刑事コロンボ完全捜査記録 (宝島社文庫) 価格:¥ 570(税込) 発売日:2008-09-03 |
前々回の記事に対するコメントで、シンさんはお気に入りエピソードとして、『別れのワイン』『忘れられたスター』をあげてらっしゃいました。
どちらも、私も好きなエピソードでした。謎の解明の過程はちょっと皮肉な面もあるのですが、ラストシーンは、犯人に対するコロンボさんの優しさがほの見えます。
正直、『忘れられたスター』のラストのもの悲しさは、少女の私にはちょっとショックだったのですけれど、コロンボさんのきわめて紳士的な対応に救われる思いでした。
(たぶんこの作品に影響を受けている三谷幸喜氏の『古畑任三郎』は、主人公が水際立った美男子なせいか、少々コロンボさんより冷酷な気がします)
でも、リアルタイム(とはいえ再放送だったよう。NHKの最初の放送のときは幼すぎるので)で観ていた小学校高学年のときは、マイベストは『構想の死角』でした。
『魔術師の幻想』も好きでした。ちょうどミステリに興味を持ちはじめた時期で、舞台設定などが気に入ったのでしょう。
子ども用にノベライズされたミステリ本をまず読み、(あかね書房?クリスティーの『ABC殺人事件』とクイーンの『エジプト十字架の秘密』が合本になった、ややゴーインなヤツとか)それからホームズやルパンものの文庫本に移ったりしていた時期でした。
そのミステリ初心者の女の子にとって、倒叙、最初から犯人が分かっている形式は目が覚めるように斬新で、驚きと面白さは今も心に残っています。
正直に言うと、小6のとき一度だけ見て大・大・大好きだった『構想の死角』を最近見て、ほんの少しがっかりしたのですが。(いや、あれは名作ですよ!でも、長い年月に私の中で大きくなりすぎ、子どもの頃の感激には追いつかなかった)
でも、もう一度思い返してみるとやはり傑作、という気がするし、コロンボさんのキャラクターも懐かしく、また観返したいシリーズなのでした。
(ちなみに、よくコロンボさんはレストランで「チリをくれ」と言って嫌がられているのが不思議でしたが、今から思うと、割烹料理店で「モツ煮をくれ」というようなものなんだな~と理解できるようになりました)