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6月19日(火曜日)手術1日目
●朝6時
採血がある。検温、脈拍をはかる。
まだ朦朧としたままの状態だ。夜中に何度も目を覚まし、
窓の外のビル群をみようとするがよく見えない。
●9時
佐伯愛先生がお腹の下にある傷の確認をしてくださり、
「きれいですね。いいでしょう」
「順調ですからドレーンをぬきましょうね。看護師さんに伝えておきます」
そういって退出される。たくさんの管から開放される時がくる、とぼんやりと思う。
●9時40分
「ゆっくりと起き上がれたら練習しましょう」
と声をかけられ、10度にベッドを傾けられるが、
血管が逆流するかのように苦しくなって、すぐに戻してもらう。
心電図、酸素マスク、血栓予防の機械をはずしてくれる。
一晩中、血栓予防のマッサージ機の音が耳障りだったので、静寂が戻る。うれしい。
昨日のあひるの看護師さんではなく、お洒落な看護師さんが体を拭いてくれた。
しばらくして佐伯愛先生が病室を訪れ、「あれ、まだ抜けていないの?」といって
ドレーンを私の大腸あたりからぬっーと引き抜く。
あまりにもけだるい、生温かいイヤな気持ち。
吐きそうになる。全身で嘔吐するような不快感でいっぱい。
●11時~14時
嘔吐感がとれなく、吐き気止めを依頼するが全く効果なし。時計の秒針が動くのがあまりにも、のろのろと過ぎ、窓の外の全くうごかない景色に目をやるが、
しんどくなって、すぐ瞳を閉じる。
立つ練習をするはずだったが、とても無理な話だ。
何もできない、体全体が重い。
若い看護師さんが見に来てくれるが、とても動けないので諦めて病室を後にする。
吸い口で水をわずかに口に含むのが精一杯の仕事。
「まだ気分悪いのね、起きられないのね、また後で体を拭きにきます」
と看護師さんがいい、退出する。
なっちゃんから電話。「何しているの?」「なんでしんどいの?楽じゃなかったの」
同じような電話が3回かかってくる。
●3時
お昼ごはんの3分粥は手をつけられず、そのまま看護師さんが引いていかれた。
昼すぎに、歩行の練習をするはずだが誰も来ない。時間だけが遅々と過ぎる。
曇り空だけが窓越しに見える。雨が降っているという。台風で学校は臨時休校だと聞く。
「もういいよ、入院はもう沢山!」と口に出していうが、
このままやり過ごし、残念な気持ちでいても仕方ないので、ベットを起こす訓練を自分でする。
45度に座る。無理、と思うとすぐ戻すを繰り返す。
しばらくしてゆっくりベットの横の手すりにつかまり、ふらふらと立ってみる。
頭から全身の血の気がさあーと下に落ち、びっくりするほどしんどい。
再び横になる。しばらくして、ゆっくりと立つ、を何度も試みるがまた横になる。
●4時
ようやく訪れた看護師さんが、私がベットで座ってみているのを驚き、尿の管をぬいて立つ練習に手を貸してくれる。
ふらふらで立ち上がれない。3度目にようやく成功、吐き気を我慢して1歩、2歩と歩いて…。
看護師さんに連れられて、院内をゆっくり一周手すりに寄りかかりながら、ほんとうにゆっくり左右に肩を揺らして、頼りなげな足取りで歩く。
お腹が45度に曲がっている姿をみて、
「みんなこんな感じです、みんなお腹を抱えて45度の角度で歩かれています」
と看護師さん。
2日前は3分で歩くところを20分くらいかけて、歩行練習。
一周回ると少し気分が良くなった。
●6時
手術後、5分粥を少しずる胃袋に流し込む。
米のニオイ、美味しいとは思わないがなつかしい味。
●7時
食事を6分ほど頂くと、少し気分が落ち着く。
コンコンとノックをして会社を早退した夫が顔を出す。
「もう椅子に座っていていいの?元気じゃないか」と安心した表情で話し、
8時の面会終了前に帰る。
●8時
寝ているより、起きてトイレへ行ったり、椅子に腰掛けているほうが気分がいい。
それで読みかけの本を読み9時前に就寝。一日50時間、と思うほど長い長い一日が終わる。
摘出した子宮筋腫は350gだったという。
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