兵庫県加東市の青山医院の日記です!

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腎機能障害の人の飲料水 硬水・軟水

2023年01月26日 | 病気

外来では糖尿病・高血圧・脂質異常症といった一般的な生活習慣病から 慢性腎不全 甲状腺疾患などいろいろな病気を診察しています。

先日、年明けの外来で 90歳前後の男性からの質問に どんな水を飲んだらよいか という質問がありました。

 

今やYouTubeは若者だけのものではないのですね。

90歳というと パソコンやタブレットに縁がないなんて もう昔の話です。

私自身はYouTubeを見ることがほぼないので、余計に驚きました。

 

その方がおっしゃるには、「慢性腎不全には硬水が良いというのをYouTubeで言ってたから、少し前から取り寄せて飲んでるんだ」と。

お水もいろいろな種類がありますね。ミネラルウォーターにもたくさんの種類があり、富士山当たりのミネラル天然水や 水素水 と呼ばれるような種類のもの。海外からやってきた硬水の数々・・・

売り場にもたくさんのお水が並んでいます。

 

とくに硬水は口当たりなどが軟水よりは独特なので、好みがわかれるところであると思いますが、私も若い時には身体にいいよと聞いて一時飲んでいました。

硬水はカルシウムやマグネシウムなどの金属イオン含有量が多いお水のことです。

 

この方の場合は 透析まではいかないけれども、腎機能は維持していかなければ・・・という段階まで悪くなっている人でしたので、硬水はむしろ害があるかなと提案させていただきました。腎機能低下している状況では 特に高マグネシウム血症が心配です。

腎臓が悪ければ、お薬の緩下剤などもマグネシウム製剤は使いにくくなります。身体に蓄積してしまうからです。

また、腎臓が悪くない場合においても、お薬を飲むときは 薬の作用に金属イオンが影響することがあります。

お薬の成分と結合して吸収が悪くなってしまうのです。内服時には 日常的に硬水を利用されている方でも 水道水もしくは軟水を利用されるのが好ましいです。

 

 

YouTube を含め情報が溢れていますが、すべてが正しいというわけではないので、よくよく見比べて 主治医の先生とも相談してみてくださいね。

参考になれば幸いです。




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