帯状疱疹という病気、聞いたことがありますか?
水疱(みずぼうそう)なら聞いたことありますか?
いずれも、みずぼうそうのウイルスが原因です。
当院は皮膚科ではないため、帯状疱疹の患者さんが受診するのは年に数名(10人いない)といった頻度ですが、
春先におひとり受診され
ここ最近は5月末からの2-3週間の間に3名の帯状疱疹の方が来院されています。
帯状疱疹は水ぼうそうが治った後にも神経節(神経の根元)に潜伏し、ストレスや疲労などの状況が重なると神経節に潜んでいたウイルスが活動し症状をきたします。
身体の左右のどちらかにピリピリ刺すような痛み(痛みの程度は個人差が大きく、少し違和感がある程度の人から寝れないほど激しい痛みの人までいます)があり、これに続いて赤い斑点と小さな水ぶくれが帯状に現れます。帯状に現れるので帯状疱疹という名前がついています。
発症年齢は60歳代を中心に50-70歳代に多く見られる病気ではありますが、過労やストレスなどで若い世代の人にも発症することがあります。通常は生涯に1回といわれていますが、外来をしていると何度か発症している人もいるように思います。
まだ夏にはなってないですが、暑い日々が続いており、疲れが出ているかもしれません。
また、コロナワクチン接種後の体調不良が続いていて、帯状疱疹を発症したという人もいました。
コロナウイルスによる生活習慣の変化で自身では気が付かないストレスが続いていたり、睡眠時間の不足や食事時間・バランスが変化することによって体調が万全でない場合は注意が必要です。
帯状疱疹は症状が出てからの速やかな治療がお勧めです。後遺症の中でも帯状疱疹後の神経痛に悩まされるのがとてもつらそうです。ずきずき長期間にわたり痛むそうです。
早めの抗ウイルス剤での治療で、その後の「帯状疱疹後神経痛」を起こさずに済むことがわかっています。
帯状疱疹は他の人に 帯状疱疹としてうつることはありません。しかし、水ぼうそうにかかったことのない乳幼児やワクチン未接種の子供さんには水ぼうそうとしてうつる場合がありますので注意をしてください。
もしも、帯状疱疹になってしまったら・・・
①できるだけ安静にして、十分な睡眠・栄養を取って、肉体的・精神的な安静を心がけて下さい。
②水ぶくれは破らないようにしましょう
水ぶくれが破れると細菌感染を起こすことがあります。患部は触らないようにして清潔にしてください
③患部は冷やさないようにしましょう
冷えると痛みが強くなります。冷やさずに温めて血行を良くしましょう。ただし、シップやカイロはお勧めしません。
④小さな子供の接触は避けましょう
帯状疱疹はワクチンで予防することも可能です。50歳以上の方で適応があります。
水ぼうそうにかかったことがある人はウイルスに対しての免疫がありますが、年齢とともに弱まってしまうため、改めてワクチン接種を行い免疫を強化することで帯状疱疹を予防します。
予防接種は発症を完全に防ぐものではないですが、たとえ発症しても症状が軽くて済むという報告もあります。
身近で帯状疱疹の方に接した方がその様子を見てワクチンを受けにいらっしゃるケースもあります。
必要な方はご相談ください。