コロナ感染症の広がりの中で、今まで会場まで足を運んでいた講演会や学会がほとんど、オンラインでの開催に代わってきています。土曜日午後は診療があったり、会場まで間に合わなくて参加できないことがほとんどでしたが、今日の午後はウェブ開催の講演会を聴講することができました。
ほんと便利です。
ずっとオンライン開催がいいです。自宅にいながら新しい知識を入れたり、考え直したりという機会が持てるのは本当に便利です。
今日は原発性アルドステロン症の講演でした。
内分泌代謝内科が専門なので、総合病院や大学病院時代にはよく目にした疾患です。
高血圧は一般的にもよく知られている疾患です。加齢や塩分摂取過多、肥満など生活習慣などが原因で起こってくるものと考えられていました。最近のいろいろな検査ができる状況の下では原発性アルドステロン症という病気が原因の高血圧が5-10%ほどの頻度でいるという統計があります。
日本人高血圧患者さんが約4000万人ですので、実数にするとアルドステロ症の人もかなりの人数隠れているということになります。
アルドステロンというのは、副腎という腎臓の上に帽子のように乗っかって存在する小さな臓器から分泌されるホルモンです。このホルモンは腎臓での塩分再吸収を促すホルモンです。原発性アルドステロン症は副腎が原因の病気(腺腫もしくは過形成)によりアルドステロンが過剰に産生される病気です。
その結果、身体の中で塩分が貯留し、塩が水をため込む性質があることから高血圧の原因となるといわれています。
高血圧は高血圧で問題になりますが、アルドステロンというホルモン自身が臓器障害をおこすという問題点もあります。
そのため、高血圧のコントロールが同等であっても、原発性アルドステロン症の人はそうでない人に比べて心血管系のリスク(脳卒中、心不全、腎不全など)が3-5倍ほど高くなる傾向があります。
当院でも薬を複数使用しても血圧の下がりが不十分であったり、年齢が若いのに高血圧を発症している方にはホルモン採血検査をしています。ここ2年の間にも数例原発性アルドステロン症の方をスクリーニングして、専門病院へお願いできました。今日の講演を聞いて、やはり頻度も多い疾患であり、何よりも治療・治癒可能な高血圧なので、スクリーニング検査(安静で採血をするだけで、判定できます)を積極的に進めたいと思いました。
漫然とした投薬では長期的な合併症進行は十分予防しきれないのかもしれません。
血圧管理で難渋している方は一度、採血検査を受けてみることをお勧めします。
当日の検査を希望の方は空腹で受診すると可能です(病院によると思いますので、それぞれ問い合わせてみてください)。
青山医院
0795-46-0321
ご無沙汰しています。
#副腎腫瘍で、観ていましたら、
先生のブログにたどり着きました。
半年前に、実は、副腎に2センチの腫瘍が見つかり
ました。
今の所は、良性らしいので、腹部エコーで様子を見るそうです。
検索すると、副腎専門の先生もおられるようなので、「必要なら、専門医を紹介してください」と、
お話しましたが、そこまでは必要ないそうです。
副腎って、あまり聞かない病気だったので、最初は色々不安でした。
寒くなりました。先生も、お体ご自愛下さい。
コメントありがとうございます。
副腎腫瘍は聞き慣れないですよね。CTとかで偶然見つかることも多いと思います。
ブログ見ていただきありがとうございます。
りぼんさんもお身体気をつけてくださいね。