、病院の慰安室に向かうので、来てくださいという事になりひと安心。
 
 親父が戻って来てもいいように、家の片づけをしながら、
 親戚にも少しずつ連絡をする。
 
 約束の時間に慰安室に向かうと、既に葬儀屋が来ていた。
 霊柩車で、親父とともに家に帰る。
 
 家には、葬儀屋の迎えの人が数人待機していて、
 親父を安置すると化粧士の人が親父のメイクをしてくれた。
 メイクを施した親父は、とても穏やかな顔をしていた。
 
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親父との別れ③

2015年12月20日 22時08分42秒 | Adap介護
 手術室では、人工呼吸器のボォーンという音と、
 生体モニターのピコッピコッという音が、周期的に響いていた、

 親父の手を握ると温かかった。
 少し、握り返して来たような感じもした。

 医師の説明では、心拍数はあるもの、
 心臓は組織としては止まっていて、
 
 人工呼吸器によって、動いており
 細胞がわずかに微動している状態だと説明があった。

 時々、生体モニターの心拍数が「0」になって、
 警報アラームが鳴りいよいよかと思うシーンがあったが、

 再び、何も無かったかのように心拍数が上がってくる。
 そんな事が繰り返えされた。

 よく、テレビドラマで心拍数が0になって、
 人が死ぬシーンがあるが、あれは嘘で、

 心拍数が0になっても、その状態が15分ほど続き、
 体の各細胞が反応しなくなるまで、人の死を確認することはできない、とう事を知った。

 実際、親父も5回くらい、心拍数が0になった後に、
 心拍数が上がってくる問い事を繰り返した。

 俺はまだ生きてるぞ。元気だせ。
 そんな、親父の声が聞こえるような気がした。

 おかげで、この時間は、親父とお袋と、
 ゆっくりと過ごすことができた。

 そんな時間が2時間くらい続いただろうか?
 親父の心拍数もとうとう戻らなくなった。

 医師が、心臓の音や、瞳孔の反応が無いのを確認した。
 11月12日 12時12分

 「ご臨終です。」と医師から告げられた。
 
 それでも、なお、親父の体は温かかった。

 
 





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親父との別れ②

2015年12月20日 10時35分13秒 | Adap介護
 受付を終えて、待合室で待っていると、
 取調室のような、小さな部屋に医師に呼ばれた。
 
 以前、親父が徘徊して警察署で相談したときも、
 こんな、テーブル1個とイスが4個くらいしかない、密室だった。

 医師からは、心臓にある3本の大きな血管の内、
 1本が詰まっているので、血管を拡げる緊急手術が必要だが、

 父が高齢なこと、血流を良くする薬を飲んでいることなど
 リスクが大きいことが伝えられ、手術をするかどうかの判断を問われた。
 
 できるだけのことをお願いします。
 そう言った時に看護婦が入ってきた。

 看護婦の報告を受け、医師の顔が厳しくなった。
 「お父さんの心臓は、今、止まっています。」

 部屋の空気が完全に凍りついた。
 何も、言葉が出てこなかった。

 それから、どれだけの時が流れたのか?
 医師から、どんな話をしてもらったのか?
 今は、はっきり覚えていない。放心状態だったのか?

 再び、看護婦が入ってくる。
 「お父さんの心臓が、マッサージで再び動き始めました。」 

 しかし、医師の厳しい顔は変わらなく、
 「数分、脳に血が流れなくなると脳が死んでしまいます。」
 「命を繋いでも、植物人間になってしまう可能性が非常に高い。」
 「もう、もとの生活には戻れません。」
 状況は、厳しさを増していた。

 この状態でも、リスクの大きな手術をするか?
 残り少ない時間を、ゆっくり過ごすか?
 手術をしている途中で、死に至る可能性が高いことも伝えれられた。
 
 医師から選択を迫られる、厳しい選択。
 お袋と話をして、親父との残り少ない時間を過ごす選択をする。
 辛い選択だった…。







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親父との別れ

2015年12月19日 22時38分14秒 | Adap介護
 1ヶ月ほど前、おやじが静かに息を引き取った。
 享年92歳。親父との別れと、その後に色々と起こった、出来事を少しだけ語ろうと思う。
 
 
 死を迎えた前の日は親父の92歳の誕生日だった。
 ケーキを買って実家へ行ったのだが、 親父はずっと寝ていて
「ケーキだよ食べる」と聞いても、眠いといってなかなか起き上がっては来なかった。

 いつもは、ケーキなどペロリと食べてしまうのに、この日は元気なく、ケーキも一口しか食べなかった。
 すっかりふけたな?今晩大丈夫かな?もしかしたら、もう会えないかも…。
 帰り道では、そんな嫌な事を考えてしまったた。

 その翌朝、携帯電話が鳴った「お父さんが、起き上がれず、脈も取れないので救急車を呼びました」
 いつもお世話になっているケアサービスの方からの電話だった。
 
 急いで、実家に向かうとちょうど家を出て行く、救急車に飛び乗ることができた。
 救急車に乗ると、心配そうに親父を見守るお袋の前で、酸素マスクをつけた親父がいた。 
 「大丈夫?」と聞くと、「あー」という短い返事が返ってきた。

 救急隊からは、血圧が低く危篤の手前の状態だと説明を受けた。
 今飲んでいる薬とか、かかり付けの医者の連絡先とか、最近の検査結果や親父の様子を聞かれた。
 薬手帳や最新の健康診断の結果を、健康保険書と一緒に、すぐに持ち出せるようにしておくことで、
 緊急時の医師の対応や判断の幅が広がると痛感した。

 病院に着くと、親父の様態が厳しい事を裏づけるかのように、
 10人近いスタッフが救急車の到着を待ち構えていた。
 親父のオペが、すぐに始まった。

 
 




 
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我が家の「徘徊対策(外出防止編)」

2014年05月23日 22時15分12秒 | Adap介護
前回は、外出してしまった場合の
捜索対策として、GPS活用の可能性について触れ、

持たせる事と、充電しておく事が
難しいという話をしましたが、

今回は、徘徊して捜索するようになる前に
まずは、「外出させない」ように、
我が家が行っている対策についてお話します。

このような対策は、一つ行えば十分ということはなく、
複数の対策を組み合わせて行うことで、
より確実な効果が産まれます。

ちなみに、我が家では、
①玄関出口に人感センサー設置
②庭側出口にマットセンサー設置
③家から道路に出るところの門にかぎ設置
④外出しないように靴をかくす

などの対策を行っています。

IMG_5697IMG_5697 posted by (C)adap
①これが人感センサーです。
この近くに人が来ると、介護人のいる
居間に大きな音楽が流れ、
要介護人の不意打ち的な外出を知らせます。

IMG_5698IMG_5698 posted by (C)adap
②これは、庭側の裏口に取り付けた人感マットです。
効果は、①と同じです。

実際、過去に数回、父(要介護人)が行方不明になった時は
母(介護者)がその外出に気づいたのは、
だいぶ時間が経過してからでした。
このような、アラームを付けておけば、
外出は未然に防げたと思われます。

IMG_5692IMG_5692 posted by (C)adap

③これが最後の砦。
外の道に出る前の扉です。

IMG_5695IMG_5695 posted by (C)adap

ハンドルをロックする鍵があるので、
簡単には開けられません。


まあ、いろいろと機器を取り付けましたが、
介護するのは「人」なわけで、
どんなに機械や、鍵を取り付けても油断していたら、
要介護人は出て行ってしまいます。

100点の対策は取れないかもしれないけど、
やれることから始めるという事が、

大切ではないでしょうか?

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我が家の「徘徊対策」

2014年05月17日 12時11分08秒 | Adap介護
徘徊対策として、自分が最初にひらめいたのは、GPSで居場所を探知する方法だ。
科学技術が進歩し、誰もがGPSを持つことが出来る時代にはなったが、老人にGPSを持たせるのは、意外と難しい。
我が家でも、ソフトバンクの見守りケータイを購入したが、携帯を持ち歩く習慣のない父は、必ずと言っていいほど携帯を家に置いて行ってしまう。
仕方がないので、今は、家の中でもなるべく、首からぶら下げるようにしてもらっているが、これくらいしないと、老人にGPSを持たせるのは難しい。

更に、充電においても、老人にとってはハードルが高い。
我々からすると、アダプターに差し込み充電するという行為は、
何でもない動作だが、老人にとってはこれが結構高いハードルになっていて、
気が付くと電池が切れているということが、良くある。

持たせるのが難しい。充電を常にしておくのが難しい。
この2つを解決できるような物、
例えば、歩いているうちに、自動で充電ができるGPSを
組み込んだ靴みたいな物があれば、とても便利だと思う。

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認知症の妻に7年ぶりに再会

2014年05月14日 23時18分28秒 | Adap介護

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IMG_4602 posted by (C)adap

今朝の新聞に、こんなニュースが載っていた。

認知症のパートナーや親を持つ人は、
こんなニュースを見ても、
あまり驚かないかもしれない。

俺自身、91歳の親父がいて、
ここ数年、認知症をわずらっている。

そして、その親父を支えているのが
88歳のおふくろだ。

親父も、時々、行方がわからなくなる。

これが、超高齢化社会の現実。
現実は、あまりにもリアルである。

最近までは、親父もしっかりしていたが、
このごろ、ちょっと怪しい。

親父が認知症ということを、
ブログで書こうか、ためらいはあったが、

同じ悩みを持つ人の参考になれることが
何かあるのではないかと思い、

これからは、介護ネタも書くことにした。

今日から、
「Adap介護」を開設します。

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