仕事の報告なので、面白くない人はスルーでどうぞ。
3週間掛かりの四国行きも、昨日ようやく終わった。大物の機械が”まあまあ”仕上がった。
金曜日にお客様の出荷検収立会検査(FAT)があり、何とか無事に済み、後は手直し解体積込み出荷し、
いよいよ現地での工事が始まる。次の土曜日搬入だ。なので又金曜の夜から現地に入る。今度は静岡県に
少しの間泊まることになる。”まあまあ”の仕上がりと言うのは、購入品の付帯設備が上手く行かなかった
から。お客様は分かって下さってるが、あくまでもそれを購入している自社の責任だ。
しかしこの3週間、私は口を出して見ているだけだが、試運転しながら少しでも問題有と思えばさっさと
メカ的にも手直し改修し、プログラムも修正し、調整しと、設計や工事の人たちの働きぶりはすさまじい
ものだ。機械を立ち上げさせる前はいつもこんなものではあるが。お客様の立会までに機械を”仕様通り”に
動かせなければならないのだから時間との戦いだ。納期に余裕があることなんかほとんどない。
こう言っては何だが、皆カッコいいよ。私はつくづく、こういうモノ造りの現場が好きなんだと思う。
世の中の奥様方に、ご主人のカッコよく働く姿を見せてあげたい。
何も無いところにマンガを描くところから始まって、最初は切ったり貼ったりの模型を作り、試行錯誤を
繰り返し、それを元に簡単なテスト機を作り動かしてみ、皆のアイデアを結集して方向を決め という風に
順に進み、そして仕上がって行く。試運転で上手く動いた動画を本社の皆にも送って、実機が動くところに
触れることの少ない女性たちにも見てもらう。
最初の頃、テストを手伝ってもらっていた人からは、『あれが、こんな風になるんですねぇ・・嬉しいですね』
とメール。そうだよ嬉しいよ、もっと喜んでいいんだよ、もっと自慢していいんだよ。こんな難しい凄い機械が
造れるんだもの、うちの会社。上手く行った時の喜びや困難を克服して来たことの達成感や充実感は何物にも
代えがたい。それがモノづくりの醍醐味だわと、知ったような顔をして思っている(;^_^A
お客様はコロナの関係で、今回外食は一切ダメと会社からのキツいお達しで、昼も夜もコンビニ弁当で済ませる、
接待のお食事も要らないと。仕方ないので、仕出し屋さんの松花堂とお土産とで堪忍してもらった。
遠くから車で3日間かけて来て下さってるのに(公共の交通機関もNGと)申し訳ないことだった。
その代わり自分たちは体が空いた。金曜の夜、行ける人たちだけでこの2週間で初めて外へ繰り出した。
皆そんな余裕無かったしね。
居酒屋で、普段はめったに褒めない社長が珍しく、設計の副部長(彼が一番忙しかった、獅子奮迅だった)と
ロボットの担当者とソフトの担当者たちを褒めて労った。『皆、よお頑張ったなぁ』と。若い設計者には
『自分のアイデアが具現化して上手く行ってどんな気持ちや?嬉しいやろ?』などと聞いていた。
私は彼に、『ボーナスたーくさん、はずんで下さるってよ』と言っておいた。
私には直接『〇〇さん、すごーいっ!』とかのお褒めの言葉は無いが(そりゃそんなこと言わないわね)、
よその人に『彼女がこの大型案件獲ってね』とか、コスト管理にうるさい私のやり方を『間違ってはいない』
と言ってくれたりで、つまりはそれが誉め言葉なんだと理解している。
一品物と言うか受注生産と言うか専用機と言うか、そう言うものには難しさは有りはするが、汎用機・標準機を
売るのにはない面白さがある。同じことを繰り返すより変化ある方が楽しい。
勿論、出張しながらでも見積はせっせと出している。次にどんな仕事が獲れるかなぁ。
呑気なこと言ってるが、この大型設備も現地行ってからの方が多分大変だ。スパッと垂直に立ち上がるか。
あともうひと踏ん張り、皆頑張ろ。
月が替われば、昨年の展示会でこのお客様の社長と初めてお目にかかっってから、丁度1年になる。
そして私はこの出張中に69歳になった。目出度く?も無いけれど、とりあえず無事で69歳を迎えられた
ことには感謝。