ふたたび親父と再会すると、親父は、
人工呼吸器等の機器がはずされ、安心したような顔をしていた。
ベットに乗せた親父と、慰安室へ移動する。
慰安室は、しんと静まり返った地下2階にあった。
夕方までに、葬儀屋さんを決めて迎えに来てください
と言われ、タクシーで家に戻る。
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家に戻ると、当たり前なのだが、今朝と同じ風景がそこにあった。
7時間ほど前に、この風景を見たとき、親父は生きていた。
そう思うと、悲しみと寂しさがこみ上げて来るが、
しかし、悲しんでいる暇はない。
葬儀屋はどうやって決めるのか?
病院から、父を家に連れて帰れるか?
幸い、母が葬儀屋を決めていたので、家に戻り葬儀屋へ連絡すると、
夕方4時に、病院の慰安室に向かうので、来てくださいという事になりひと安心。
親父が戻って来てもいいように、家の片づけをしながら、
親戚にも少しずつ連絡をする。
約束の時間に慰安室に向かうと、既に葬儀屋が来ていた。
霊柩車で、親父とともに家に帰る。
家には、葬儀屋の迎えの人が数人待機していて、
親父を安置すると化粧士の人が親父のメイクをしてくれた。
メイクを施した親父は、とても穏やかな顔をしていた。