当院の患者さんは割と高齢者の率が高いです。
ご高齢の方って、電気毛布や湯たんぽ 電気あんかなど、好きですよね。
けれど、それが原因で毎年、1人か2人ほどかかりつけのいつもの患者さんが、低温やけどになって来院されます。
それも、結構ひどいのです。
水疱が広範囲にできていたり、はたまた、かなり火傷が深かったり・・・
低温やけどは体温より少し高いくらいの温度のものに、長時間当たり続けることが原因で起こります。
普通の熱湯がかかった場合や油がはねた場合、火に触ってしまったり・・・そういった場合より分かりにくいかなと思います。特に、皮膚が薄いお年寄りは熱いという感覚も鈍くなっていることがあり、注意が必要です。
寝返りができない赤ちゃんや運動麻痺がある寝たきりの方、その他、糖尿病での知覚障害がある人なども低温熱傷のなりやすい人です。また、深酒で寝込んでしまった人が、足があんかにあたりっぱなしになって、やけどをしたケースも遭遇しました。
低温熱傷は皮膚の奥深くまでじっくりと進行することが多く、重症化したり治りにくくなることが多いです。
万が一、発症しているのを発見したら、すぐに冷やしてください。
これは、普通のやけどの対応と同じです。清潔な流水で冷やすのがよいと思います。目安は20分ほど!
いつ発症したかわからないやけどなどは、水疱など破らずそっとして(水疱を破らないほうが早く治りますし、破るとばい菌に感染するリスクがあります)病院受診をして下さい。
火傷にアロエが効くからと葉っぱや液を塗って受診される方もいますが、同様に感染リスクがあります。
冬場、寒いですが、湯たんぽや電気あんかは就寝前に布団に入れておき、寝るときには布団から出すようにしたほうが安全です。使い捨てカイロも背中に張ったり、長時間同じ場所に張ることで低温やけどのリスクがあります
はるカイロは必ず、衣類の上から張ってください。低温やけどの軽症で、カイロを張っていた場所が、赤黒く色素沈着してしまった例もありました。元のきれいな肌に戻すにはなかなか時間がかかります。
電気毛布も一晩中の使用は低温やけどの原因になります。寝る前に電源を入れ、就寝中は電源を切るのがおすすめです。
火傷にならなくとも、異常なほど皮膚が乾燥し、かゆみや赤くなって肌トラブルの原因にもなってしまいます。
こたつ、ホットカーペットもつけたまま寝てしまうと危ないです。
自分で調節できない高齢者や熱いといえない乳幼児には周りが特に注意をしてあげる必要があります。
寒くて暖房器具が欠かせない毎日ですが、毎年、低温やけどの患者さんが来る現状を見て、ぜひ気を付けてほしいと思います。