貼り付けた動画には、1992年にブラジルのリオデジャネイロで行われた地球サミットにおけるセヴァン・スズキ氏のスピーチが収録されています。英語が分からなくても日本語訳の字幕があるから内容を理解できます。
セヴァン・スズキ氏は、地球の環境問題及び世界における貧富の深刻な格差に告発しています。
地球環境問題についてセヴァン・スズキ氏は、絶滅した動物を生きかえらせる方法、死んだ川に鮭を戻す方法など、壊してしまった、壊れてしまったものを元に戻す方法が誰も知らないことを大人たちに突きつけています。私は、セヴァン・スズキ氏のが地球環境問題についてスピーチしているのを聴いている時に福島第1原発事故を思い起こしました。2011年3月11日に東日本大震災を引き金にして福島第1原発で過酷事故が発生しました。放射性物質が広範囲に飛散して日本の東半分は、様々な所にホットスポットがあるように放射性物質で汚染されました。福島第1原発事故そのものの収束の目処が立っていないだけではなくて放射能汚染を取り除く術が私たちにはありません。こんなことは、みんな分かっているはずです。それなのに日本国の政権勢力は原発再稼働と原発の海外輸出に固執している有り様です。自公・安倍政権は、12歳の子どもの分かることすら分かっていないかのような様相を呈しています。
世界における貧富の格差の問題についてセヴァン・スズキ氏は、北半球に集中して存在する先進国の大量の浪費の問題を告発しています。生まれ育った所によって人生が大きく違ってしまうことをセヴァン・スズキ氏は大人たちに突きつけています。セヴァン・スズキ氏はブラジルのストリートチルドレンが自分たちに言っていたことにショックを受けたと述べています。そのストリートチルドレンは、もし自分が金持ちだったら家のない子ども全てに食べ物、着るもの、薬と住む場所と優しさと愛情をあげるのに、と言っていたのです。世界における貧困と格差の問題はもとより、日本国内だけを見ても社会において分かち合うことが置き去りにされています。自公・安倍政権は、消費税という低所得者ほど重くのしかかる税負担を増やす一方で株式投機による利益や法人税の実効税率を低く抑えたままにして金持ちによる富の「独り占め」を助長してばかりいます。そればかりか、自公・安倍政権は解釈改憲というクーデター的手法で集団的自衛権行使によってアメリカとともに世界の何処へでも戦争に首を突っ込むことばかり考えています。
セヴァン・スズキ氏は、戦争に使われるお金を環境問題の解決と貧困問題解決のために使うようになれば、地球が素晴らしい星になると明確に大人たちに訴えています。本人が意識しているかどうか、私には分かりませんが、セヴァン・スズキ氏が地球サミットで言っていたことは、資本主義社会の本質的矛盾と限界の問題です。資本主義社会は、環境問題や地球規模の貧困と格差の問題を解決する能力を有していません。子どもでも分かるような問題を解決する能力を資本主義社会は持っていません。
子どもでも分かることすら資本主義社会に解決できないのであれば、もはや資本主義社会は消費期限切れであり、このような社会のあり方から離脱することを私たちは模索して展望するべき時を迎えています。