明治の文豪の↓
これじゃないよね?
図書館で手に取ってしばらく悩んだ。
「ト」も「ノ」ほぼ同じに読みとってしまう。
私は字を読んでいるのでなく字と言うイメージを見てしまうタイプ。
字の読み違いがすごく多い。
内田百聞のと一瞬おなじ題名かと思ってしまった。
南木 佳士もまた猫派だったと喜ばしい。
本当の猫派は偶然に遭遇した猫に心奪われてうかうか下僕になってしまう人だと思う。
トラも飼いたくないけど哀れで餌をやり
家に絶対に入れないつもりが寒さで外はかわいそうと家に入れ
どっかとトラは家になくてはならない存在になってしまった。
『他生の縁』からはじまっている。
トラも15歳で腎不全で昇天する。
子供の頃から老年まで猫の行動にうんうんと頷きながら読みすすんだ。
うつ病で希死願望に見舞われながらの猫の一生を綴る作家の目は深い。
一番身近な夫を亡くし、この冬夫の後8年生た捨て猫を見送り
何の因果かまた捨て子猫を拾ってし…
↓おバカなわが半生も無常の流れのほんの瞬き程度だと、胸に沁みた一節。
永遠の不在は、遺された者の内に不在というかたちで残る。
そして、それも
遺された者の永遠の不在の不在によって消滅する。
図書館の返さなくてはいけない本だけど、手元に持っておきたい気分。