NPO法人もやいの代表である稲葉剛氏が会見で新型自己責任論あるいは日本型自己責任論が生じつつあることを指摘しています。
芸人の母親の生活保護受給を口実にして自民党筋から生活保護を受給する際に親族照会を自治体に義務付けたり、親族による扶養を生活保護受給要件にしようという動きが出ています。これはとんでもないことです。現在でさえ、生活保護申請窓口の地方自治体の親族照会が行われており、これが生活困窮者の生活保護申請をためらわせる原因になっています。こうして生活保護を必要な人々に生活保護が行き渡らずに餓死や孤立死が絶えなくなっていくのです。もし、生活保護を受給する要件に親族照会と扶養が生活保護法に盛り込まれれば今以上に餓死や孤立死が増加するとしか私には思えません。また、成人した親族どうしの扶養を生活保護要件とすれば共倒れが増えるだけです。
現在では、例え親子といえども子どもが成人すればそれぞれ別個の生計を営むようになることは普通のことです。 であれば、親族照会して扶養を強要したり法的に義務化するのではなく、まずはそれぞれが別個の生計を営む単位であることを尊重して生活保護に関しては申請者本人の資産や収入状況を基準にしていくのが道理です。
自民党筋などから出ている家族で支え合え式の論理は、貧困問題を本人と家族に押し付けて一方で政府は憲法第25条に基づく生存権保障の責任を放棄する棄民政治の発想です。
誰だって事故や病気にでくわすなど自分と親族だけではどうにもならない事態に遭遇するかもしれせん。「明日は我が身」です。 生活保護叩きは死の容認であり許せないことです。私達には日本型自己責任論を打破することが求められています。
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