人間の体に必要不可欠な 必須ミネラル の一つに亜鉛があります。
亜鉛は体の中ではわずかな量ではありますが、体のあらゆる場所で働き、生命維持にも大切な役割を担っています。
この大切な栄養素が不足する状態を低亜鉛血症といいます。
亜鉛不足すると
味覚障害(味がわからない、本来の味と違う味に感じる)
食欲不振(食欲がわかない、食が細くなる)
皮膚炎(かぶれやすい・かぶれが治らない)
脱毛
貧血口内炎ができやすい・風邪をひきやすくなる などなどの症状が出ます。
亜鉛欠乏症の診断は血液検査で血清亜鉛値を採血していることで確認が可能です。
また補充してみて症状が良くなるかどうか、他の疾患が影響していないことが否定できれば診断になります。
亜鉛が不足する原因としては大人は摂取不足(肉や魚に多く含まれている)。動物性たんぱく質をあまり食べない人は不足しがちです。また、ダイエットなどで食事量が少なく、十分な栄養が取れない場合、偏食がつづくと亜鉛不足になりやすくなります。
摂取できていても吸収不足を起こすこともあります。亜鉛は腸から吸収されますが、コーヒー・オレンジジュース・カルシウム・未精製の小麦や種子類の穀物・豆類に含まれるフィチン酸があります。これらが過剰になると亜鉛の吸収障害をおこしやすくなるようです。
病気が原因のばあいもあります。肝臓病・炎症性腸疾患や腸の手術では、吸収不良がおこります。また、糖尿病や慢性腎臓病・透析の患者さんなどでは排泄量が増加することが知られています。
亜鉛値が低下している場合、一番には亜鉛を多く含む食事を積極的にとることが必要です。
牡蠣・たらこ・ホタテ・豚レバー・牛肩ロース・鶏レバー・卵黄・納豆・豆腐・プロセスチーズ・精白米・食パンなどなど
それでも、改善内容であれば、内服薬による補充療法が可能です。
当院でも数名の方が亜鉛内服を開始し、口の渇きの症状が改善したり、唇の荒れが治ったり 効果がでているようです。
少しでも気になる症状があれば、亜鉛チェック、受けてみるとよいかもしれません。