赤峰和彦の 『 日本と国際社会の真相 』

すでに生起して戻ることのできない変化、重大な影響力をもつ変化でありながら一般には認識されていない変化について分析します。

トランプ大統領の真意 current topics(264)

2017-08-15 12:07:56 | 政治見解




current topics(264):トランプ大統領の真意 


連日のように北朝鮮のミサイル問題が報道されています。

トランプ大統領の北朝鮮に対する攻撃的な発言が多く、今にも軍事的行動に発展するのではないかと報じられています。

しかし、アメリカが北朝鮮に対する軍事行動に出るのは、ICBMがアメリカ本土に向けられたと認識した場合に限られています。

実は、トランプ大統領の真意は北朝鮮への圧力の強化ではありません。
真の目的はアメリカによる中国封じ込めと中国弱体化にあります。


中国の目に余る行為の一つに海洋進出があります。

中国は、東シナ海、南シナ海を支配するだけでなく、「海のシルクロード」名目で、パキスタン、スリランカの港を支配下に置いています。
さらに軍事面では、米豪の合同軍事演習を情報収集艦で監視したり、南シナ海では米海軍の航行に対し挑発しています。
また、日本に対しては津軽海峡周辺、鹿児島県の佐多岬沖での領海侵犯を繰り返しています。


さらに、トランプ大統領は対中貿易での巨額赤字に不満を募らせています。

人民元の対ドルレート操作、知的財産権の侵害、企業の中国進出時の強制的な技術移転などの不公正行為に懸念を抱いています。
そのため中国製品に関税を課す通商法301条などの制裁措置が検討されています。


アメリカは中国に対し、本格的な圧力行使のため北朝鮮をダシに使おうとしているのです。

中国は国連安保理などで北朝鮮への経済制裁に同意したものの、今までと同様、実質的な制裁には踏み切っていません。

そうした中国の態度に対しトランプ大統領は、「約束を守らない中国」と決めつけています。


また、仮に中国が北朝鮮への実質的な制裁を実行した場合、それを口実に北朝鮮のミサイルは中国に向けられます。
アメリカが中国に対して軍事行動をとるまでもなく、中国にミサイルが撃ち込まれます。
アメリカにとっては都合のよい結果になります。

したがって、国際社会の北朝鮮制裁に最も恐怖を感じているのは他ならぬ中国なのです。

電話会談で習主席がトランプ大統領に「緊張を高めないよう米朝双方に自制を求める」と言ったのは、中国がかなり追い詰められていることの証左です。

トランプ大統領一流の戦略かもしれません。





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