いつか英国日記

英国を中心とした靴、鞄、時計、その他ファッションに関するブログ

ハリスツイードのクラシックラグランコート

2018-12-02 13:29:51 | コート
ハリスツイード。最も有名なツイード生地ではないでしょうか。スコットランド北西部、アウターヘブリティズ諸島。そこに生息する羊の羊毛から今も昔ながらの織機で手織りされているのがハリスツイードです(今は生産量の関係で一部他の英国からの羊毛も使われています)。緑に覆われた島、しかし厳しい自然であることは容易に想像ができます。飛行機を乗り継がなければならないその地は気軽には行くことが難しそうです。長谷川喜美さんの著書「ハリスツイードとアランセーター」に島の様子が描かれて非常に興味深いです。その著書によるとハリスツイードとはいえ時代に応じて変化があり、特にハリスツイードを特徴づけている織機についてはシングル幅のハッタースレイの織機から効率的なダブル幅の織機ボナス・グリフィスに変わりつつあるとのこと。羊毛もブラックフェイスという種からチェビオ種にとって変わりつつあり、その結果、ハリスツイードも軽く柔らかいものが増えているようです。まさに時代を反映していますね、私が以前ヴィンテージのツイード生地で作ったコートを試着したことがありましたが恐らくコートそのものの重さが6〜7kg位あり驚いたことがあります。流石に現代の東京で着るには重すぎる気がします。

今回のクラシックラグランコート、batakでオーダーしました。ハリスツイードの生地は現代的な重さのもの、といっても目付は軽く500g以上はあると思います。



実はラグランコートはこれで2着目。batakのこの素晴らしいパターンに惚れてしまいました。流石N寺さん、完璧なパターンです。柄は以前から気になっていたブラックウォッチです。実は去年ヘリンボーンにするかブラックウォッチにするか迷ってブラウンのヘリンボーンにした次第。

裏地は下のような仕立てです。



ポケットの仕様は4種類、箱ポケット、マガジンポケット、貫通ポケット、貫通マガジンポケット。今回私は貫通マガジンポケット仕様にしました。これはコートのポケットからスーツにアクセスすることが出来、とても便利です。トレンチコートなどに多い仕様ですね。




裾まわりや袖は標準的な仕様です。





クラシックラグランコート、着用した時の気心地とシルエットがとても好きです。ラグランコートというとおじさんのコートというイメージですがこれはクラシックなラインが本当に美しいと思います。



コートは後ろ姿。哀愁があるでしょうか、、、



そういえば今日は服飾系のパーティ。これを着て行こうと思います。


バタクハウスカットのクラシック・ラグラン

2017-12-25 06:00:00 | コート
さて、先週の続きです。スーツを受け取りに行くと何やら妙に色気のあるコートが。普通のウールのステンカラーコートと思いきや、とても綺麗なAラインのラグランコート。しかも大柄なヘリンボーンの生地がとても魅力的です。コートの受注はすでに終了しているのでお店にあるのはゲージモデル。運良く(悪く?)自分のサイズのコートがあるではないですか。試着をしてみると何とも良い雰囲気。



コートはやはり後ろ姿がいいかどうかですよね。そしてこの時、運命的な事件が!そう、試着したコートを脱いだ時、プライスタグが外れたのです。これはこのコートが「私を連れて帰ってください」と言っているのに違いないという妄想MAX。良い物は出会いのタイミングが全てですからね。ということで、めでたくお買い上げです。

このコートの生地、MARLING & EVANS(マーリン&エヴァンス )は 1782年イングランド南西のストラウドで創業。1920年代にはフランネルの生地があのロールスロイスの内装に採用され話題になりました。その後、1960年代に現在のヨークシャー ハダースフィールドに移転。こちらの生地はアンダイドブリティッシュウールという天然素材を使用。ジェイコブス、シェットランド、ウェルシュブラックなどの英国羊毛の天然カラーの糸を使い、紡績や織りの工程には染料や化学物質は一切使用せず、仕上げ工程も天然石けんを使うという徹底ぶり。体と環境に優しい生産方式をとっているのが特徴です。

こちらの生地の目付は720g/m、コート自体の重みはかなりずっしりきますが着てしまえば肩にバランス良くコートが乗るので気になりません。当初は今の東京では重すぎるのではないかと思ったのですが、今年は冬の寒さが思いのほか厳しく、実は現在大活躍中です。



1930年代を連想させる大きな襟、そしてAラインのデザインがとても美しいです。今はやりの丈が短くてぴたぴたのフィッティングではなく、身頃にかなり余裕があるフィッティング、このクラシックな雰囲気がとても好きです。



さて、もうコートは買わないと言って久しいですが、何着あるかも、もうわからなくなりました。ここはもう開き直り、来年はこのデザインのブラックウォッチのコートをオーダーしようと思っています。このコートがあると雪さえも楽しく思えそうです。

本日はクリスマスですね。
あなたにとって素晴らしい1日となりますように。


英国レポート その2 ハケットロンドン

2017-02-19 07:42:56 | コート
英国レポート 第2弾。まずはピカデリーアーケードにあるビスポークドレスシャツのBuddへ訪問。前回出来上がったシャツを持っていきました。



対応してくれたのは前回同様チーフカッターのダレンさん。色々修正要望をお伝えしました。修正点が多かったことから結局その1枚目のシャツは作り直しになりました。「修正点はシンプルなので今回はバッチリだ!今度はシャツが届いたら何度か洗ってくれ」とも。楽しみにして待つこととします。



そのあと、友人ご夫妻とザ リッツ ロンドンのアフタヌーンティーへ。1906年に創業されたこのホテル、生のピアノ演奏も行われ明らかに格が違う雰囲気。



前回行ったブラウンズホテルより、ゆったりした優雅な感じです。サンドイッチやスコーンの提供もゆっくり(笑)。その時たまたまかスコーンはあまり温かくなかったのがちょっと残念。



アフタヌーンティーについていえば雰囲気のリッツ、味のブラウンズといったところでしょうか。



その後、ジャーミンストリートを散策中にハケットロンドンがセールをしていたので、ちょっとのぞいてみました。



入り口近くになんとも雰囲気の良いコートがディスプレイされています。ダブルフェイスのチェック柄。この生地いいな〜と思って手に取ったところ



イタリアのロロピアーナの生地が使われていました。

ということで早速フィッティング。丁度合うサイズがあったのと、セールで半額ということもあり購入しました。これでコートは都合15着になります。ああ、もうコートはいらないよね、、、といつも思いながら素敵なもの見つけると買ってしまうのでした。これ病気?



さて英国レポートも段々佳境へと入っていきます。

英国クルマ事情についてもレポートしています。
お車好きの方はこちらもどうぞ。



ADJUSTABLE COSTUMEのMOTORCYCLE COAT

2015-12-29 08:45:00 | コート

ADJUSTABLE COSTUMEのMOTORCYCLE COATが先日出来上がりました。

英国軍が情報伝達などの為に走らせた機動的なモーターサイクル部隊、敵を避けて過酷な陸路を走るには機能的で強靭なアウターが必要でした。それを現代に合わせて復刻した40年代のARMY MOTORCYCLECOATです。素材はマッキントッシュクロスに似た質感、撥水加工が施されています。正面から見たポケットや襟などのディティールは当時のコートの雰囲気をよく再現していると思います。



着丈はかなり長めですがそれが又、好みです。



内側は比較的シンプルな作りですが、マッキントッシュなどのコートと比較するとちゃんと袖や内側に裏地が付いた使い易い仕様となっています。



防寒性が高く通気性のないコートには必須の脇の下のエアー抜き。ここら辺はマッキントッシュでもおなじみ、現代風にアレンジされています。チンウォーマーも付属しています。



そしてこだわりの仕様の脚を固定するストラップ。



コートの裾にずらっと並んだホック。身頃のホックで止められるようになっています。



留めてみるとこんな感じです。まあ、この形では着ないと思いますが、、、



コート単体では結構重量がありますが、着てしまうと気にならない重さです。私はスーツの上にも着たりしますが、4輪バイクとも言えるセブンなどに乗るときに着るのもかっこいいかもしれませんね。今年はこのコートかなり活躍しそうです。




’40S BRITISH ARMY MOTORCYCLE COAT

2015-05-04 08:31:50 | コート
初夏を思わせる4月の下旬
小高氏のブランド「ADJUSTABLE COSTUME」の
AUTUMN & WINTER COLLECTIONの展示会に伺った。
場所はいつもの青山の展示会場。

1920年代~40年代をモチーフとした
コートやスーツそしてブレイシーズなどのアクセサリーまで
今回も興味深いラインナップの数々であった。

そして最も私が惹かれたのがこちらのコート。



’40S BRITISH ARMY MOTORCYCLE COATとある。

このモデルの原型となったヴィンテージのコートも
見せてもらったが、あまりに重すぎて(恐らく重量7kg以上)
実用にはならない。
ディティールはそのままにリアルクローズとして
作られたこのコートがとても魅力的に映った。

かっこいい

洋服との出会いはインスピレーションが大切である。

このコートをオーダーすることにした。

生地はベージュとグレーの2色。
素材はコットンで撥水加工済み。
普通はベージュを選ぶのであろうが
私はグレーを選んだ。

なぜなら、既にトレンチとステンカラーコートのベージュを持っているからである。

基本はサイズオーダーであるが
私の場合、規定サイズではやや合わないのと
着丈などの好みの問題もあったので
別ラインで修正を入れてもらことにした。

出来上がりは10月頃であろうか。
カジュアルだけでなく
スーツの上にも着用しようと思っている。

今から愉しみである。

さて、その夜はブロマンスな集まりがあったので
いつもの新宿バタクハウスカット本店へ。

バタクハウスカットではバンチではなく
実際の巻き物状の生地が置いてあるので
つい見てしまう。

すると気になる生地を発見!



グレーのリネン生地。
バタク別注らしくしっかりした重さがある。
先ほども言ったが洋服との出会いは
インスピレーションである。
この生地、色味であれば
先日オーダーしたフランコプリンツィバリのスーツの
オッドベストとして最適ではないか。

ということで
早速、川部店長に採寸してもらった次第である。

はからずも1日に2着のオーダー。

なんと幸せな1日であろうか。

出来上がりはまた別途
こちらでご報告したいと思う。



スペシャルなマッキントッシュ

2013-09-15 07:41:12 | コート
今日は雨、、、
しかも台風が上陸の機会をうかがっている。
あんなに暑かった夏が
早くも通り過ぎようとしています。
朝晩はウソのように涼しくなり
蝉の鳴き声は途絶え、鈴虫の鳴き声へ
この季節、少しだけ寂しくなります。

暑い間は服飾よりも
クルマや野外のイヴェントなどに
気を取られていましたが
手元に届いた伊勢丹の冊子を見て
服飾を愉しむシーズンの到来が
近づいた事を実感。

今回一番印象に残ったのが
冒頭の写真のマッキントッシュのコート。

伊勢丹メンズ館のシンボルマークでもある
ブラックウオッチ柄のコート。
素材はウール50% 綿50%とあります。
どんな素材感なんでしょうか。
とても気になります。

9月中旬に店頭に並ぶ様なので
フラッと寄ってみよう。

ブラックウオッチ柄
何故か惹かれます。

もうすぐ秋の到来ですね。

早くもスプリングコート

2012-12-23 07:13:30 | コート
アクアスキュータムから早くも春のお知らせ。
そう、スプリングコートオーダー会です。
1月20日までにオーダーし2月末に受け取り。
なるほど、、、
バーバーリーよりアクアス派の私として
ちょっと気になります。

さて今回、その中身ですが
まずはアクアス言えばトレンチコート。
英国軍用の
1914年の「AQUASCUTUM SERVICE KIT」から復刻版の
プリンスゲート。



丈は膝丈ですね。
やはり一番の定番です。

そして下のSERVICE KITから復刻された
カーティス。



所謂シングルトレンチのコートです。



ダブルのトレンチコートはどうも、、、
というか方には良いかもしれません。
当時のトレンチはかなり身頃に余裕があり
それをベルトで絞って美しいAラインを描く物が多いですが
アクアスにもそういったモデルがあっても良いと思います。

さて、オーダーで一番愉しいのは生地が選べる事。
今回のオーダー会では3種類のコットンから
選べます。

まずは定番の撥水性のあるギャバジン。
色は2種類ですが私ならやはりベージュを選びます。



そしてスプリングコートの定番素材でもある
シャンブレー。
霜降調の平織りの素材です。



これも私ならベージュですね。

そして、モダンな素材のコットンリネン。
色の種類も現代的です。



この素材の場合は最初から皺になりますが
それがかえって真新しさを感じさせないので
特にコートの場合は良いかもしれません。

何か、おろしたてのコートって
気恥ずかしいですから。

クリスマスそして
あっという間にお正月を迎えると
もう春はすぐそこなんですね、、、



グアナコ

2012-12-09 07:27:47 | コート
グアナコをご存知でしょうか?
グアナコ、南アメリカの高地
特にそのほとんどが
アルゼンチンに生息しているといいます。

グアナコの毛は羊と比べても
とても柔らかく
アルゼンチンでは
上質な毛を採集するために
グアナコ生息用の区画を設けているほど。



1頭から取れる原毛はおよそ500g。
そのうち約3分の1が純毛高級繊維原料となります。
その毛はカシミヤより柔らかく
保温性に優れる高級素材。

私はグアナコと言うと
まず思い出すのがボルサリーノの帽子。



ボルサリーノもグアナコになると
高級なラインとなり
帽子を梱包するケースも特別な物が用意されます。
見るからに肌触りが良そうなハットですね。

さて、今回、日本橋三越から送られてきたレターに
グアナコを使用したコートがありました。
カシミア80% グアナコ20%の
ラグラン袖のステンカラーのハーフコート。



日本橋店のみの限定で価格は50万オーバーですが
これは1着あったらスペシャルな一生ものコートして
良いかもしれません。

しかし出来うるなら
ステンカラーコートではなく
アルスターコートがあったらもっと良いですね。
価格はさらにアップしそうですが。

まずは、その手触り、着心地を確認したくなるコートです。
近々潜入捜査してこようと思います。



気になるコート

2012-12-08 06:41:31 | コート
もう、あなたはコートを
お召しになっているでしょうか。

いよいよ冬本番になり
ここ最近はまるでお正月を前倒しするかのような
厳しい寒さ。

こうなってくると
綿のトレンチもいいけど
やはりウールのコートも恋しくなってきます。

先日送られてきた三越のコートフェアの中で
気になったコート。

冒頭の写真、サルトリア・イプシロンのコート。
サルトリア・イプシロンとは船橋氏主宰のテーラー。
ロンドン、ミラノ、ローマで
本場の仕立てを修行した氏のスーツは
「甘くやさしく縫う」仕立てで
驚く程、軽いとの評判。

ヘリンボーンのシングルチェスター。
素材はカシミア5%混のウール。
カシミアが少し入っているだけで
ウールの質感は大分変わります。
より柔らかく光沢があり高級感も増しますね。

そしてクラシックなデザイン。



細めの襟が全盛の昨今
それに反する様なサーティーズ的な襟が
とても良いと思います。
三つボタンですが比翼仕様ではないにも関わらず
クラシックな雰囲気ですね~。

価格も9万を切り
この手のコートとしてはリーズナブルだと思います。

ウールのコート
1着は男のワードローブとして
必須だと思います。


本格的にコートの季節

2012-12-01 06:54:56 | コート
遂に今日から12月。
まだ、街中にはコートを着ていない方も
いらっしゃいますが
東京でもいよいよ寒さが本番になり
コートの恋しい季節に。

先月送られてきた
伊勢丹の冬物のコレクションに
気になるコートを発見!

オースチンリード シグネチャーの
キャメルのコート。



その名もブリティッシュ・ソルジャーコート。

第2次世界大戦当時の英国軍が
着用していたコートのデザインをベースに
現代風にアレンジしたもの。
当時のコートは勿論キャメルではなく
もっとヘヴィーデューティな生地が
使われていたと思いますが
こちらのコートは
思いっきりラグジュアリーな仕様となっています。

ファー部分はビーバーに似た哺乳類のヌートリア。
こちらは別売りのようですが
この雰囲気なら、このファーも勿論付けたいですね~。

気になる価格ですが
ファーも合わせると30万円。
う~ん、購入するにはちょっと気合いがいりますね。

さて、もうひとつに気になったのは
バタクハウスカットのオーダーコート。
いかにもバタクらしい700gという目付の生地。

下の写真は、エドウィンウッドハウスの物。
これでクラシックなコートをオーダーしたら
雰囲気ありそうですね~。



例によって、英国の生地屋さんから
直接探してきたデッドストックの為
着分しかないようですので
気になった方は、直接お店にお問い合わせを。

オススメ、コート四天王

さあ、コートを着て街に繰り出す事にしよう、、、