日が傾き始めイエロー系からマゼンダに色が変わり始めると、あちらこちらからシャッター音が聞こえてくる。
この日は、7時が日没だったので30分ほど前から退屈はしなくなる。
毎年ここに来るとおばあちゃんが饅頭を売っている。見かけると饅頭を買うようにしている。
ヨモギ饅頭とサツマイモの角切りが入った饅頭が5個入って400円だ。
ひとつくださいというと、売れてしまったので店まで行ってとってくるといわれた。
一緒に店まで歩きながら、売れましたかと聞くとおかげさまでと嬉しそうな返事が帰ってきた。
暫らく夕日のことや田植えの話をしていると、日がだんだんと傾いてくる。
糖質は控えているのだが、この日ばかりはこの饅頭が夜のお腹を満たしていた。
残念ながら今年も水平線の上に漂うチリの中に夕日は吸い込まれていった。