「漢方薬」というと特別な薬 という感じがしますか?でも実は最近では症状によって、西洋医学の薬とともに漢方薬が処方されているケースが増えています。
日本に中国の医学が伝来した歴史はとても古く、ヤマト政権時代の6世紀前後。その後、中国にわたって医療を学んでくる医師たちの知識をもとに、日本の風土や体質に合わせて国内で独自に発達したものが現在の漢方医学と呼ばれるものです。
漢方薬とは、有効成分を含むとされる自然界の植物の葉や茎、根などを煎じたり、乾燥させて作られた「生薬(しょうやく)」を複数配合して作られる薬です(単独で用いられる薬もあります)。
例えば「葛根湯」はとても有名ですよね。風邪には葛根湯~ などと言って風邪の引き初めに効果があると言われていますが、これは葛(くず)の根を中心に他の生薬と配合して作られたものです。
現在、健康保険で処方することができる漢方薬は百種類以上もあります。西洋医学の薬が頭痛や炎症などの症状にピンポイントで効果を発揮するのに対して、漢方薬は原因の特定できない症状、例えば、冷えやめまい などの症状に対して、身体全体に緩やかに作用してバランスを整える効果があるとされています。
最近では多くの医師が症状に合わせて治療に漢方薬を取り入れているそうですよ。
当院も漢方薬を処方する機会が多いですし、調子が良い人は長期で継続して内服されています。
苦手な人は苦手で内服できないようですが、それぞれの漢方で味も感じ方も違うので、一度試されるとよいと思います。
ただし、自然界のものとはいえ、様々な有効成分が組み合わさった薬である以上、漢方薬にも副作用は存在します。
西洋医学の薬同様に、服用して異常を感じたら、すぐにかかりつけ医や薬剤師さんに相談をしてください。
漢方は副作用がなくて安全 と思っていらっしゃる方もいて、要注意です。
今日から気温がぐっと下がると予報です。
寒さ対策をしっかりでお出かけください。本日もよろしくお願いします。