1997年から2014年までの帯状疱疹発症数の月ごとの推移を検討したデータがあり、帯状疱疹患者は8月をピークに夏期に増加し、冬期は減少したといわれています。
帯状疱疹の発症数は水痘の発症率に比べて変化が少ないものの、帯状疱疹は夏に多く冬に少ない、水痘は夏に少なく冬に多い という関係も示されています。
夏場は暑さや疲れで免疫力が落ちやすく、また紫外線や湿度の影響で水ぼうそうが流行りにくいことから、水痘流行からのブースター効果(1度体内で作られた免疫機能が、再度抗原に接触することによって免疫機能が⾼まること)が起こりにくく、帯状疱疹が増えると考えられています。
帯状疱疹は身体の左右どちらか一方に、ピリピリと刺すような痛みと、これに続いて赤い斑点(はんてん)と小さな水ぶくれが帯状(おびじょう)にあらわれる病気です。この症状に由来して「帯状疱疹(たいじょうほうしん)」という病名がつけられました。身体の中に潜(ひそ)んでいたヘルペスウイルスの一種、水痘(すいとう)・帯状疱疹ウイルスによって起こります。水ぼうそうにかかったことのある人なら、誰でも帯状疱疹になる可能性があります。
通常、皮疹や水疱が消えるとピリピリとした痛みは消えていきますが、中に皮膚は綺麗になっても痛みが残る人がいます。帯状疱疹後神経痛と言います。
なかなか、一度起こすと治療が困難でペイン外来などで専門治療が必要になる場合があります。とくに、皮疹水疱がある時期に痛みが眠れないほど強かった人や高齢者では神経痛が残ることが多いようです。
治療の基本は抗ウイルス薬です。内服することでウイルスの増殖を抑え、罹病期間の短縮や症状緩和の効果があります。痛みがひどい時は鎮痛薬をしっかりと飲むことも大切です。抗ウイルス薬は発症早期に内服することが肝要です。あやしい皮疹が出た時ははやめにかかりつけ医の診察を受けてください。
万が一発症してしまった場合は
①しっかり休養をとり食事をしましょう
免疫力低下が帯状疱疹の一因です。ゆっくり休むことが回復への近道です。
②患部は冷やさないようにしましょう
冷えると痛みが悪化します。患部は温めて血流を良くしましょう
③水疱は破かないようにしましょう
水ぶくれが破れるとそこから細菌感染をおこすことがあります。患部は触らないほうが良いです。
④小さな子どもとの接触は避けましょう。
帯状疱疹が他の人にうつることはありませんが、水ぼうそうにかかったことのない乳幼児には水ぼうそうを発症させる可能性があります。かさぶたになれば感染リスクは無くなります。
その他、帯状疱疹は水痘と同じワクチンで予防できます。対象は50歳以上の方になります。ワクチンは完全に帯状疱疹の発症を抑えられるというわけではありませんが、発症時の症状が軽く済むともいわれており、接種をお勧めします。
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