赤峰和彦の 『 日本と国際社会の真相 』

すでに生起して戻ることのできない変化、重大な影響力をもつ変化でありながら一般には認識されていない変化について分析します。

④トランプ大統領就任演説——アメリカ黄金時代の宣言

2025-02-04 00:00:00 | 政治見解
④トランプ大統領就任演説——アメリカ黄金時代の宣言



引き続き、トランプ大統領の就任演説の内容について、国際政治学者の解説を、許可を得てお伝えします。


バイデン恩赦はどうなる?

バイデンが政権末期に乱発した恩赦を大統領令でやったわけです。このバイデン恩赦はどうなるのでしょうか。

私は反転の可能性が十分あると思います。これは法学者に聞いても、今まで起きた犯罪において罪が確定して牢屋に入っている人の30年の罪を10年に減刑するとか、牢屋に入っていたところを出してあげるとか、あるいは今、起訴されて裁判進行中だけど、これについて恩赦するから裁判無効になるこういうことをバイデンは自分の息子のハンター・バイデンに対してやりました。

しかし、未だに起訴もされていないし、判決も確定していない可能性のある罪に関して恩赦をすることは許されるのでしょうか。

おそらくトランプ政権としては、こういった人間を再度起訴させて最終的な判断は連邦最高裁に委ねるということになるのではないかなと思います。



もう一つのやり方は、例えば、アンソニー・ファウチが何をやったかということに関しても、ハンターバイデンが何をやったかということに関しても問わないといけません。あるいはバイデン前大統領、ビル・クリントン、ヒラリー・クリントン国務長官に関して刑法上の罪は問えなくても、何をやったのかという事実が明らかになれば、事実上の懲罰になるのです。

社会的制裁は受けるし、そういったことは二度とできなくなります。彼らの名誉は大いに傷つけられるのです。まさに偽の名誉が奪われるわけです。そして、彼らが実は犯罪行為をやっていたということが明らかになります。これだけでも社会的効果は大きいでしょう。

例えば、オバマはトランプに政権を渡す直前でロシアゲート事件のような政治スキャンダルを仕掛けて、トランプを失脚させてやろうという違法な指令を大統領として出していました。そういったことが白日のもとに曝されたら、オバマが如何に悪い大統領であったかと国民が認識し、それが歴史に残るので、それは十分に懲罰したことになると思います。

あるいは刑事上の起訴ができなくても、民事の裁判で経済的な制裁とかやるべきではないでしょうか。もちろん経済的なダメージを受けた人も多いので、そういうことを要求できるかもしれません。

それから、トランプ政権の関係者で議会証言を拒否したら投獄されている人たちがいました。スティーブン・バノンもそうですが、彼は1月6日事件に関係しています。そして、大統領の顧問補佐官をやっていた学者のピーター・ナヴァロも不正選挙に関するレポートを書いていたのですが、その罪を問われて議会に来てもそのことを証言しませんでした。

それで4ヶ月間くらいですか収監されていたのです。例えば、ヒラリー・クリントンやオバマに対して「議会に来て証言しなさい。正式の決議を議会がするから令状を出す」と言っても来なかったら議会証言を拒否したので議会侮辱罪となって「牢屋に入りなさい」というのは前例があるのです。トランプ政権で被害者が出ているわけですから、そういうことも可能になるかもしれません。このバイデン恩赦というものは覆せる可能性があると思います。


石破あい変わらずの反米反日外交

最後になりますが、石破外交は相変わらずの反米・反日外交です。トランプ政権がアンチグローバリズムでチャンスを与えてくれているのに、日本もグローバリズムに国家が破壊されつつある、あるいは日本社会を破壊されつつあります。それに対して大変いい反撃の機会を与えてくれているトランプ政権と一緒に手を取って戦うのではなく、トランプ政権と戦おうと言っているわけです。反米外交=反日外交とも捉えられます。

国益を毀損すること甚だしいことを相変わらず続けているということです。岩屋の姿も会場に映っていましたが、おそらく通訳がなかったので何を言っているかほとんどわからなかったのでしょう。

その後の記者会見でも、通り一遍のことしか言っていません。また一緒に行った国会議員が非常に絶望的なことをやっていました。その方は反トランプで有名なハドソン研究所に出かけたり、反トランプ系の人間と会ったりしていたのです。

そのような人間であれば送らなければ良かったと思います。相変わらず石破政権は呆けているというより、意図的に反トランプの行動をとっていると私は感じるのです。日本の国益は就任式において甚だしく傷つけられたと思います。


まとめ

全体として、これからのアメリカの政治も経済も先行きは明るいと思わせるトランプの就任式でした。その前後のイベントでしたが、これから私が願っているのは4年間トランプが無事にやってくれということです。あの人が100%やりたいことができるわけでもないでしょう。そして、彼の非常に静かな怒りを抑えた就任演説だったと言いましたが、それもそういうことなのです。

これから戦いが始まるわけですから、今まさに始まったばかりだと思ってください。選挙は戦いの終わりではありません。選挙は戦いの始まりです。「戦いの始まりを告げるトランプの静かなる怒り」という点で選挙に勝つ理由として、選挙に勝って有利なポジションを占めることによって戦いが有利に進められるからです。

これから有効な法律を通して、バイデン政権の4年間諸々の巨悪を一掃しなければなりません。それはトランプの1期4年間では足りないかもしれないくらいのものです。だから、初日から100本ほどの大統領令にサインしているのでしょう。

これを戦いで言えば、選挙で勝ったというのは丘の上など高い戦略的な用地を取ったということです。本当の戦いは、これから始まります。そして、民主党だけではなく、共和党内のRepublican In Name Only(RINO)の議員たちとも戦っていかなければいけません。



大統領就任式にもジェフ・ベゾスも来ていたし、マーク・ザッカーバーグも来ていましたが、彼らが本当に心からトランプと意見を逸にしてきているわけではないと思うのです。トランプが勝ったので、とりあえず今この流れに乗っておかないといけないということで、彼らがトランプを弾圧していた反トランプだった今までの過去を悔いて、善なる勢力になったわけではないと思います。彼らとすれば、やむを得ず妥協して歩んできているのです。イーロン・マスクとは立場が全く違います。

そういった底意地の悪い人たちに少しでも油断したら、トランプがやろうとするMAGA運動を覆そうとしている人たちがいます。でも今はとりあえず、インサイダーになっている人たちもいるのです。しかし、そういう人たちとも戦わなければいけません。その戦いは油断ができないのです。外側にいる敵だけではなく、内側にも敵がいるので、それらとの戦いを進めていかなければいけません。これは容易ならざる4年間になると思います。その決意がトランプの顔によく現れていました。彼の就任演説にもよく表れていたと思います。

しかし、大きな流れはアメリカによって非常に明るくなったということです。そして、世界にとってもアメリカが自由と民主政治とアンチグローバリズムの方に方向転換したことは、明るい光が差してきたと感じました。

アメリカの選挙について私がここまで深く研究したり、皆さんにお話をしたりしているかと言うと、それはイコール日本の運命でもあるからです。日本だけでなく世界の運命に大きな影響を与えるのがアメリカの大統領選挙であり、アメリカの動向だと思って見ていってください。良きも悪しきもアメリカは世界帝国です。そういった意味でも、前向きな良い就任式がアメリカで行なわれました。


③トランプ大統領就任演説——1月20日は米国民解放の日

2025-02-03 00:00:00 | 政治見解
③トランプ大統領就任演説
——1月20日は米国民解放の日



一昨日、昨日に引き続き、トランプ大統領の就任演説の内容について、国際政治学者の解説を、許可を得てお伝えします。


キリスト教+ユダヤ教的伝統の復活

大統領就任式の前後にキリスト教徒の各派とユダヤ教のお坊さんが出てきて、祈りを捧げられました。

そこで、キリスト教+ユダヤ教的伝統の復活重視ということが行なわれたと思います。プロテスタントの普通の牧師さんの他にカトリックの方、ユダヤ教の方とプロテスタントでも黒人教会の方は非常にエモーショナルなお祈りをするのです。アメリカで言うところの「Judeo-Christian traditional(ユダヤ教的・キリスト教的伝統)」の重視というものを前面に打ち出したと思います。

就任式に向かっていろいろな儀式があったのですが、特に私が印象深かったのは就任式前日のアーリントン墓地への献花式です。アーリントン墓地というのは国に命を捧げて亡くなった方たちが眠る場所ですから、そこに時間をかけて丁重なお参りもして献花式を行いました。

この時期のワシントンは非常に寒いですから、室内に会場を移したくらいです。そこで78歳の新大統領トランプはその寒さにもめげず、この献花式に臨んだのですが非常に荘重な雰囲気のある献花式でした。その辺りに2期目の政権に向かうトランプの決意が非常によく表れていたと思います。また、そこに古き良きアメリカの伝統の復活というものを見ることができました。



近代文明を救ったTrump2024の勝利

これは先ほど言ったマスクの言葉に戻りますけど、これは決して大袈裟ではありません。近代文明を救ったトランプ2024年の勝利だったと思います。

そして、Woke主義【※1】と言われるLGBTQや逆人種差別、CO2カルトといった全体主義からの解放がようやくできて、言論の自由が戻ってきました。

【※1】Woke主義:「Woke」は英語の「Wake(目を覚ます)」の過去分詞形で、人種やジェンダー問題など、さまざまな社会問題に強い関心を持ち、理解を示し、行動を起こす人のことを表します。Woke主義は、欧米を中心に使われており、リベラルな思考を持つ人を中心に支持されています。

はっきり言うと、グローバリズム全体主義が否定されて自由なアメリカが戻ってきたのです。それは要するに自由な世界が戻ってきたと言い換えてもいいと思います。

仮にトランプが2024年11月5日に負けていたらどうなったと思いますか?これは散々お話したことではありますが、まずは言論の自由がインターネット上もその他の部分でも厳しく制限したでしょう。

そして、ゲシュタポ政治の到来です。2020年に大統領選挙不正があったとか、あるいは2024年もあったと言うだけで逮捕されてしまいます。そして、インターネットも利用できなくなってしまうでしょう。インターネットも既存のメディアも政府の方針に従った言論しか出てこないという暗黒時代が訪れるのです。

ただし、世界で言論の自由を一番重んじる、あるいは自由という価値観を一番重んじているはずのアメリカが自由を否定してしまったら、自由のある場所が文明国になくなります。日本も「右へ習え」状態となるでしょう。実際に今の日本のマスコミはそのようになっているわけです。

そして、イーロン・マスクのXも取り上げられて、そこでも言論統制を行なわれる検閲社会が強まります。そしたら、個人の自由・人権や言論の自由を基盤に成立している近代のデモクラシーが全面的に否定されてしまうのです。

選挙をやっていても、言論統制された元での選挙であればデモクラシーとは言えません。そういう恐ろしい統制主義の時代が来ていたでしょう。アメリカで自由とデモクラシーが死んでしまえば大変なことになります。

既にヨーロッパでは死んでいるのです。そして、日本でも死に絶えてしまうでしょう。あと残っている大国はロシアやチャイナなどです。発展途上国のデモクラシーなどは非常に弱々しいものであって、そこに断固たる自由の原則に基づくデモクラシーは存在していません。



アメリカの言論の自由が死に絶えてしまったら、世界の言論の自由が死に絶えると言って良いでしょう。そうなると我々が信じているような近代の社会・文明は死に絶えてしまうわけです。それをギリギリのところで守ってくれました。これが2024年のアメリカ大統領選挙だったと思います。

これを歴史上で見ていくと、これからの100年後、200年後も歴史家は、そのように2024年のアメリカ大統領選挙を振り返るでしょう。100年後、200年後の歴史家は、必ずそういうことを書くはずです。それが100年後、200年後の常識になっていると思います。

我々は大変な歴史的瞬間に遭遇したということは十分過ぎるくらい心に刻んでおいてください。それとWokeと言われるLGBTQ、CO2カルトのカーボンニュートラルなどが、ヨーロッパは全体主義ですから生きています。それがグローバリズムというカルトであり、グローバリズムという全体主義です。これに支配されています。今の石破政権も日本の大手財界も全く同様です。

続く


②トランプ大統領就任演説——政策重視の就任演説は異例

2025-02-02 00:00:00 | 政治見解
②トランプ大統領就任演説
——政策重視の就任演説は異例



昨日に引き続き、トランプ大統領の就任演説の内容について、国際政治学者の解説を、許可を得てお伝えします。


トランプの就任式は議会の中でやりました。議会の中の円形ホールがあるのです。私も見学で行ったときにそこを見ましたが、アメリカの議会中央に塔があるのですが、その真下に円形のホールがあります。



そこまで人数が入れるような大きなところではありません。1985年にレーガンが第2期目の就任式をそこでやっているのですが、史上2回目の円形ホールにおける就任式でした。あそこに入ったとしても、詰め込んで数百人という感じだったのではないでしょうか。

私もライブ中継で見ていましたが、そのあとにトランプは下の階でトランプ支持者だけが集まっているところへ行って、また演説をやっています。

その後、2万人収容できる大アリーナにMAGA運動【※1】をやっている熱狂者たちが集まっていたのですが、そこに行っても演説していました。その2万人集めたアリーナでも何本か大統領令にサインして、サインをした万年筆を来ている聴衆にプレゼントして、そういうパフォーマンスもやっていたのです。これはサインを見せるという大変いいパフォーマンスだったと思います。

【※1】MAGA運動:Make America Great Again(アメリカ合衆国を再び偉大な国にする)は、アメリカの政治において用いられる選挙スローガン。1980年の大統領選挙においてロナルド・レーガンが使用したのが最初で、近年では、2016年の大統領選挙と2020年の大統領選挙、および2024年の大統領選挙においてドナルド・トランプが使用した。近年は単なる選挙スローガンを越え、広くトランプを支持する勢力や人々を「MAGA」と呼ぶことがある。

大統領就任式は公式のものですから、トランプが「こういう政策をやる」と言ったら、嫌な顔をして聞いている民主党の政治家もいるわけです。

一番はバイデン前大統領であり、ハリス前副大統領でしょう。まさに苦虫を噛み潰したような顔をしていましたが、直前の大統領ですから近くで座っていました。それと、クリントン元大統領、オバマ元大統領とブッシュJr.も来ていたのです。ブッシュJr.も共和党だけど、トランプとはだいぶ考え方が違うので、あまり面白くなかったのではないかと思います。

私の気付いたところで、ビル・クリントンの素行がおかしかったのです。彼もトランプの近いところに座っていたので、トランプを撮っているカメラにはビルクリントンも視野に入るような形で映っていました。そのビルクリントンが口を開けている時間が多かった気がします。だから、呆け始めているのかもしれません。

また、座っている席付近をキョロキョロと見回していたので、呆け症状が出ているのではないでしょうか。当日のバイデンは就任式の途中で前大統領に変わったわけですが、彼は変な素行で徘徊することなく一応ちゃんと座っていたので、お薬が効いていたのかなという感じです。

まだ呆けていないオバマがやったことやバイデンが政権時代にやったことを全て覆すようなことを言ったので、彼らは内心腑煮えくり返るような気持ちで見ていたのでしょう。

トランプはそれを承知で堂々と、そういうことを言いました。そして、支持者だけが集まっている就任式のあとの会場が、ちょうどその下の階だったと思いますが、そこへ行ったときは「これでも今日は抑えて演説した」と言っていましたが、奥さんや副大統領からは「もう少し柔らかく話してください」と言われていました。だいぶ抑えて、あの程度であるということをトランプは冗談めかして言っていたのです。


矢継ぎ早の大統領令ということですが、ホワイトハウスのホームページで私が確認したところは46本まで確認できました。初日に100本やっても足りないから200本出すと言っていたので、本当はもっとやったのでしょう。100本は完全にやったのではないかと思いますが、ホワイトハウスのホームページを見ますと、どういう大統領令が出たのかという一覧表が出ています。私が確かめられたのは、リサーチしている時間ギリギリのところまでで46本確認しました。

その中でも代表的なこととして、2020年の大統領選挙のときにハンター・バイデンのラップトップパソコンが出てきて、彼の悪事が露呈しましたが「あれはロシアの工作である」と言った51人の元諜報機関の幹部並びにトップたちがいました。この51人に関して、セキュリティクリアランスを全部凍結したそうです。

今後重要な情報は見られないようにしたということは、当然の対応でしょう。このうちの何人かは起訴しないといけないような人たちです。

それから痛快なことですが、パリ協定を離脱しました。これは大事なところです。それとWHO(世界保健機構)も離脱します。WHOも武漢コロナのときに酷かったのですが、まさにチャイナの子分のようなことをやっていました。

それと面白かったのは、TikTokが事業継続になる可能性があることです。1月19日にアメリカの企業に売っていなければTikTokの利用禁止となるはずだったのですが、TikTok事業継続に75日間猶予を与えると言いました。要するに、この75日の間にアメリカの企業が株の半分を買えば、今後とも利用できるようになります。

TikTokはトランプも相当利用していたのです。TikTokを禁止にするとFacebookの独占場になってしまうので、良くないと思うバランス感覚もありました。TikTokの親会社がチャイナで危ないということはトランプ政権自身が警告したことです。

だけどプラスマイナス両方あるということで、これはチャイナとの様々な交渉材料となることも考えて、あえてこういうことをしたのではないかと思います。大統領選挙のときも上手くトランプはTikTokを使っていました。これは習近平の方から見ても、この話を取引材料に使おうとしているのではないでしょうか。

元々チャイナの企業ですから「トランプをBANして出させるな」と言ったらTikTokが利用できなくなってしまいます。しかし、TikTokはBANしなかったわけですから、これは今後の米中の軍事・経済両方でタフなネゴシエーションが始まりますけど、そのときの交渉材料にしようと両方で思っているのかもしれません。それで、こういうことをやったのではないかなと思います。

トランプ政権は1期目からかなり発動されているということもあるのですが、チャイナに対する高関税は2期目の初日で発動しませんでした。

メキシコとカナダに関して2月1日から25%の関税を発動する可能性を示唆しています。チャイナから既に関税で何億ドルもの収入があると言っていました。初日に出さなかったというところは面白いことです。

以前、申し上げたフェンタニル問題で進展があります。フェンタニルの原材料輸出をチャイナが抑え始めたのではないかという情報がありました。それが本当なら、この辺りを上手く協力させるということで、すぐに居丈高な態度は取らないでしょう。これも交渉材料にしていこうということなのではないかと思います。

それから非常に大事なことですが「2021年1月6日事件」で無実の人たちが牢屋に入れられています。その無実の1500人を恩赦するという大統領令にサインしましいた。その他いろいろ私の確かめたところで46本ということですが、おそらく100本は約束通りトランプはサインしたと思います。いろいろなニュースソースを見ても、何本の大統領にサインしたのかというのは、残念ながら確かめることはできませんでした。

特に2万人集まったビッグアリーナの大集会は、すごい盛り上がりでMAGA支持者は熱狂していました。ようやく「これでアメリカは自由な国に戻った。元のまともな国に戻った。常識の通じるアメリカに戻った」という安堵感と喜びが爆発したような会場だったと思います。



短いですがイーロン・マスクの演説が非常に印象的でした。彼は子供のように、はしゃいでいた印象です。戦いに勝つというのはこういうことだと言って、すごく嬉しそうでした。これで秘密警察政治と言いますか、ゲシュタポ政治から解放されるということです。

これは私も同感なのですが、まさに近代文明であり彼らから言えば「西洋文明(Western Civilization)を今度の選挙は守った」と言っていました。私もその通りだと思います。そして、マスクは「皆さん、これからアメリカの星条旗を火星に立てるのです」と言って非常に興奮していた印象です。それと誰にでも夢と希望を与えるようなことをやらないといけないということを強調していました。彼の演説も非常に演説だったと思います。

続く


① トランプ大統領就任演説——戦いの始まり告げるトランプの静かなる怒り

2025-02-01 00:00:00 | 政治見解
① トランプ大統領就任演説
——戦いの始まり告げるトランプの静かなる怒り



トランプ大統領就任に関していろいろなイベントがありましたが、一番大事なのは大統領の就任演説(Inauguration speech)です。

ここでトランプ大統領が非常に静かな演説をしました。これは迫力がないというより、むしろその雰囲気による迫力があったと思います。戦いの始まりを告げるトランプの静かなる怒りを感じました。この4年間でバイデン&ハリス政権がアメリカを破壊したから、それをこれから全て覆してアメリカを再建するという想いを感じました。

同時に、前政権の悪政に対する怒りをたぎらせても、表に出すことなく静かに抑えつつ、非常に迫力のある演説だったと思います。

この演説の詳細について、国際政治学者は以下の様に解説しています。許可を頂いて掲載します。


演説の概要

政策重視の演説でした。就任式の演説としては異例だったと思います。就任式のおめでたい演説でアメリカの伝統の素晴らしさを讃えたり、アメリカンデモクラシーの勝利であったり、これは1党派の共和党や民主党という勝利ではありません。そういう言葉を繰り返すのが普通の就任演説です。ある意味、美辞麗句で片付けるというのが、型通りとなりますけど、そういう雰囲気ではありませんでした。

これからこういう政策をやるということが、トランプによって事細かに語られたのです。選挙演説を930回もやったのち、前回の2021年1月20日にホワイトハウスを追われてから4年間繰り返してきた彼の様々なメッセージを総ざらいするような形で就任演説が行なわれました。



冒頭で「アメリカの黄金時代が今ここから始まります」と言ったあと、司法の武器化を終わらせると強調しました。トランプも散々やられたのですが、こういったことを二度と起こさせないと決意したのです。

そのあとに「2025年1月20日は解放の日である」と言っています。その後、マーティン・ルーサー・キングを称える言葉が出てきました。個人の名前で出てきたのはマーティン・ルーサー・キングと25代大統領のウィリアム・マッキンリーの名前くらいだったと思います。それで政策的には一番目として南部国境に国家非常事態を宣言すると言ったのです。

全ての内閣メンバーに対しては「インフレを打破するために全力を尽くせ」という大統領令を出すということで、各省の長官とも権限があるから、それを使ってインフレを打破するように伝えました。

それから国家エネルギー非常事態を宣言するということです。石油と天然ガスを掘りまくって、アメリカに天から与えられた資源をフル活用しようではないかと言っています。

それと当然のことながら、グリーン・ニューディールは終了ということです。電気自動車の義務付けを撤廃して自動車産業を救うと言いました。非常にはっきりしています。

さらに、外国からの輸入品に関税を益々かけて、アメリカの労働者を守ると言ったのです。それから政府効率化省を設立して効率化を図ると言っています。また、政府による検閲を停止し、言論の自由を重視すると言いました。アメリカでの自由な言論を取り戻す大統領令に署名しています。そして、政治的対立者を迫害するための司法の武器化を二度とやらせないと言いました。

次に当然ですが、法と秩序を取り戻すとも言っています。それから、政府が人種と性別を社会や個人生活の全ての面で無理に組み込もうとする政策を終わらせると言ったのです。いわゆる「DEI:Diversity(多様性)、Equity(公平性)、Inclusion(包括性)」と言われる逆人種差別主義をやめさせると言いました。



それから、性には男性と女性の二つの性別だけしか存在しないということを政府の公式な方針として明らかにしています。また、COVID-19(武漢コロナウイルス)のワクチンの接種に反対して、無理やり軍隊から追放された人たちがいるのです。その人たちに全額の給与を支給して復職させます。そして、世界最強の軍を再度作ると言いました。

しかし、我々の使命として、私達の成功は勝った戦いだけでなく終わった戦争と最も重要なこととして戦争を避けたことによって図られることになるでしょうと言ったのです。戦争を終わらせ、戦争を避けることによって平和を築くというのが方針であると言っています。バイデン政権の真逆のことを堂々と言ったわけです。

次にメキシコ湾(Gulf of Mexico)というテキサスの前にある海を「アメリカ湾に改名する」と言いました。これはアメリカの地図で改名することは簡単でしょう。メキシコ人は相変わらず、メキシコ湾と呼ぶと思います。ウィリアム・マッキンリーという大統領の名前を取った「マッキンリー山」という山があったのですが、これをオバマが名前を「デナリ」に変えていたのです。確かマッキンリー山は北米大陸で一番高い山だったと思いますけど、その名前をマッキンリーに戻すと言いました。

それから次は大事ですけど、パナマ運河を取り戻すと宣言しています。パナマ運河はアメリカが資金を出して3万8000人以上の命の犠牲の上にできました。これをパナマにあげたのですが、そのパナマが管理権をいつの間にかチャイナに譲ってしまっていたのです。チャイナに譲渡した覚えはないので、それを取り戻すということになっています。

演説の中で「最も重要なのはチャイナがパナマ運河を運営しているという事実です。私達はそれをチャイナに与えたのではなくパナマに与えました。約束を破ったから返してもらいます」と言っているのです。

最もこれらの発言以外のところでトランプは「アメリカの船舶に対する通過料金がパナマは高すぎる」と言っていました。この運河の運営を任されている会社が香港のハチソン・ワンポアという会社だったと思います。

そこは基本的にチャイナの会社ですから、それが困るということです。パナマ共和国からアメリカがパナマ運河を再度力で取り戻すということより、この運河の管理会社がアメリカの会社に代われば良いのです。そこが眼目なのではないでしょうか。

そうすると、パナマ運河を警備していると称するチャイナの兵隊も当然追い出せると思います。それと併せて、おそらくパナマで非常に汚い『パナマ文書』も出ましたがタックスヘイブンですから、それを潰して整理するということがトランプの本音だと思うのです。

次の約束はアメリカに蔓延している慢性疾患を終わらせると言っています。子供たちの安全と健康を守り、病気から解放すると言っていました。これはケネディJr.の考え方も活かされていると思います。

それと「アメリカの宇宙飛行士を火星に送り込みます」と言っているのです。そして、星条旗を火星に立てると言っています。これを言ったときにイーロン・マスクが大喜びしていたシーンは、非常に印象的でした。大統領令で具体的にやることを列挙していったということです。

トランプは続けて「私達の力は全ての戦争を止め、怒りと暴力など予測できない世界に新たな団結の精神をもたらすでしょう」と述べています。平和に重点を置いた演説でもあったと思います。

続く