花筏 谷崎潤一郎・松子 たゆたう記 | |
クリエーター情報なし | |
講談社 |
副題に『谷崎潤一郎・松子 たゆたう記』とある。
どちらも妻夫がありながら、松子は子まで捨てての戦前の同棲。
老舗の御寮さんから男と女の緊張感を持たせたいからと籍も入れずの不安生活。
下世話に言えば、先生の芸術の陰に女の涙あり?
四季折々の日本の錦絵や女性の衣装の美しさも充分に堪能させ、
きらびやかな内にあるアンニュイ、不安焦燥、嫉妬心。
あの小説のあのシーンは?と妹にまで疑心暗鬼の日々。
文豪のモデルとも称される松子の心情を、どこまでが虚構でどこまでが真実か?
戦前、戦中、戦後と食べる事に汲々の庶民とは隔絶した世界にどっぷり浸からせてくれた。
あの性愛描写の小説は今の私にはちょっと胃にもたれ。
読み返す気は失せているけれど、
戦前から書き始めて、戦火をくぐったり病を押して口述で完成させ、
さらに書き直された苦労を知れば、
源氏物語の新々現代語訳は一読しておかないと、と言う気にはさせられた。
さて、端女は夢うつつから醒めて
洗濯物を取り込んで、夕餉のしたくなと始めましょ
明日は薄給のお勤めも待っている
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