※4RAPD ( Randomly amplified polymorphic DNA ; 無作為増幅多型DNA)
PCR (Polymerase Chain Reation) 法と電気泳動法を組み合わせた、遺伝子分析法です。
薔薇のように挿し芽や株分け、自家受粉で繁殖する植物は、他の個体との自然交配の機会が極めて少ないので品種内のDNA塩基配列がほぼ一定で変化しがたい条件がそろっています。DNA分析で種を判断するには好都合の条件が整っているといえます。DNA塩基配列を分析することで植物の表現型(品種内の個体間では相同ですが、品種間では相違がある領域)を検出することが可能になります。
その種にとって特異な塩基配列(多型)を示す部位(ローカス)を鋳型(テンプレート)にして、これと相補的な配列を持つDNA断片(プライマー)を増幅させるPCR法では試料と異なるサンプルが混入した場合、プライマーの結合に差が生じランダムプライマーで増幅されるDNA断片のサイズ、数が異なることがあります。アガロースやポリアクリルアミドゲルを使った電気泳動でこの欠点を補うのがRAPD法です。識別性の高いプライマーを使用することが重要になってきます。
アガロースやポリアクリルアミドゲルはたんぱく質を分離するのに適当な孔をもつ網目構造になっています。これを利用して分子の大きさに応じて荷電しているDNA核酸分子をゲル内に注入して電気を流します。泳動距離は分子量の大きいものほど流れにくいことを利用します。(PCRによりDNAを増幅し目的の遺伝子を確認するため、制限酵素処理を行った後、電気泳動を実施します。)。電気泳動法でその出現パターンを比較して対象植物が同じ種であるか否かを識別します。
※5 DNAの内部転写スペーサーをシーケンシングする
Internal Transcribed Spacer (内部転写領域)は、分類や同定の際利用する領域のことです。短い一本鎖のDNA(プライマー)を使ってPCRで増幅し“内部転写領域”の塩基配列を決定、比較して種を同定することです。
上の文章は内容が判っている方が読むと、成る程その通りなのですが、始めて読む方にはなかなか取り付きにくい内容かもしれません。幾つかのサイトをつなぎ合わせてできるだけわかりやすくを心がけて作った解説ですが、解説文としてのは賛同は得られ無いかもしれません。
もう少し頭の中を整理しないといけないと思い、ネットを見ていると「家庭教師のトライ:https://www.youtube.com/watch?v=ZVpNtN9f4K0 」で高校生向けの講義をしていました。すごいですねえ。最近はほんとうに難しいことを習っているのですね。もうびっくり!!「これは基礎からやり直さないと。」と心底思いました。
そこで次のサイトからもう少しわかりやすい説明を引用させていただきました。(一部分書き足しています)http://www.jfmda.gr.jp/devicekikaku/topix/09/page_02.html
DNA分析に関する事柄はこれからのお話を進める上で大切なところなのでしっかりと頭の中に整理しておこうと思います。若い方で必要ない方はスキップしてください。( )の中は飛ばして読んでも大丈夫です。
下図は、ヌクレオチドの構造です。
ヌクレオチド
https://lifescience-study.com/1-structure-and-properties-of-dna-and-rna/
DNA(デオキシリボ核酸 Deoxyribonucleic acid)は、ヌクレオチドの重合体で遺伝子情報を担う物質で、細胞内の核の染色体の中にあります。
ヌクレオチドは、デオキシリボースにリン酸と塩基が付いた構造をしています。塩基にはアデニン(A)、グ アニン(G)、チミン(T)、シトシン(C)の 4 つの種類があり、 A と T、 G とCがそれぞれ水素結合した相補的結合(AにはTが、GにはCが必ず付くという結合)をしており、二重らせん構造を取ってDNAを作ります。
デオキシリボース https://idenwatch.com/seikagaku6-1/
(五角形の形をしたのが炭素が5つつながったデオキシリボースという糖。
炭素には右側から右回りに1’ から5’ までの番号が付いていて、1’ 番目に塩基が、5’ 番目にリン酸が付いてDNAの基本構成単位であるヌクレオチドが形成されます。)
https://lifescience-study.com/1-structure-and-properties-of-dna-and-rna/
4種類の塩基とリン酸の付いたヌクレオチドが連結して、ヌクレオチドの鎖が形成されます。デオキシリボースの5’位の炭素と3’位の炭素の間をリン酸基がつないで鎖状になります。
(このリン酸を介した結合をリン酸ジエステル結合:ホスホジエステル結合といい、下の図のように、糖とリン酸が交互に連結してポリヌクレオチド鎖の骨格を作っています。塩基は、この糖—リン酸骨格から突き出す形でデオキシリボースとつながっています。)
http://nsgene-lab.jp/dna_structure/basic_structure/
(ここで重要なのは、ポリヌクレオチド鎖には方向性があるということで、ポリヌクレオチド鎖が形成されたとき、リン酸基の付いたオキシリボースの5’ 位の炭素が向いている側を5’ 末端、OH基の付いたデオキシリボースの3’ 位の炭素が向いている側を3’ 末端といいます。)
遺伝子はDNAが複製されることによって次世代へと受け継がれていますが、どうやって複製するのでしょう。DNAは二重らせん構造となっており、そのらせん(2本鎖)がほどかれ、1本の鎖になったところに相補的な鎖が新たに作られることで複製されます。それができるのは、おさらいになりますが、DNAを構成する核酸にはアデニン(A)、グアニン(G)、シトシン(C)、チミン(T)の4種類の塩基が配列されており、AはTと、GはCとしか結合できない。ほどかれたDNAのAの塩基にはT、Cの塩基にはGがくっつくことで、相補的なDNAが合成されるからです。
ここまで押さえておくと後のお話がスムーズに進みます。
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