8月10日には、「平井小松川9条の会」の例会がありました。今回は、貧困の問題をテーマに取り上げました。貧困の問題を取り上げる際には、生活保護法を始めとして各種社会保障制度のことが問題になります。
貧困には絶対的貧困と相対的貧困とがあります。絶対的貧困とは、例えば1日を1ドル以下で暮らしている、食うや食わずの状況だと考えて良いでしょう。相対的貧困とは、それぞれの国、社会において正常な社会生活を営む前提を欠いている状況だと考えられます。お金のことで言うと、勤労者の所得の中央値の50%から60%に満たないと貧困と考えられます。この場合の貧困は、相対的貧困です。
日本では、貧困と言っても一番問題にしなければいけないのは、相対的貧困の問題です。日本国憲法第25条では国民に対して健康で文化的な最低限度の生活を営む権利があるという旨が明記されています。注意深く条文を読んで欲しいところですが、日本国憲法は、国民が死ななければ良いという事ではなくて人間というに値する健康的で文化的な生活を国民に保障することを政府に義務付けています。ここは、よく理解しておくべきところです。健康で文化的ということが多くの人々の理解されていないために、例えば生活保護世帯の人がたまに喫茶店でコーヒーを一杯飲もうものならば、なんで生活保護を受けているのに喫茶店に行くようなお金がとかいうおかしな話が出てくるわけです。日本を始めとして発達した資本主義国における社会保障・福祉制度は、餓死するとかしないというレベルではなくて国民が正常な社会生活を営めない状況に陥らないように制度設計がされているのが建前です。人民を餓死させるのは論外としても(相対的)貧困に陥らないようにするために生活保護法をはじめとして社会保障制度が設計されていて万が一(相対的)貧困に陥っても国家には、人民に健康で文化的な最低限度の生活を保障する義務があるわけです(餓死させなければ、それで良いというのではありません)。
各地域の9条の会は、日本国憲法第9条を擁護する一致点で成り立っており、「平井小松川9条の会」も同様です。それでも、平和的に暮らすという観点から考えると日本国憲法第9条と並んで日本国憲法第25条が大切な意義を持ちます。特に、平井地域は江戸川区の中でも低所得者が多いと聴いております。また、葛西地域などと比較すると平井地域においては、住民のなかの高齢者の比率が高めです。地域の実態をふまえると日本国憲法第9条を一致点としつつも日本国憲法第25条が活動の中で位置づけられていき、それで「平井小松川9条の会」の例会で日本国憲法第25条を基底にして生活保護法、その他社会保障制度が重要な意義付けをもってとりあげられていきます。
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