あめふり猫のつん読書日記

本と、猫と、ときどき料理。日々の楽しみ、のほほん日記

男の子たち。 その2

2009-11-10 22:45:16 | 日記・エッセイ・コラム

春夫詩抄 (岩波文庫) 春夫詩抄 (岩波文庫)
価格:¥ 798(税込)
発売日:1963-08
以前、私の非モテ自覚は小2の時だと書きました。

けれど、その自覚は逆説的ですが、あるほめ言葉(?)がきっかけになったものでした。

小2の時の担任のK先生が、ふと私に仰ったのです。

“〇〇さん(私の名前)の瞳は、マリア様の前で祈る乙女のように澄んで美しいね”

私はハッとしました。ロマンチックな、ちょっと変わった言い方だったので印象に残ったのだということもあります。けれど、ふたつのことがまず、頭の中をよぎりました。

ひとつは、これが自分が覚えている限りにおいて、人生初めての異性からの讃辞だということ。もうひとつは、でもたぶん、これからの人生において、自分が受け取れる讃辞は、そう多くはないだろうということ。

もちろんなにしろ8歳ですから、このようにはっきり言語化したわけではないですけれど、それに近いことを感じたのはたしかでした。

でも、先生は怪談の名手で、どちらかというと面白い先生でしたので、言われたことはちょっと意外でした。

ところが。その謎が少し解けた気がしたのは、中学生になった頃でした。

図書館で立ち読みした『佐藤春夫詩集』で、これは、というフレーズを見つけたのです。

  遠く離れてまた得難き人を思う日にありて

  われは心からなるまことの愛を学び得たり

  そは求むるところなき愛なり

  そは信ふかき少女子(おとめご)の願ふことなき日も

  聖母マリアの像の前に指を組む心なり

“あっ、先生はこの詩が、無意識に心の中にあったのではないか”と思ったのです。

そうして。K先生は担任当時53歳で、今から思うと大変失礼で申し訳ないのですが、8歳の私にとっては“おじいちゃん先生”という感じでした。

けれどその詩を見たとき、文学少年だったろう先生の姿が思い浮かび、ちょっとくすぐったい思いになったのを覚えています。

そうして、二十歳ごろ読んだ北杜夫氏(…だったと思う)のエッセイのなかに、先生の話してくれた怪談に触れた文があり、もともとは旧制中学で語り伝えられていたものだと知りました。

それで余計、先生の面影は少年に近いものになりました。

この頃では、先生の当時のお顔は次第におぼろげになり、そのうち、私の中で先生は詰襟の学生服と坊主頭の少年になってしまうかもしれない、と、ほんのりと可笑しくなることがあるのです。

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今日は、手抜き。

2009-11-10 19:28:52 | 日記・エッセイ・コラム

今日は、手抜き。

今日は休みだったので、夕食を作りましたが、少々手抜き

私、和食や中華はまだ全く自信が無く、『今日は頑張りたくないな~』というときには、たいていパスタでございます

しかもいつも明太子マヨネーズのパスタなので、今回は明太子バターにしましたが、全く絵がわりしない!

次回はもう少し頑張ります~

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お疲れさま。

2009-11-09 16:36:06 | 日記・エッセイ・コラム

お疲れさま。

かつてはよく履いていて、最近はとんとお呼びだしのなくなった靴を、処分することにしました

ゴブラン織り風サンダルと、パイソンのパンプス(パイソンなのにパステルカラーという、攻めなのかガーリッシュか判らない一足)は、お気に入りでした

そうでなくとも、私は物が捨てられないほうで、愛着もすぐに持ってしまうので、お別れを言わずして捨てられません。 ご苦労様、と声をかけて処分しました

でも、代わりに買い置き()の靴をおろして、それはちょっと嬉しい気分でした

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男の子たち。 その1

2009-11-08 00:53:41 | 日記・エッセイ・コラム

十何年ぶりかにナンパされました。

ただし、3歳の男の子に

私の職場は、不特定多数の方がいらっしゃいます。そして、もう昨日になってしまいましたが、お父さんに連れられたちいさな男の子が来ました。

3歳ということでしたが、なかなか熱心に色々質問してきます。(しかも、超難問!)

必死に答えていましたら、お父さんが、「さぁ、もうそろそろお外に行こう」と声をかけてきました。

そうしたらその男の子が、「おねえさんも一緒に来てください」と、きわめて紳士的に言いました。

おねえさんと呼ばれたことも少し嬉しくて調子に乗り、自分でも「おねえさんはここにいなきゃいけないの」と間違った表現を含む発言をしてしまいました。

「なんで?」と聞く男の子に、「おねえさん(あ、ありがとう、お父さん)はお仕事があるからだよ」とお父さんが言って引っ張って行きましたが、ちょっときゅんとしました

ところで、夏休みの期間以外はそう子どものお客さんが多いわけではないのですが、けっこう面白い子が時々来ます。

前に、リピーターの男の子が友達と来た時に、私が「久しぶり~!」と言ったら、その子に友達の方の子が「知り合いなんだ?」と訊きました。

するとその子は、「うん。よく来るんだ。もう、友達みたいなもんだよ」と言っていました。

相手は小5。そっか~、私って友達だったんだ!と思いました

そして後日。私が友達(本当の同年代の)と休日に勤め先に客として行って、休憩コーナーでコーヒーを飲んでいた時のこと。

その子が肩にスポーツバッグを担いであらわれ、「よお!」と声をかけられました。友達、というよりむしろ上からでは……

でも、中学生になってしまったら来なくなった。ちょっと淋しいですね

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“3年”、は妥当。

2009-11-05 23:51:50 | 本(エッセイ・ノンフィクション他)

3年後のカラダ計画 3年後のカラダ計画
価格:¥ 1,365(税込)
発売日:2008-06-11
以前秋の新ドラマ『リアル・クローズ』のことについて書いたとき、コメントを寄せて下さったシンさんが、“雑誌の連載分は読んでいる”と書いてらっしゃいました。

“あ、連載してるんだ!原作あるんだ~”と思ったのですが、最初は小説だと思っていたのです。

(女性ファッション誌かなんかに、写真付きのお洒落なレイアウトで載っているイメージだった)

けれど、Amazonで検索してみたら、漫画だったんですね!しかも作者は槇村さとる氏で、けっこうメジャーな方ではないか!

(私、以前書きましたが、高校時代は美術部と漫研を掛け持ちしていました。なのに、あんまり漫画に詳しくないんですね。なのになぜ漫研に入ったかというと……それはまた別の話ですね^_^;)

で、検索結果に出てきた本の中に、これが入っていて、つい気になって買ってしまったという次第です。

惹かれたのは、やはりタイトルでしょうか。“3年”というのがリアルでイイ、と思った。

ああ、この年齢になると短期間で即効ダイエット、なんていうのは無理だ。3年という緩やかなスパンで、自分の健康や体について考えていくのはいいな、と思ったのです。

内容は、ダイエット本というよりはやはりイラストエッセイ、という感じで、実用性を求める向きには、フィットしないかも。

でも、自分の身体の声を聞きながらキレイを目指す、という心もち(心意気?)を無理なく教えてくれて、私はかなり、気に入りました。

イラストエッセイもホントに楽しいし。“若さと老けの間”なんていうテーマエッセイは、身につまされるやら可笑しいやら。

なかなか自分のことは客観視できないものですが、“これをやればだれでも一発で「オバサン」になれる!!”というページは、よく心に留めて気をつけねば、と思いました。

(あと、思わず笑ったのは、“11歳でモテ系ではないと悟る”と書き添えられた作者の小学生時代のイラスト。ちなみに私の場合は8歳でした。ちょびっと早い)

そして、最後は“美しいとは”というテーマで締められますが、何かすこーし、ジーンとするし、共感する。

作者は49歳のとき、人生最後のダイエット、と思って一念発起したとか。

この年になると、“新しいこと始めるのしんどいなぁ……”と思いがちですが、今から3年頑張っても、まだ、槇村氏が始めた地点には少し余裕があるわけだし……と、少し勇気をくれた一冊です。

コメント (2)
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